OZLord

第二部

オズ 再び

　二人は踵を３回鳴らしオズの国に再び帰ったがティックトックの作戦によりオズの国の森の奥にあるボロ屋に身を潜めることとなった。
　
「……ティックトックこれが作戦？？」
　
「はい今エメラルドシティに行けば奴らに見つかる可能性が十分に高いです　まずはあのボロ屋で今後の取り決めを決めましょう」
　
「大丈夫かよ…」

　ガチャリとボロ小屋を開け二人は埃でゲホゲホと咳をするとひとまず椅子に座り今後についてティックトックとともに考えていた。
　
まずは仲間から……
「なあティックトック…他の仲間は？ライオンとブリキとルカ……」
　
「残念ながら捕まっています」
　
スミスは頭を抱えていた。

「こけっ…」
　
　なやめるスミスの前に現れたニワトリ…
　
「！なんでいるんだよ」
「多分巻き込まれたのね」
　
　ドロシーはニワトリを抱き寄せる。

「ドロシー今の状況を……」
　
　その時ドアがきいぃと開き、茶髪とサスペンダーのズボンを履いた茶色のベレー帽をかぶっている青年がはあはあと息を荒げながら入ってくる。

ドロシーが青年に駆け寄ろうとするがスミスに止められた。
　
「誰だよお前」
スミスが尋ねると青年が周りにあるゴミを取りながら自己紹介する。

「オイラはチップ　北の国のギリキン出身だあんたもしかしてドロシー？？」
「ああっそうだが？」

　チップはガシッと腕を掴む。
「あんたがドロシー？ずっと会いたかった……オイラあんたのファンなんだよ」
　
　ケラケラと笑うと次にドロシーに挨拶をする。
　
「こっちもドロシー？こっちは可愛いな……」
　
　その愛らしさに見惚れているとニワトリが襲い掛かりその瞬間胡椒瓶の中にある虹色の粉がボロ屋の奥にあるカボチャ頭の人形にかかってしまった。

「ああ！！魔法の粉が！」
チップが叫んだ。
　
動き出すカボチャ頭の人形の気配にティックトックは身を構え、チップは魔法の粉の胡椒瓶の蓋をしめ、ポケットの中に入れる。

「ああまずい」

カボチャ頭の人形はまるで生き物のように動き出しガチャガチャと音を鳴らす。

「あっあ……」
　カボチャ頭の人形は声を出した。

ティックトックが攻撃しようとするとドロシーに止められる。

「待ってティックトック　悪い子じゃないかも」

　ドロシーはカボチャ頭の人形に近づいた。
　
「こんにちわ初めまして　私はドロシーよ」
「どろ……しー」

　カボチャ頭の人形は喋り始めた。

そのカボチャは子供のようにニコニコ笑う。

「はぁ……」
　スミスは何がわからず困惑するがカボチャ頭の人形はチップの膨らむポケットを指差す。

「もしかしてこれか？？」
ポケットから再び粉の瓶を出す。

「それって魔法の粉って言っていなかった？」
　ドロシーが質問をすると
　
「これはなオズの国では国宝級の品無機物に命を吹き込むって本に書いてあったがまさかここまでとは……ならなおさら博士に返さないと……ラケドーの元にまた渡る前に」

「博士？………」

ドロシーが雌鶏を持ちながら聞く。

「ピプト博士　この粉を作れる最後の職人だ」