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死ぬかと思った
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「両手、開いてテーブルの上に置きなさい」
あっさり何かしようとしているのがバレてしまった。仕方がないので言われた通りに両手を差し出そうとすると、そこでタイミング良く王様が助け船を出してくれた。
「レイシャ、彼は俺の客人だ。それ以上の無礼な振る舞いは俺が許さない」
「ええ?お兄様、いつからこんな悪趣味になったの?目が腐ってしまったのかしら」
「俺の目が腐っているなら、レイノルドの目は今頃腐り落ちてんじゃねえか?」
「そう言えば、お兄様の趣味は元々悪かったのを思い出したわ。嫁の中にも分不相応な娘が何人かいたものねえ?」
「お前に比べたら俺の嫁たちはみんな魅力的で可愛い女だよ」
「…だから趣味が悪いって言うのよ」
ヒェッと思う。まるで地を這うような声音でレイシャが呪いの言葉を吐く。こわっ、王様に対してもこんな態度なん?と龍之介がビビりまくっていると、レイシャが再び龍之介の方をキッと睨みつけてきた。
「私のレイノルド様に抱かれて、あまつさえ溺愛されている、ですって?お前如きが?」
今すぐ息の根を止めて、その死体をレイノルド様に送りつけてやるわ!とレイシャが腕を振り上げる。その鬼の形相に、龍之介はビビり散らしてつい、ぎゅっと目を瞑ってしまった。そんなことをしても何にもならないのに、龍之介は思わず反射的にきつく目を閉じた。
(…………あれ?)
けれどいつまで経っても、くるはずの痛みはやってこない。おそるおそる目を開けてみると、そこには何故かレイノルドが立っていた。
「私の物に手を出すというのなら、相応の報いを受ける覚悟があるのだな?」
そう言った瞬間、レイノルドが前方へと手を翳す。するとその刹那、金属音にも似た不快な音と共に、襲いかかろうとしたその姿のまま、レイシャが突如として石化してしまった。
(うそぉん)
めちゃくちゃ躍動感のある、鬼の形相の美女の石像が出来上がってしまった。
え、レイノルドってこんなこと出来んの?すごない?とパチパチと瞬きを繰り返していると、くるりとレイノルドがこちらを振り返る。
そして、まじまじと顔を覗き込まれた後、ぎゅっと強く抱きしめられてしまった。
心配かけたのかな…と一瞬しおらしく抱擁を受け入れようとした龍之介であったが、徐々に締めつけられるような強い痛みに襲われて、慌ててレイノルドの背中を叩く。
「痛いっ、くるしいっ、死ぬ、骨折れる!!」
「………………」
「おい、離せ!マジでない、内臓出るっ、レイ…ノルド…」
「………………」
「おい、レイノルド。離してやらないとマジで死ぬぞ」
見かねた王様に無理矢理引き剥がしてもらった時には既に龍之介は事切れていた。
もとい、気を失ってしまっていた。
心配かけたのは申し訳ないし、悪いとは思うけれど、今後は心のままに力一杯抱擁するのはやめて頂きたい。
そう心から思った、龍之介であった。
あっさり何かしようとしているのがバレてしまった。仕方がないので言われた通りに両手を差し出そうとすると、そこでタイミング良く王様が助け船を出してくれた。
「レイシャ、彼は俺の客人だ。それ以上の無礼な振る舞いは俺が許さない」
「ええ?お兄様、いつからこんな悪趣味になったの?目が腐ってしまったのかしら」
「俺の目が腐っているなら、レイノルドの目は今頃腐り落ちてんじゃねえか?」
「そう言えば、お兄様の趣味は元々悪かったのを思い出したわ。嫁の中にも分不相応な娘が何人かいたものねえ?」
「お前に比べたら俺の嫁たちはみんな魅力的で可愛い女だよ」
「…だから趣味が悪いって言うのよ」
ヒェッと思う。まるで地を這うような声音でレイシャが呪いの言葉を吐く。こわっ、王様に対してもこんな態度なん?と龍之介がビビりまくっていると、レイシャが再び龍之介の方をキッと睨みつけてきた。
「私のレイノルド様に抱かれて、あまつさえ溺愛されている、ですって?お前如きが?」
今すぐ息の根を止めて、その死体をレイノルド様に送りつけてやるわ!とレイシャが腕を振り上げる。その鬼の形相に、龍之介はビビり散らしてつい、ぎゅっと目を瞑ってしまった。そんなことをしても何にもならないのに、龍之介は思わず反射的にきつく目を閉じた。
(…………あれ?)
けれどいつまで経っても、くるはずの痛みはやってこない。おそるおそる目を開けてみると、そこには何故かレイノルドが立っていた。
「私の物に手を出すというのなら、相応の報いを受ける覚悟があるのだな?」
そう言った瞬間、レイノルドが前方へと手を翳す。するとその刹那、金属音にも似た不快な音と共に、襲いかかろうとしたその姿のまま、レイシャが突如として石化してしまった。
(うそぉん)
めちゃくちゃ躍動感のある、鬼の形相の美女の石像が出来上がってしまった。
え、レイノルドってこんなこと出来んの?すごない?とパチパチと瞬きを繰り返していると、くるりとレイノルドがこちらを振り返る。
そして、まじまじと顔を覗き込まれた後、ぎゅっと強く抱きしめられてしまった。
心配かけたのかな…と一瞬しおらしく抱擁を受け入れようとした龍之介であったが、徐々に締めつけられるような強い痛みに襲われて、慌ててレイノルドの背中を叩く。
「痛いっ、くるしいっ、死ぬ、骨折れる!!」
「………………」
「おい、離せ!マジでない、内臓出るっ、レイ…ノルド…」
「………………」
「おい、レイノルド。離してやらないとマジで死ぬぞ」
見かねた王様に無理矢理引き剥がしてもらった時には既に龍之介は事切れていた。
もとい、気を失ってしまっていた。
心配かけたのは申し訳ないし、悪いとは思うけれど、今後は心のままに力一杯抱擁するのはやめて頂きたい。
そう心から思った、龍之介であった。
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