悪役令嬢はヒロインと関わりたくない【完結】

あくの

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ディオン様とアルフォンス様、そしてベルトラン兄様 2

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 「アルフォンス様、もっと貴男の事を知りたいって思ってます」

「わかりました。またおうちに伺っても?」

「ええ」

何だろう、何かがかちり、と嵌った感じがした。成長して、アルフォンス様と初めて踊って……なにかが決まった。腑に落ちる、って感じ。

 近すぎて当たり前に思ってた人。それがアルフォンス様だった。なにか壁ができた時期から私は彼らに「様」を着けて呼びかけるようになった。シリル様やアルベルト元殿下とか。それ以前はまだ『子供』で殿下以外はうちの庭がアフレ邸で一緒に遊んでいたのだ。

 だから、フランソワ殿下やジャック殿下は私の中では友人ですらなかった。そういう意味ではおバカだけどアルベルト殿下の方が親しい、となる。
 シリル様は私とは合わないし……あの人、結婚とか考えてなさそう。
 ベルトラン兄様はストーカーな性質が私向きではない。私は適度に放置してくれる人でないと息が出来なくなる。そう。愛が重い人と添える自信がない。
 消去法でもアルフォンス様になってしまうね。
 ディオン様は、……あの人は私に興味はあるけど、やはり小娘だと思ってる部分はあるし。うちとエリク様のところが結婚すると政治的バランスが面倒になるし。
 アレフ商会とうちは既にガッチリ関係は固まっているのであまり問題はない。それに私は嫡子ではないですしね。これが兄様とアフレ商会の縁者の女性だと色々うるさくなる。



 ベルトラン兄様に手をとられホールに出る。

「ブランシュ、……君に求婚していたけど私に縁談が来てね。正妃様の末の妹が我が家に来ることになったよ」

「そうですか」

「残念がってはくれない?」

なんていうか自分と似た感じの顔が迫ってきた。兄様とも似てる。

「ベルトラン兄様は……従兄だけど兄様、なんです」

「俺は兄様から抜けられなかったか」

「そうですね。……私には恋はわかりませんから」

ベルトラン兄様は少し寂しそうな顔になった。

「サラは、……恋故にああなったのかな」

私は何も言わなかった。あの走り書きの手紙、『やっぱり恋愛って馬鹿になるみたい』がサラ姉様の本音でサラ・バルバストル公爵令嬢としての最後の言葉だろう。
 また会える、なんて甘い事は考えません。今はサラ姉様は平民として夫となった方と家庭を築いているんだしそこに貴族の令嬢が訪れるのはサラ姉様の生活を乱す事になってしまうから。それはキャロライン先輩と二人で会った時に二人で決めた事。サラ姉様からのSOSがない限り会わないって。




帰宅して服を着替えて眠る前に兄様の部屋へ行く。

「兄様、アルフォンス様とお話を進めても?」

「やっと決めたか」

兄様はほっとしたようだった。

「なぜアルフォンスなの?」

兄様が私と同じ顔で小首を傾げる。

「ダンスをしたときに、兄様と同じような安心感があったから。恋愛感情がわからないなら安心感で決めてもいいかなって。それに伯爵領の事を考えるとアルフォンス様かディオン様、となりますよね」

兄様はじっと私を見つめる。

「理性で決めて後悔しない?」

「絶対とは言えませんが、7割くらいは大丈夫だと思ってます」

私の言葉に兄様はふふっと笑った。

「じゃ、アフレ子爵にも話を通して正式に話を進めるね。ディオン様にも断りを家から入れておく」

兄様は淡々と事務的に話を進めるようです。


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