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夜明けの回顧
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「…………誰が、獣人とは違って理性があるって?」
「いやー、アハハ」
笑ってすまされると思うなよ…?と睨みをきかせつつも起き上がれない。
確かに、確かに酷いことはされなかった。どちらかと言うとめちゃくちゃ丁寧に抱いてくれた方だと思う。
しかし、だ
「一回が長くない…?遅漏にもほどがないか……??」
「いやーそれな、よく言われるんだ」
でも別に気持ちよくないってわけでもないし、中折れもしなかっただろ?とダームウェルは悪びれない。
「でも流石に長すぎて、相手が途中から嫌になってくるんだよな。だからいつもこれを使うようにしてる」
「そんな怪しげな薬をなんの了承もなく塗るんじゃねえ……!」
「でも気持ちよかっただろ?おかげさまで3回も射精出来た。これは久しぶりの快挙なんだぜ?」
「…………(知るかそんなこと…!!)」
そのせいで俺の腰は死んでるんだが?という顔をする龍之介に、ダームウェルは「悪かったよ」と心にもない謝罪を口にする。はい、まったく誠意が感じられない。こっちは腹上死を覚悟したというのに…!
「そもそも俺の種族はセックスがそんなに得意じゃないというか…他種族には嫌われがち?だからなあ」
「多種族?あ、他種族か」
そういやあんたはどんな特性持ちなの?と何の気なしに尋ねると、ダームウェルはあっけらかんと「あ、言ってなかったっけ?」と教えてくれた。
「俺、魔人なの」
しかも珍しい、混じり気なしの希少種なんだわ、とカミングアウトする。
龍之介はその瞬間、時が止まったかのようにぴたりと息が出来なくなった。
魔人、とは
「え、……もしかして、こわい人?」
「ハハ、さて、どうかね」
引き攣った顔をみせる龍之介に、ダームウェルは愉快そうな表情を崩さない。
「一般的には怖いんじゃないか?でも俺は、はぐれ者だからさ」
「でも俺、奴隷商で聞いた。魔人はこの世界に9人しかいないって」
「今はちょっと増えて11人だ。俺を抜かしてな」
「そんな奴がどうしてこんなとこに…」
「言っただろ?俺ははぐれ者だし、レイノルドとは古い友人だ。身分を隠して旅をしているし、その過程で貴族にこき使われることだってある。至って穏健派の平和主義者さ」
「へいわ…」
平和主義の魔人??と、龍之介はよくわからなくなる。そして、遠い記憶を引っ張り出す。
「魔人だけは敵に回すな」
そう言ったのは、誰だっただろうか?
それはこの世界に来たばかりの頃の記憶だ。命からがら逃げ出した夜盗の住処でも、攫われた奴隷商の牢屋でも耳にしたその言葉。
(魔人が現れたらすみやかに撤退、もしくは死を覚悟しろ…)
魔人に出会すことは、即ち大災に遭うことと一緒だと聞いた。
それなんて無惨?と思ったものだったが…
(実在してた、)
龍之介はあらためて、今自分が異世界にいて、いかに己がちっぽけな存在であるかを理解する。
(…………魔人だってよ、)
マジで人間なんて、卑小なんだと思い知らされた。
そんな、午前5時半の出来事である。
「いやー、アハハ」
笑ってすまされると思うなよ…?と睨みをきかせつつも起き上がれない。
確かに、確かに酷いことはされなかった。どちらかと言うとめちゃくちゃ丁寧に抱いてくれた方だと思う。
しかし、だ
「一回が長くない…?遅漏にもほどがないか……??」
「いやーそれな、よく言われるんだ」
でも別に気持ちよくないってわけでもないし、中折れもしなかっただろ?とダームウェルは悪びれない。
「でも流石に長すぎて、相手が途中から嫌になってくるんだよな。だからいつもこれを使うようにしてる」
「そんな怪しげな薬をなんの了承もなく塗るんじゃねえ……!」
「でも気持ちよかっただろ?おかげさまで3回も射精出来た。これは久しぶりの快挙なんだぜ?」
「…………(知るかそんなこと…!!)」
そのせいで俺の腰は死んでるんだが?という顔をする龍之介に、ダームウェルは「悪かったよ」と心にもない謝罪を口にする。はい、まったく誠意が感じられない。こっちは腹上死を覚悟したというのに…!
「そもそも俺の種族はセックスがそんなに得意じゃないというか…他種族には嫌われがち?だからなあ」
「多種族?あ、他種族か」
そういやあんたはどんな特性持ちなの?と何の気なしに尋ねると、ダームウェルはあっけらかんと「あ、言ってなかったっけ?」と教えてくれた。
「俺、魔人なの」
しかも珍しい、混じり気なしの希少種なんだわ、とカミングアウトする。
龍之介はその瞬間、時が止まったかのようにぴたりと息が出来なくなった。
魔人、とは
「え、……もしかして、こわい人?」
「ハハ、さて、どうかね」
引き攣った顔をみせる龍之介に、ダームウェルは愉快そうな表情を崩さない。
「一般的には怖いんじゃないか?でも俺は、はぐれ者だからさ」
「でも俺、奴隷商で聞いた。魔人はこの世界に9人しかいないって」
「今はちょっと増えて11人だ。俺を抜かしてな」
「そんな奴がどうしてこんなとこに…」
「言っただろ?俺ははぐれ者だし、レイノルドとは古い友人だ。身分を隠して旅をしているし、その過程で貴族にこき使われることだってある。至って穏健派の平和主義者さ」
「へいわ…」
平和主義の魔人??と、龍之介はよくわからなくなる。そして、遠い記憶を引っ張り出す。
「魔人だけは敵に回すな」
そう言ったのは、誰だっただろうか?
それはこの世界に来たばかりの頃の記憶だ。命からがら逃げ出した夜盗の住処でも、攫われた奴隷商の牢屋でも耳にしたその言葉。
(魔人が現れたらすみやかに撤退、もしくは死を覚悟しろ…)
魔人に出会すことは、即ち大災に遭うことと一緒だと聞いた。
それなんて無惨?と思ったものだったが…
(実在してた、)
龍之介はあらためて、今自分が異世界にいて、いかに己がちっぽけな存在であるかを理解する。
(…………魔人だってよ、)
マジで人間なんて、卑小なんだと思い知らされた。
そんな、午前5時半の出来事である。
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