15 / 30
15. 寄付の扱い
しおりを挟む
レイは父親から手紙を貰った。かなりの額の小切手が同封されていてレイは困惑した。扱いが困るのでレイは即座にジョフロアに相談する。
最近、ジョフロアの執務室に行くと、教会関係者がいる。そしていつもオディロンもいる。教会の神官がレイを認め頭を下げる。オディロンがそのまま教会の関係者を庭に誘った。
「さて、レイ。何かあったか?」
「父から巨額の小切手が届きまして」
ジョフロアはレイの率直な所が好きであった。貴族であれば致命的かもしれないが、報告に嘘も駆け引きも混ぜない。
「君が使えばいいのでは?」
「店宛てに来てるんですよ」
ジョフロアが返事をしようとしたらオディロンが入って来た。
「君が後ろめたいんだら皆で分けたら?メンバー5人で分けたら?あ、サポートの3人にも特別ボーナス渡してもいいかも」
「店に入れなくてもいいんですか?」
レイが不思議そうに訊ねる。
「それしちゃったら儲けが判りにくくなるだろ?『寄付』は儲けに入れちゃいけないしきっともっと色々来ると思うよ」
オディロンがばちんと片目をつぶる。
「兄上、貴方ウィンク相変わらず下手ですね」
ジョフロアは笑いをかみしめながら言う。レイも力が抜けたようだ。
「……これは、じゃぁ皆の借金の穴埋めに使います……が、これでフェルナンの借金解消ですよ?」
ジョフロアはふむ、と口の中でつぶやいた。
「フェルナンとは後で話す。帳簿はちゃんと着けておいてくれたまえ」
「はい」
その後、色んな家から『寄付』がちょくちょく来るようになった。その中にラブノー侯爵家とノアイユ侯爵家の名はなかった。ラブノー侯爵自身やその嫡男からはある程度の金が寄付されている。
レイは会計報告をしてからジョフロアに訊ねる。
「アンドレはノアイユ家ゆかりの女性の怒りをかっている?」
「……うちの奥方もかんかんでな。いつ辺境から乗り込んでくるかわからん」
ジョフロアは素で答えた。
「リリーちゃん、怖いもんね」
「兄上に対してはもっと怒ってますよ。彼女の敬愛する先輩が尼僧になってしまったんだから」
オディロンは珍しく暗い目をする。
「当時の侯爵がそういう措置をとるとは思わなかった」
「兄上に全部ひっかぶせば良かったのに。レディ・オーベルがこの国から出るのを嫌がったので修道院に、ということですし」
オーベル侯爵は爵位を返上し、親戚を頼り少し離れた国に行った。この国と縁を切りたい、と。
「今回は諸悪の根源も店のメンバーもすぐに確保できたのはよかった」
ジョフロアも同意して頷く。
「フェルナンで手間取ったのが良かったのではないでしょうか」
最近、ジョフロアの執務室に行くと、教会関係者がいる。そしていつもオディロンもいる。教会の神官がレイを認め頭を下げる。オディロンがそのまま教会の関係者を庭に誘った。
「さて、レイ。何かあったか?」
「父から巨額の小切手が届きまして」
ジョフロアはレイの率直な所が好きであった。貴族であれば致命的かもしれないが、報告に嘘も駆け引きも混ぜない。
「君が使えばいいのでは?」
「店宛てに来てるんですよ」
ジョフロアが返事をしようとしたらオディロンが入って来た。
「君が後ろめたいんだら皆で分けたら?メンバー5人で分けたら?あ、サポートの3人にも特別ボーナス渡してもいいかも」
「店に入れなくてもいいんですか?」
レイが不思議そうに訊ねる。
「それしちゃったら儲けが判りにくくなるだろ?『寄付』は儲けに入れちゃいけないしきっともっと色々来ると思うよ」
オディロンがばちんと片目をつぶる。
「兄上、貴方ウィンク相変わらず下手ですね」
ジョフロアは笑いをかみしめながら言う。レイも力が抜けたようだ。
「……これは、じゃぁ皆の借金の穴埋めに使います……が、これでフェルナンの借金解消ですよ?」
ジョフロアはふむ、と口の中でつぶやいた。
「フェルナンとは後で話す。帳簿はちゃんと着けておいてくれたまえ」
「はい」
その後、色んな家から『寄付』がちょくちょく来るようになった。その中にラブノー侯爵家とノアイユ侯爵家の名はなかった。ラブノー侯爵自身やその嫡男からはある程度の金が寄付されている。
レイは会計報告をしてからジョフロアに訊ねる。
「アンドレはノアイユ家ゆかりの女性の怒りをかっている?」
「……うちの奥方もかんかんでな。いつ辺境から乗り込んでくるかわからん」
ジョフロアは素で答えた。
「リリーちゃん、怖いもんね」
「兄上に対してはもっと怒ってますよ。彼女の敬愛する先輩が尼僧になってしまったんだから」
オディロンは珍しく暗い目をする。
「当時の侯爵がそういう措置をとるとは思わなかった」
「兄上に全部ひっかぶせば良かったのに。レディ・オーベルがこの国から出るのを嫌がったので修道院に、ということですし」
オーベル侯爵は爵位を返上し、親戚を頼り少し離れた国に行った。この国と縁を切りたい、と。
「今回は諸悪の根源も店のメンバーもすぐに確保できたのはよかった」
ジョフロアも同意して頷く。
「フェルナンで手間取ったのが良かったのではないでしょうか」
2
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
お妃さま誕生物語
すみれ
ファンタジー
シーリアは公爵令嬢で王太子の婚約者だったが、婚約破棄をされる。それは、シーリアを見染めた商人リヒトール・マクレンジーが裏で糸をひくものだった。リヒトールはシーリアを手に入れるために貴族を没落させ、爵位を得るだけでなく、国さえも手に入れようとする。そしてシーリアもお妃教育で、世界はきれいごとだけではないと知っていた。
小説家になろうサイトで連載していたものを漢字等微修正して公開しております。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
【完結】逃がすわけがないよね?
春風由実
恋愛
寝室の窓から逃げようとして捕まったシャーロット。
それは二人の結婚式の夜のことだった。
何故新妻であるシャーロットは窓から逃げようとしたのか。
理由を聞いたルーカスは決断する。
「もうあの家、いらないよね?」
※完結まで作成済み。短いです。
※ちょこっとホラー?いいえ恋愛話です。
※カクヨムにも掲載。
いつか優しく終わらせてあげるために。
イチイ アキラ
恋愛
初夜の最中。王子は死んだ。
犯人は誰なのか。
妃となった妹を虐げていた姉か。それとも……。
12話くらいからが本編です。そこに至るまでもじっくりお楽しみください。
偽りの愛の終焉〜サレ妻アイナの冷徹な断罪〜
紅葉山参
恋愛
貧しいけれど、愛と笑顔に満ちた生活。それが、私(アイナ)が夫と築き上げた全てだと思っていた。築40年のボロアパートの一室。安いスーパーの食材。それでも、あの人の「愛してる」の言葉一つで、アイナは満たされていた。
しかし、些細な変化が、穏やかな日々にヒビを入れる。
私の配偶者の帰宅時間が遅くなった。仕事のメールだと誤魔化す、頻繁に確認されるスマートフォン。その違和感の正体が、アイナのすぐそばにいた。
近所に住むシンママのユリエ。彼女の愛らしい笑顔の裏に、私の全てを奪う魔女の顔が隠されていた。夫とユリエの、不貞の証拠を握ったアイナの心は、凍てつく怒りに支配される。
泣き崩れるだけの弱々しい妻は、もういない。
私は、彼と彼女が築いた「偽りの愛」を、社会的な地獄へと突き落とす、冷徹な復讐を誓う。一歩ずつ、緻密に、二人からすべてを奪い尽くす、断罪の物語。
「無能」と切り捨てられた令嬢、覚醒したら皆が土下座してきました
ゆっこ
恋愛
「リリアーヌ。君には……もう、婚約者としての役目はない」
静まり返った大広間に、元婚約者である王太子アランの冷たい声だけが響く。
私はただ、淡々とその言葉を受け止めていた。
驚き? 悲しみ?
……そんなもの、とっくの昔に捨てた。
なぜなら、この人は——私をずっと“無能”と笑ってきた男だからだ。
貴方だけが私に優しくしてくれた
バンブー竹田
恋愛
人質として隣国の皇帝に嫁がされた王女フィリアは宮殿の端っこの部屋をあてがわれ、お飾りの側妃として空虚な日々をやり過ごすことになった。
そんなフィリアを気遣い、優しくしてくれたのは年下の少年騎士アベルだけだった。
いつの間にかアベルに想いを寄せるようになっていくフィリア。
しかし、ある時、皇帝とアベルの会話を漏れ聞いたフィリアはアベルの優しさの裏の真実を知ってしまってーーー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる