王国公認ホストクラブ 【完結】

あくの

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20. 腹黒比べ

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 「次は結構頑張ってるからこっちが本命かな」

「モンテロー公爵家子飼いの組織なのか……」

ジョフロアの言葉をオディロンが引き取る。

「隣の国の影なのか」

「噂の特殊部隊かもね。この手こずってる感じは」

ユージェニーの呟きにジョフロアが答える。

モンテロー公爵ピエールにそこまでの実力あるかねぇ」

オディロンが言うとジョフロアが返す。

「公爵が使われてるんだろ。……あの国には魅了使いの一族がいるのかね」

「ピエール……」

オディロンが溜息をつく。

「兄上や陛下は幼馴染だから、どこか甘いんですよ。……モンテロー公爵あの人も陛下も兄上に対すコンプレックスが凄かったから」

オディロンは本気でびっくりしている。

「はぁ?ただの道楽者だよ、私は」

ジョフロアは鼻で笑った。

「そう言うところですよ、兄上」

ジョフロアは続ける。

「貴方は万能型の癖に特化型にもなれる器用な人だ。公爵も兵かも万能型で突出したものがない。特に陛下は貴方の方が能力が高いので王位を継ぐべきだと未だに思ってるんですよ」

オディロンはまだ驚いた顔のままだ。

「兄上より陛下が王でよかったですよ。……兄上が王位を継いだら何もかも自分でやりたがるから人材は育たないは、キャパシティは越えるわ。短命に終わったでしょうね」

「ジョフロア様がわかってるから陛下の心は少しは楽になってると思う。……オディロン様の方が陛下より影向きではあるし」

やっとオディロンは魂が戻ってきたようでにやりと笑う。

「私は腹黒いからね。ほんのちょっぴりな。……ピエールも立派な狸に育ったもんだ」

ジョフロアもユージェニーも笑っている。



 捕り物も終わり、明け方、クラブに忍び込んだ男がいた。その男はさっくりと内部に配置された影につかまった。また翌早朝、ラブノー家の馬車がクラブに着きじゅうたんで巻かれた荷物が五つ運び込まれた。絨毯にピンで紙が止めてありラブノー夫人の筆跡で『被魅了者』と書かれてあった。
 ノアイユの本館からは『襲撃なし』とリリーの筆跡で急ぎの手紙が来ていた。

「子供らは無事ね」

ユージェニーは既に着替えていた。

「不良側妃はさっくり王宮に帰るわ。陛下も顛末気にしてるだろうし。今なら朝ごはんにまにあうしね」

とにこやかに風のように去っていった。

「ユージェニーは陛下の腹黒さにきがついてないのかね?」

ジョフロアの言葉にオディロンは答える。

「そう思わせないのが陛下の陛下たるところだよな。陛下あの子は神輿として担がれてるように見えて方向指示も行きたいところも全部思い通りしてるからな。それを理解してないと今回のピエールみたくなるわけで」

「でもね、陛下兄上がオディロン兄上にコンプレックス抱いてるのは本当。貴方のカリスマ性があれば、ってね」

オディロンは目の前の机をこんこんと叩く。

「人は適材適所だよ。私より陛下のほうが為政者向きさ」
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