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シールドって言ったけど実は呪具
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「やっぱり、こうなってしまいますよね」
ぬるぬると中途半端な刺激を龍之介の下腹部に与えながら、エルヴィンは溜息混じりにそう呟く。
どうしても、素の状態のままでいると相手に魅了の魔法がかかってしまう。
高位のエルフにもなると、黙って立っているだけで他者を魅了してしまうのだ。これは他種族への影響が特に強く、とりわけ魔力耐性のない者を相手にした場合問答無用で従属化出来るほどの威力があった。故に里を出てレイノルドのもとで働くことを決めた時、幻術をかけ呪具を身につけることでなんとかそれらを押し込めることに成功したものの、それに伴う副作用も勿論あった。
それは、所謂性欲の減退である。
(誰を相手にしてもその手の欲望がまったく無くなってしまったのは驚きでした)
とは言え、その状態にもすぐに慣れた。性欲をなくしても日常生活にこれといった支障はなく、存外手間のかかる主人の世話を焼いていると日々はあっという間に過ぎていく。
エルフと獣人の相性はよくはなかったが、幻術をかけ呪具を身につけている間は嫌悪感を抱かれることはなかった為半獣人の多いレイノルドの屋敷でも不便は感じず、それなりに上手く立ち回れていたと思う。そうこうしている間にエルヴィンはすっかりセックスとは縁遠い生活を送ることとなっていった。
だがここにきて、レイノルドが獣人国に出戻ることが決まったのである。
これにはエルヴィンも少々面食らってしまった。そんなことはあり得ないと思っていたからだ。
だが様々な事情が複雑に絡み合い、結果としてレイノルドは王の座についた。幻術をかけ呪具を身につけている限りは獣人たちから反感を買うことはないが、相性が悪いということはエルヴィンの側からしても獣人は苦手ということになるわけで…
(あちらほどあからさまでないにしろ、私としても獣人共に周囲を彷徨かれるのは気分のいいものではありませんから……)
ここらが潮時だろうと、そう思った。
レイノルドのことは嫌いではなかったし、執事として精一杯仕えてきたつもりではあったが所詮は長い人生の中のほんの一瞬の暇潰しである。状況が変われば決別はやむを得ない、そう考えていた。
それなのに───
(あなたが、私を引き止めたりするからですよ)
エルヴィンは焦点の定まらない目をしたままちいさく喘ぎ続ける龍之介の顔を凝視する。
思えば興味を惹かれる部分は多々あった。龍之介は最初から異質であったし、これ以上ないほど虚弱で無力であったにも関わらず、なんだかんだと生き延び続け今や多くの者たちから愛される存在となっていた。その様はいっそ驚嘆に値する程である。
エルヴィンは生まれてこの方誰かを愛したことなどなかったし、だからこそ興味が湧いた。レイノルドやルクシュ、スピネルたちがこぞって執心する存在。龍之介が相手ならばもしかして───と、
「そう、思ったんですけどね……?」
ぬるぬると中途半端な刺激を龍之介の下腹部に与えながら、エルヴィンは溜息混じりにそう呟く。
どうしても、素の状態のままでいると相手に魅了の魔法がかかってしまう。
高位のエルフにもなると、黙って立っているだけで他者を魅了してしまうのだ。これは他種族への影響が特に強く、とりわけ魔力耐性のない者を相手にした場合問答無用で従属化出来るほどの威力があった。故に里を出てレイノルドのもとで働くことを決めた時、幻術をかけ呪具を身につけることでなんとかそれらを押し込めることに成功したものの、それに伴う副作用も勿論あった。
それは、所謂性欲の減退である。
(誰を相手にしてもその手の欲望がまったく無くなってしまったのは驚きでした)
とは言え、その状態にもすぐに慣れた。性欲をなくしても日常生活にこれといった支障はなく、存外手間のかかる主人の世話を焼いていると日々はあっという間に過ぎていく。
エルフと獣人の相性はよくはなかったが、幻術をかけ呪具を身につけている間は嫌悪感を抱かれることはなかった為半獣人の多いレイノルドの屋敷でも不便は感じず、それなりに上手く立ち回れていたと思う。そうこうしている間にエルヴィンはすっかりセックスとは縁遠い生活を送ることとなっていった。
だがここにきて、レイノルドが獣人国に出戻ることが決まったのである。
これにはエルヴィンも少々面食らってしまった。そんなことはあり得ないと思っていたからだ。
だが様々な事情が複雑に絡み合い、結果としてレイノルドは王の座についた。幻術をかけ呪具を身につけている限りは獣人たちから反感を買うことはないが、相性が悪いということはエルヴィンの側からしても獣人は苦手ということになるわけで…
(あちらほどあからさまでないにしろ、私としても獣人共に周囲を彷徨かれるのは気分のいいものではありませんから……)
ここらが潮時だろうと、そう思った。
レイノルドのことは嫌いではなかったし、執事として精一杯仕えてきたつもりではあったが所詮は長い人生の中のほんの一瞬の暇潰しである。状況が変われば決別はやむを得ない、そう考えていた。
それなのに───
(あなたが、私を引き止めたりするからですよ)
エルヴィンは焦点の定まらない目をしたままちいさく喘ぎ続ける龍之介の顔を凝視する。
思えば興味を惹かれる部分は多々あった。龍之介は最初から異質であったし、これ以上ないほど虚弱で無力であったにも関わらず、なんだかんだと生き延び続け今や多くの者たちから愛される存在となっていた。その様はいっそ驚嘆に値する程である。
エルヴィンは生まれてこの方誰かを愛したことなどなかったし、だからこそ興味が湧いた。レイノルドやルクシュ、スピネルたちがこぞって執心する存在。龍之介が相手ならばもしかして───と、
「そう、思ったんですけどね……?」
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