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12. 営業開始
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3日間の研修が終わり、店がプレオープンした。最初の1週間はお茶会だけで運営して都度修正をいれる、とユーグに言われる。
レイは3か月後に人を増やしたら完全に裏方で動こうと心に決める。ユーリは生き生きと働いている。オディロンが見ているからだ。
ノエルとユーリは今年中にも借金の半額は返せるだろうなぁとレイは算段している。プ レオープンの1組目は貸し切りのお客様だった。レイはわかっていたので焦らなかった が、ユーリ、ディオン、アンドレの焦り具合は半端なく、ノエルは
「また来たのかよ」
と姉の顔を見て呟いた。アンドレの母親、ラブノー侯爵夫人、ノエルの姉ララベル公爵令嬢、ユーリの母親ミラベル公爵夫人、ディオンの姉で現メロディ女伯爵である元王女、そしてミレイ・メイソン侯爵令嬢。メンバーの天敵ともいえるメンバだった。
今回のお茶会はユーリが茶をいれ、他のメンバーがもてなすと言うことにしていたがラブノー侯爵夫人が自分の息子をちくちくと虐め、ミレイ嬢は元婚約者の存在を完全に無視し、元王女はじっと己の弟の所作を観察し、なにかメモをしていた。
午前の茶会でありスコーンや焼き菓子を女性達は楽しみ、元王女が書付をステファニーに渡し帰っていった。
ステファニーはその書付をジョフロアに渡す。ジョフロアはそれを読み大笑いをしたあと、メロディ女伯爵に手紙を書き始めた。
「昼飯は喰っとけよ。昼からは店普通にあけて客の流れをみるからな。……まだ開店したてだから物珍しさで客も来るとは思うけど」
ユーグが食堂で指示を開始する。
「各テーブルに着いたらすぐに注文を取る事。俺達がその注文を厨房に届ける。厨房から茶が来たらすぐに一緒に来た砂時計をひっくりかえせ。そしたら最適な茶ができる」
ユーグはディオンとアンドレをじっと見る。
「ディオン、アンドレ、お前たち二人が特に気を付けろ。失敗したら不味い茶を飲ませることになる。前回と午前中に来てくださった貴婦人方が多少の宣伝をしてくださったので君たちの学園時代の同級生にも話は広がったそうだ」
昼からの営業は、メンバーの学園時代の同級生やら課外活動で知り合った友人やらで男女比が3対7位で閉店までずっと満員だった。また翌日以降の予約もかなりとれた。
メンバー達に憧れていた女生徒たちはメンバーが、特にディオンやアンドレが失敗したり俺様対応してもうっとりと受け入れていたし、ノエルを指名してくるのは元のスイーツ仲間の女性達でこの女性達は純粋にこの店の茶菓を喜んでいた。ユーグたちはそんな客達に指名制の説明を書いた紙を帰り際に渡す。もちろんサポートの三人にぼーっとなって帰る女性もかなりいた。
「今日はまずまず成功かな。……ディオンとアンドレは二人とも60点くらいだな。俺達が帰るまでに80点レベル、ノエルとレイレベルになって欲しい。……フェルナンは、もう少し愛想良くな。へらへら笑えとは言わん。が、茶が旨いとか菓子が旨いとかの一瞬でいい、笑え。それだけでテーブルの女は喜ぶ。……男とはそのままでいい。あれは騎士団の?」
フェルナンの指名は男性が殆どだった。ディオン達ほどアリシアに貢いだわけでもないがレイたちのように楽しいデートをしていたわけでもないようだった。
オディロンとジョフロアは多分アリシアは『騎士団長』という親の権力を狙って近づいたもののこの頑固な少年を完全に落せなかったのだろうと読んでいた。フェルナンはジョフロアにアリシアとの会話を思い出して提出しろ、と言われている。
「そうです。愛想、ですね。わかりました」
ぼそぼそとフェルナンは言う。
「マリオン、フェルナンの指導についてくれ」
マリオンは頷く。殆どの人間はマリオンの声を聞いた事はなかった。
「アリシア嬢は結局、騎士団の情報を多少しか得られなかったようですね」
オディロンはジョフロアに茶をいれている。
「今日は高山茶ですよ。香りは高いですが味はバランスがとれている茶葉です」
レイは予算をある程度茶と菓子に割り振り、オディロンとユーリに任せることにした。『だだし無尽蔵にはつかわせませんからね』と釘も刺されている。
「フェルナンは外しても良かったんだよな」
と手元の書類を見ながらジョフロアは言う。
「彼は多分理由を悟ってますよ」
オディロンは自分で入れた茶を楽しみながらジョフロアに告げる。
「自分の保護とアリシアの可笑しさに気が付いてるんじゃないですかね、きっと」
レイは3か月後に人を増やしたら完全に裏方で動こうと心に決める。ユーリは生き生きと働いている。オディロンが見ているからだ。
ノエルとユーリは今年中にも借金の半額は返せるだろうなぁとレイは算段している。プ レオープンの1組目は貸し切りのお客様だった。レイはわかっていたので焦らなかった が、ユーリ、ディオン、アンドレの焦り具合は半端なく、ノエルは
「また来たのかよ」
と姉の顔を見て呟いた。アンドレの母親、ラブノー侯爵夫人、ノエルの姉ララベル公爵令嬢、ユーリの母親ミラベル公爵夫人、ディオンの姉で現メロディ女伯爵である元王女、そしてミレイ・メイソン侯爵令嬢。メンバーの天敵ともいえるメンバだった。
今回のお茶会はユーリが茶をいれ、他のメンバーがもてなすと言うことにしていたがラブノー侯爵夫人が自分の息子をちくちくと虐め、ミレイ嬢は元婚約者の存在を完全に無視し、元王女はじっと己の弟の所作を観察し、なにかメモをしていた。
午前の茶会でありスコーンや焼き菓子を女性達は楽しみ、元王女が書付をステファニーに渡し帰っていった。
ステファニーはその書付をジョフロアに渡す。ジョフロアはそれを読み大笑いをしたあと、メロディ女伯爵に手紙を書き始めた。
「昼飯は喰っとけよ。昼からは店普通にあけて客の流れをみるからな。……まだ開店したてだから物珍しさで客も来るとは思うけど」
ユーグが食堂で指示を開始する。
「各テーブルに着いたらすぐに注文を取る事。俺達がその注文を厨房に届ける。厨房から茶が来たらすぐに一緒に来た砂時計をひっくりかえせ。そしたら最適な茶ができる」
ユーグはディオンとアンドレをじっと見る。
「ディオン、アンドレ、お前たち二人が特に気を付けろ。失敗したら不味い茶を飲ませることになる。前回と午前中に来てくださった貴婦人方が多少の宣伝をしてくださったので君たちの学園時代の同級生にも話は広がったそうだ」
昼からの営業は、メンバーの学園時代の同級生やら課外活動で知り合った友人やらで男女比が3対7位で閉店までずっと満員だった。また翌日以降の予約もかなりとれた。
メンバー達に憧れていた女生徒たちはメンバーが、特にディオンやアンドレが失敗したり俺様対応してもうっとりと受け入れていたし、ノエルを指名してくるのは元のスイーツ仲間の女性達でこの女性達は純粋にこの店の茶菓を喜んでいた。ユーグたちはそんな客達に指名制の説明を書いた紙を帰り際に渡す。もちろんサポートの三人にぼーっとなって帰る女性もかなりいた。
「今日はまずまず成功かな。……ディオンとアンドレは二人とも60点くらいだな。俺達が帰るまでに80点レベル、ノエルとレイレベルになって欲しい。……フェルナンは、もう少し愛想良くな。へらへら笑えとは言わん。が、茶が旨いとか菓子が旨いとかの一瞬でいい、笑え。それだけでテーブルの女は喜ぶ。……男とはそのままでいい。あれは騎士団の?」
フェルナンの指名は男性が殆どだった。ディオン達ほどアリシアに貢いだわけでもないがレイたちのように楽しいデートをしていたわけでもないようだった。
オディロンとジョフロアは多分アリシアは『騎士団長』という親の権力を狙って近づいたもののこの頑固な少年を完全に落せなかったのだろうと読んでいた。フェルナンはジョフロアにアリシアとの会話を思い出して提出しろ、と言われている。
「そうです。愛想、ですね。わかりました」
ぼそぼそとフェルナンは言う。
「マリオン、フェルナンの指導についてくれ」
マリオンは頷く。殆どの人間はマリオンの声を聞いた事はなかった。
「アリシア嬢は結局、騎士団の情報を多少しか得られなかったようですね」
オディロンはジョフロアに茶をいれている。
「今日は高山茶ですよ。香りは高いですが味はバランスがとれている茶葉です」
レイは予算をある程度茶と菓子に割り振り、オディロンとユーリに任せることにした。『だだし無尽蔵にはつかわせませんからね』と釘も刺されている。
「フェルナンは外しても良かったんだよな」
と手元の書類を見ながらジョフロアは言う。
「彼は多分理由を悟ってますよ」
オディロンは自分で入れた茶を楽しみながらジョフロアに告げる。
「自分の保護とアリシアの可笑しさに気が付いてるんじゃないですかね、きっと」
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