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本編
馬車の中の令嬢達
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「フーシェの家って事は鈍感ソフィーがいるって事ね」
4人の令嬢が乗る馬車はかしましい。
「そういえば、ソフィー嬢はローラン陛下にヤリ捨てされて娼館に落されたんだって」
少女たちから似合わないセリフが発せられている。
「ふふ、ってことはあの人は娼婦ってことでいいのよね。フレデリク様もフーシェ侯爵もそんな女捨てればいいのに」
ヴィズール公爵家 エレーヌ
スメー侯爵家 ジャクリーン
フィリドール伯爵家 ララ
マレ子爵家 ノエラ
このエレーヌとその取り巻き達は兄達の交流で仲が良くなっていった。そしてエレーヌは自分こそが王太子妃にふさわしいと思っていた。セシルもソフィーも自ら目立ちたいタイプではなく、セシルはエリカが出てくるより前には『エレーヌに譲っても良いけど……』位の気持であったらしい。
セシルもソフィーも王家に執着はなかった。ただ王太后は王太子に箔を求めた。その結果がセシルだった。そしてソフィーがローランの婚約者となったのはセシルの補佐として、そして公爵家の娘、という事だけであった。あとはエレーヌは明らかに秋波をローランに送っていたので、自分に興味なさげなソフィーを思い通りにしたかったローランの気持ち、でソフィーはローランの婚約者となった。
セシルもソフィーも特別な教育を殆ど必要とせずすぐに政務を任せられたので二人の王子はこれ幸いと二人に政務を任せきってしまった。それまでは側近の子息達が政務をやっていたので側近たちは一息つけるようになった。
今、ローランの実務を担ってるのはランバート侯爵とローランの叔父のエティエンヌであった。新たな側近たちは『遊び相手』であった。そう、親が望んでいるような政治に食い込む事はできなかった。
そしてセシルから知らされて、出版された少女小説とそれをもとにした自主流通本の存在を知りチェックを入れた。より悪意を感じる自主流通本を追ったらしい。
そしてマルグリットはソフィーには言わなかったのだが自主流通本には四人の令嬢が関わっていた。そう、エレーヌとその一派であった。新聞社にはメイドを使って入稿していたのだが、エレーヌのメイドがメイド服のまま入稿しにいっていたのでどこの家がやっているのかはすぐばれた。少女たちはそれがマルグリットまで届いているとは思ってなかった。
「今日はソフィーはいるのかしら?」
「あの子鈍いからいるんじゃない?何しても顔色変わらないし面白くないの」
「お陰でエリカにしたことをソフィーがしたってローラン陛下に言えたものね」
「そうそう。私たちの『功績』でお父様達を元に戻してもらえないかしら」
「エリカにちょっと媚びて戻してもらいましょうよ」
四人はどこから手配された馬車かも考えることもなく話を垂れ流してる。4家の客室は離されていたので4人全員が集まって喋るのは久しぶりであった。そしてこの馬車には仕掛けがしてあった。この中で交わされた会話を拾って全て録音しておける魔石が中の飾りに混ざっていくつか配置されていたのである。
フーシェ家の御者はえげつないなぁと思いながら顔色も変えず馬車をフーシェ家の屋敷に向けて走らせる。
「ラミナ公爵夫人、いえ、フーシェ侯爵夫人、お招きありがとうございます」
エレーヌの挨拶と共に四人の令嬢は礼をとる。あまり美しい姿勢ではないわね、とマルグリットは思った。エレーヌは頭すら下げない。他の馬車から降りて来たエレーヌの母親は娘の姿に眉を顰めて近寄って来ようとしたが執事が優雅に奥方達をまずは、と温室に連れて行った。
「あなたたちのお相手は私ではないの」
マルグリットはにこやかに告げて少女たちを部屋に連れて行った。そこにいたのはセシルの兄二人とソフィーの兄三人、そした各家の子息であった。その中にはララとジャクリーヌの婚約者もいた。貴公子達はいつものようなにこやかな顔ではなくみな無表情で部屋の真ん中には見たことのある自主流通本が積んであった。
4人の令嬢が乗る馬車はかしましい。
「そういえば、ソフィー嬢はローラン陛下にヤリ捨てされて娼館に落されたんだって」
少女たちから似合わないセリフが発せられている。
「ふふ、ってことはあの人は娼婦ってことでいいのよね。フレデリク様もフーシェ侯爵もそんな女捨てればいいのに」
ヴィズール公爵家 エレーヌ
スメー侯爵家 ジャクリーン
フィリドール伯爵家 ララ
マレ子爵家 ノエラ
このエレーヌとその取り巻き達は兄達の交流で仲が良くなっていった。そしてエレーヌは自分こそが王太子妃にふさわしいと思っていた。セシルもソフィーも自ら目立ちたいタイプではなく、セシルはエリカが出てくるより前には『エレーヌに譲っても良いけど……』位の気持であったらしい。
セシルもソフィーも王家に執着はなかった。ただ王太后は王太子に箔を求めた。その結果がセシルだった。そしてソフィーがローランの婚約者となったのはセシルの補佐として、そして公爵家の娘、という事だけであった。あとはエレーヌは明らかに秋波をローランに送っていたので、自分に興味なさげなソフィーを思い通りにしたかったローランの気持ち、でソフィーはローランの婚約者となった。
セシルもソフィーも特別な教育を殆ど必要とせずすぐに政務を任せられたので二人の王子はこれ幸いと二人に政務を任せきってしまった。それまでは側近の子息達が政務をやっていたので側近たちは一息つけるようになった。
今、ローランの実務を担ってるのはランバート侯爵とローランの叔父のエティエンヌであった。新たな側近たちは『遊び相手』であった。そう、親が望んでいるような政治に食い込む事はできなかった。
そしてセシルから知らされて、出版された少女小説とそれをもとにした自主流通本の存在を知りチェックを入れた。より悪意を感じる自主流通本を追ったらしい。
そしてマルグリットはソフィーには言わなかったのだが自主流通本には四人の令嬢が関わっていた。そう、エレーヌとその一派であった。新聞社にはメイドを使って入稿していたのだが、エレーヌのメイドがメイド服のまま入稿しにいっていたのでどこの家がやっているのかはすぐばれた。少女たちはそれがマルグリットまで届いているとは思ってなかった。
「今日はソフィーはいるのかしら?」
「あの子鈍いからいるんじゃない?何しても顔色変わらないし面白くないの」
「お陰でエリカにしたことをソフィーがしたってローラン陛下に言えたものね」
「そうそう。私たちの『功績』でお父様達を元に戻してもらえないかしら」
「エリカにちょっと媚びて戻してもらいましょうよ」
四人はどこから手配された馬車かも考えることもなく話を垂れ流してる。4家の客室は離されていたので4人全員が集まって喋るのは久しぶりであった。そしてこの馬車には仕掛けがしてあった。この中で交わされた会話を拾って全て録音しておける魔石が中の飾りに混ざっていくつか配置されていたのである。
フーシェ家の御者はえげつないなぁと思いながら顔色も変えず馬車をフーシェ家の屋敷に向けて走らせる。
「ラミナ公爵夫人、いえ、フーシェ侯爵夫人、お招きありがとうございます」
エレーヌの挨拶と共に四人の令嬢は礼をとる。あまり美しい姿勢ではないわね、とマルグリットは思った。エレーヌは頭すら下げない。他の馬車から降りて来たエレーヌの母親は娘の姿に眉を顰めて近寄って来ようとしたが執事が優雅に奥方達をまずは、と温室に連れて行った。
「あなたたちのお相手は私ではないの」
マルグリットはにこやかに告げて少女たちを部屋に連れて行った。そこにいたのはセシルの兄二人とソフィーの兄三人、そした各家の子息であった。その中にはララとジャクリーヌの婚約者もいた。貴公子達はいつものようなにこやかな顔ではなくみな無表情で部屋の真ん中には見たことのある自主流通本が積んであった。
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