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11. 解呪
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「わかりますか……」
「ああ、ぷんぷん匂ってるよ。呪いの匂いがする」
ジョフロアがそっと仮面を外す。赤黒い傷や発疹が仮面のあった部分を覆いつくしている。
「教会には?」
「これが呪いだと気が付きもしませんでしたよ。悪化しないようにこの仮面をくれただけで」
「この仮面をくれたのは?」
「副教皇様、……現モンテロー公爵の弟ですね」
「ふーん、モンテロー公爵を探ってる?」
オディロンの問いにジョフロアが頷く。
「この大仕掛けは釣り餌かな?」
オディロンは仮面の縁を触っている。
「その役目もありますが……ディオン達の保護という役目もあります」
「理由は?」
ステファニーがそっと外そうとするとオディロンが止める。
「君も聞いておきなさい。巻き込まれたんだから情報を持っている方がいい」
「はい……」
ステファニーはじっとどの場に立っている。
「お嬢さんはこっちの席に」
オディロンの隣の一人掛け用のソファにステファニーを座らせる。オディロンはステファニーの視線をジョフロアから切るように座った。
「ぶっちゃけるとアリシアがディオン、ユーリ、アンドレに魅了を使った形跡がありましてね」
オディロンが片眉を上げる。
「貴方の再来ですよ。ピンクの髪にピンクの瞳、親の形見だというピンクの石のネックレス。……兄上の顔を見てかちっとパズルが嵌ったんですけどね」
オディロンはジョフロアの仮面の下に隠れていた部分を丁寧になぞっている。何が起きたのかと思うような光が一瞬部屋に充満し消える。
「はい、呪いは仮面に閉じ込めたよ。これを提出して解析してもらうといい。多分教皇の方が関わってると思う。この仮面自身はそれ以上呪いが広がらないようにするための物だからね」
ジョフロアは溜息をつく。
「相変わらず兄上の魔法はでたらめだ」
「ふふっ。伊達に全属性持ちでこの国一の魔力量を持ってるわけじゃないよ」
オディロンはにっこり笑う。ステファニーはこういう風に気軽に魔法を使う現場をみて驚いていた。教会での解呪や癒しの魔法を使うのに大抵は聖水で魔法陣を描くところから始まりかなり大掛かりで時間がかかるのだ。
「で、なぜ呪われた?」
「ピンク色の石の出所を追ってたらモンテロー公爵に行き当たりましてね。アリシアは自分の血筋を証明する石だと言い張ってるんですよ」
「アリシアってのが対象者、ね?」
オディロンは座りながら互いの手の指を合わせている。ジョフロアもよくするポーズだ。
「ええ、……最初から兄上を引きずり込めばよかった。まぁ、あの坊主どもに稼がせて家に金を返させる為っていう表の理由も本当でね」
「かなりの金額なんだ?」
「ええ」
ステファニーがさっと立ち上がり紙ばさみから一枚の書類をオディロンに渡した。オディロンが口を少しだけ開いて唇を舐めた。
「アンドレとディオンの金額は……ちょっとすごいな」
「でしょう。……ただアリシアは金を集めるための装置だったのかなと思ってます」
ジョフロアは少し溜息をついた。
「ああ、ぷんぷん匂ってるよ。呪いの匂いがする」
ジョフロアがそっと仮面を外す。赤黒い傷や発疹が仮面のあった部分を覆いつくしている。
「教会には?」
「これが呪いだと気が付きもしませんでしたよ。悪化しないようにこの仮面をくれただけで」
「この仮面をくれたのは?」
「副教皇様、……現モンテロー公爵の弟ですね」
「ふーん、モンテロー公爵を探ってる?」
オディロンの問いにジョフロアが頷く。
「この大仕掛けは釣り餌かな?」
オディロンは仮面の縁を触っている。
「その役目もありますが……ディオン達の保護という役目もあります」
「理由は?」
ステファニーがそっと外そうとするとオディロンが止める。
「君も聞いておきなさい。巻き込まれたんだから情報を持っている方がいい」
「はい……」
ステファニーはじっとどの場に立っている。
「お嬢さんはこっちの席に」
オディロンの隣の一人掛け用のソファにステファニーを座らせる。オディロンはステファニーの視線をジョフロアから切るように座った。
「ぶっちゃけるとアリシアがディオン、ユーリ、アンドレに魅了を使った形跡がありましてね」
オディロンが片眉を上げる。
「貴方の再来ですよ。ピンクの髪にピンクの瞳、親の形見だというピンクの石のネックレス。……兄上の顔を見てかちっとパズルが嵌ったんですけどね」
オディロンはジョフロアの仮面の下に隠れていた部分を丁寧になぞっている。何が起きたのかと思うような光が一瞬部屋に充満し消える。
「はい、呪いは仮面に閉じ込めたよ。これを提出して解析してもらうといい。多分教皇の方が関わってると思う。この仮面自身はそれ以上呪いが広がらないようにするための物だからね」
ジョフロアは溜息をつく。
「相変わらず兄上の魔法はでたらめだ」
「ふふっ。伊達に全属性持ちでこの国一の魔力量を持ってるわけじゃないよ」
オディロンはにっこり笑う。ステファニーはこういう風に気軽に魔法を使う現場をみて驚いていた。教会での解呪や癒しの魔法を使うのに大抵は聖水で魔法陣を描くところから始まりかなり大掛かりで時間がかかるのだ。
「で、なぜ呪われた?」
「ピンク色の石の出所を追ってたらモンテロー公爵に行き当たりましてね。アリシアは自分の血筋を証明する石だと言い張ってるんですよ」
「アリシアってのが対象者、ね?」
オディロンは座りながら互いの手の指を合わせている。ジョフロアもよくするポーズだ。
「ええ、……最初から兄上を引きずり込めばよかった。まぁ、あの坊主どもに稼がせて家に金を返させる為っていう表の理由も本当でね」
「かなりの金額なんだ?」
「ええ」
ステファニーがさっと立ち上がり紙ばさみから一枚の書類をオディロンに渡した。オディロンが口を少しだけ開いて唇を舐めた。
「アンドレとディオンの金額は……ちょっとすごいな」
「でしょう。……ただアリシアは金を集めるための装置だったのかなと思ってます」
ジョフロアは少し溜息をついた。
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