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殿下のあがき
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「少し、四阿で話したいけどいいかな?」
恋人や婚約者でない限り学園内で二人だけで話す為には東西南北にある四阿の一つが利用される。今回は南の四阿で薔薇に囲まれた場所だ。比較的女子の眼が多い場所ですね。カフェテリアからも見える場所。殿下はさっくり透明の遮音結界を張る。
「まず、アルベルトが参加するお茶会に来てくれてありがとう」
「謝罪の為、と伝えられましたが」
「ああ。それは本当。子供の頃のあれこれを、って」
「今更な話ですよね」
私が私として答える。令嬢ブランシュとしての答えではない。
「ああ、今更、だ」
フランソワ様も理解されてるようでなにより。アルベルト殿下はどうだか、ね。
「これは警告なんだけど……、お茶会の時、俺もジャックも気を付けるけど、アルベルトと二人きりにならないで欲しい。あいつ……ブランシュ嬢の婚約者になればここにいられると思ってるから、泣き落としとか来ると思う」
「泣き落されると思います?」
「……それが無理なら魔道具とか使うかも。王宮には色々あるから」
「はぁ……、それをしたら王籍はく奪とかできそうですね」
フランソワ殿下が沈痛な面持ちになる。
「あいつ、それくらい自棄になってる」
理由を聞くと噂では北の国の女王は醜い、と。そんなところに行くのは嫌だ、と今更ながらに言い出したらしい。
「実際どんな方かわからないのでそれも嫌なのだろう」
「絵姿、送られてきてるのでは?」
「何割り増しかわからない程度に麗しい少女の絵が来た」
「我が国の殿下の絵はどの程度割増し?」
私たちを見つけて兄様が手を振る。フランソワ殿下が入口の遮音結界を外す。兄様が落ち着くと殿下が再度結界を張る。
「で、何の話?」
「アルベルト殿下」
兄様は私の言葉にうなずいた。
「お茶会の件?」
「そう。今、アルベルトが北の国行をごねだした理由を話したところ」
私はフランソワ殿下に解決策になりそうな事を提案する。
「貴方の下部組織の『影』を使って真実の女王の姿を絵にしてもらえばいいのでは?貴方が同情して、アルベルト殿下が国に残る努力をするべきか確かめられると思うのですが、殿下」
私は兄様の伝手で実際の女王陛下の絵姿を見ているので、噂が嘘である事は知っている。噂の元は多分、アルベルト殿下派というか妾妃様派なんだろうなぁ。妾妃様派の旗印としてアルベルト殿下はうってつけですしね。
「あ!」
フランソワ殿下も納得したようだった。
「影を使ういい練習になるんじゃないか?」
兄様に言われてフランソワ殿下はがぜんやる気がでたようだった。
「あまりだったら母上に相談する。……しかし」
フランソワ様は私が口にしなかったことを口に出す。
「アルベルト、結局外見しか気にしてないんだよな、女王の性格とか話題になったことがない」
あーあ、言っちゃった。
お茶会当日。……着飾った男を見てもわくっともしない。アルベルト殿下が満艦飾で待っている。
いや、これはない。帽子に戦艦を乗せるな。チカチカする組み合わせの色を多色使いとか……、ない、これはない。
「ブランシュ!」
「アルベルト殿下、我が娘を呼び捨てになさるのはおよしになって?それとその服装はなんですか?王子と言うお立場を考えてまともな服装を。趣味の悪い芸術作品かと思いました」
母様が割って入る。
「言ったでしょ。アルベルト、着替えてきなさい」
正妃様の言葉にトボトボとアルベルト殿下が一旦下がる。フランソワ殿下もついて行った。
しばらくしてアルベルト殿下が戻ってくる前に、ロザリー・フーシェ伯爵令嬢を紹介される。彼女の淑女教育の一端を母様が担当するらしい。
※ GW中は更新をお休みします。
次の更新は5月2週目火曜になります
恋人や婚約者でない限り学園内で二人だけで話す為には東西南北にある四阿の一つが利用される。今回は南の四阿で薔薇に囲まれた場所だ。比較的女子の眼が多い場所ですね。カフェテリアからも見える場所。殿下はさっくり透明の遮音結界を張る。
「まず、アルベルトが参加するお茶会に来てくれてありがとう」
「謝罪の為、と伝えられましたが」
「ああ。それは本当。子供の頃のあれこれを、って」
「今更な話ですよね」
私が私として答える。令嬢ブランシュとしての答えではない。
「ああ、今更、だ」
フランソワ様も理解されてるようでなにより。アルベルト殿下はどうだか、ね。
「これは警告なんだけど……、お茶会の時、俺もジャックも気を付けるけど、アルベルトと二人きりにならないで欲しい。あいつ……ブランシュ嬢の婚約者になればここにいられると思ってるから、泣き落としとか来ると思う」
「泣き落されると思います?」
「……それが無理なら魔道具とか使うかも。王宮には色々あるから」
「はぁ……、それをしたら王籍はく奪とかできそうですね」
フランソワ殿下が沈痛な面持ちになる。
「あいつ、それくらい自棄になってる」
理由を聞くと噂では北の国の女王は醜い、と。そんなところに行くのは嫌だ、と今更ながらに言い出したらしい。
「実際どんな方かわからないのでそれも嫌なのだろう」
「絵姿、送られてきてるのでは?」
「何割り増しかわからない程度に麗しい少女の絵が来た」
「我が国の殿下の絵はどの程度割増し?」
私たちを見つけて兄様が手を振る。フランソワ殿下が入口の遮音結界を外す。兄様が落ち着くと殿下が再度結界を張る。
「で、何の話?」
「アルベルト殿下」
兄様は私の言葉にうなずいた。
「お茶会の件?」
「そう。今、アルベルトが北の国行をごねだした理由を話したところ」
私はフランソワ殿下に解決策になりそうな事を提案する。
「貴方の下部組織の『影』を使って真実の女王の姿を絵にしてもらえばいいのでは?貴方が同情して、アルベルト殿下が国に残る努力をするべきか確かめられると思うのですが、殿下」
私は兄様の伝手で実際の女王陛下の絵姿を見ているので、噂が嘘である事は知っている。噂の元は多分、アルベルト殿下派というか妾妃様派なんだろうなぁ。妾妃様派の旗印としてアルベルト殿下はうってつけですしね。
「あ!」
フランソワ殿下も納得したようだった。
「影を使ういい練習になるんじゃないか?」
兄様に言われてフランソワ殿下はがぜんやる気がでたようだった。
「あまりだったら母上に相談する。……しかし」
フランソワ様は私が口にしなかったことを口に出す。
「アルベルト、結局外見しか気にしてないんだよな、女王の性格とか話題になったことがない」
あーあ、言っちゃった。
お茶会当日。……着飾った男を見てもわくっともしない。アルベルト殿下が満艦飾で待っている。
いや、これはない。帽子に戦艦を乗せるな。チカチカする組み合わせの色を多色使いとか……、ない、これはない。
「ブランシュ!」
「アルベルト殿下、我が娘を呼び捨てになさるのはおよしになって?それとその服装はなんですか?王子と言うお立場を考えてまともな服装を。趣味の悪い芸術作品かと思いました」
母様が割って入る。
「言ったでしょ。アルベルト、着替えてきなさい」
正妃様の言葉にトボトボとアルベルト殿下が一旦下がる。フランソワ殿下もついて行った。
しばらくしてアルベルト殿下が戻ってくる前に、ロザリー・フーシェ伯爵令嬢を紹介される。彼女の淑女教育の一端を母様が担当するらしい。
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