幸福サーカス団

もちもちピノ

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律子ちゃんとの出会い

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これは幸福サーカス団と律子が出会った頃のお話

ここはとある中学校

サッカーがとくいな上級生の高島に恋する恋原ナナミ

「高島せんぱい…かっこいい」

すっかりメロメロになる ナナミを横目に見るまえにツインテールの太ももの太い女の子

彼女は奥村律子おくむらりつこナナミの親友である

「…」

その帰りの放課後 ナナミと律子は一緒に喫茶店に向かい チーズケーキとコーヒーを頼んだ。

「先輩とお近づきになりたーい」

「えっと話しかければいいと思うよ」

「うち 小心者だから…」

ナナミのしょんぼりとした顔に呆れながらチーズケーキを一口食べるとカウンターに座る黒い肌の道化師が声をかけてきた。

「きみたち恋バナをしているね」

ニコニコと近づく不審者に警戒する2人

「なんですか?」

道化師は黒い名刺を出す。

「ボクはね困っている人をほっておけない
ただの善良な道化師さ」

名刺には ジョーカーという名前と好きなもの
サインが書かれている裏には…

あなたの幸福叶えます
幸福サーカス団

「…幸福サーカス団??」

律子はキョトンとするがナナミは何故か目をキラキラさせていた。
「あなたがあのなんでも願いをかなえてくれるネットで都市伝説になっているあの?」

ジョーカーはニコリ微笑み頷いたが律子は相変わらず警戒している。

「ナナミ 行こ」

ナナミの腕を引っ張り店を後にする律子を見守るジョーカー

(…あの大根足の子の願い聞いていなかったな…)


翌日

学校にてルンルンのナナミを見かけた
「おはよう ナナミどうしたの?」

ナナミは嬉しそうに答える。

「高島先輩に告白されたんだ 明日の土曜日に初デートするの」

「えっ?話したことないのに?いきなり告白って」

ナナミの言葉に違和感を感じ、そう返すがナナミは足が地面につかないほど浮かれていた。

(おかしい…)

頭の中にあの道化師がよぎった。

放課後
公園に向かう律子はキョロキョロと周りを見渡していた。

(たしか幸福サーカス団の都市伝説ではここにあいつが出没することがあるって…)

「やあ 大根ちゃんどうしたのこんなところで」

振り向くと陽気な声で笑うジョーカー
律子はズンズン道化師に迫り、睨みつけた。

「あんた ナナミに何をしたの」

「ナナミ?あの子のこと?その子がどうしたの」

キョトンとするジョーカー

律子はさらに迫る。

「今日 ナナミが先輩に告白された あんた何か知っているんでしょ!答えて」

ジョーカーはしばらく考え込む。

「…ボクは昨日から何もしてないよ?だって願い聞きそびれたからね」

ジョーカーはふわっと浮かび帰っていく。



ジョーカーと別れた後
路地裏を歩いていると先輩が座りながら空を見ている。

(先輩??なんでここに??)

隠れながら先輩を見ていると反社のような人と何かを話し、透明な袋に入った乾燥した緑色の草を手渡された。

(あれって…)

律子は迷わず取引の様子を撮影する。

先輩はスマホ画面に写真を反社の人に見せていた。

「うんなかなかの上出来だな」

「海外のソープに売り払えば…」

男二人はスマホ画面の人物を見てニヤリと笑っていた。

「この子に明日に遊園地に行こうって約束しています その時に」

その言葉に律子は怒りに震えていた。

(まさか…ナナミを騙して…)

取引を夢中で撮影していると背後から何者かが後ろに現れ、自分を拘束し睡眠ガスで眠らせた。




ごいーん ごいーんという機械の音により目を覚ますと拘束バンドで手足を縛られ口はガムテープで塞がれた。

場所は工場…

二人組のスーツの男が自分をニタニタと笑っている。

「なかなか可愛い子だね」
男の一人が自身に触れる。

「味見はまだ先だぜ相棒 それより取引を見られたからにはそれ相応の罰を与えなきゃな」

律子の顔をぐいっとこちら向かせる。

体は抵抗できず泣いている。

「なんで泣いているの 大根ちゃん」

ジョーカーの声が響く。

男たちは銃を構えながら辺りを見渡すが誰もいない…

すると男の一人がグキンという音を響かせながら倒れる。

「おい大丈…」グキン

また一人倒れた。

「ふぅ…これでしばらくは動かないかな」

突然現れたジョーカーに困惑する律子。
ジョーカーは指をパチンとならし律子の拘束を解いた。

「あんた…どうやって…」

「話はあとだよ ここから脱出しよう」

ジョーカーは律子をお姫様抱っこをしながら走った。

そして出口を見つける。

(出口だよかった)と律子が安心しだ矢先 銃を持った男がジョーカーの前に立ちはだかる。

「袋のネズミとはこの事だな…」

周りには沢山の男達が…

「完全にはめられた…」
絶望の状況下…しかしジョーカーは笑っている

「あははは面白いね…ボクもはめられたよ…でもこの状況を逆転できないなんて思ってないよ
みんな来て」

工場の窓を破る 複数の人達

鬼のような人と獣人と和服の女の子と中性的な
美青年と小さなネズミとピエロの女の子と青い髪のタンクトップの青年。

「彼らとも遊んでくれるよね」

ジョーカーはニヤリと笑った。

「なんだあいつら!!…数ならこっちが上だ行くぞお前ら!」

複数の男達が一斉にかかってきた。

まずは弱そうなピエロの女の子にかかるが隠し刀で切り刻まれる。

鬼のような人はタンクトップの青年と10人なぎ倒し

和服の女の子はふーと息を吐くと男達は眠りにつき

ネズミは10人いや20人ぐらいを食い殺した。

「よわいな…ボクが出る幕ないじゃん…」

銃を持った男はジョーカーに銃を向けて発泡するがカウンターのように跳ね返る。

「ぐはっ」

ジョーカーは一瞬だけ真顔になり外に出た。

目の前には車があり律子を乗せ 走った。

車内

「なんで助けたの…私あんたの…」

ジョーカーは笑いながら答える

「君が面白いからに決まっているじゃん それに君の願いを聞きそびれたからさ、この状況で何だけど君の今の願いについて教えて」

律子は困惑していたが…静かな声で自身の願いを言う。


数週間後

先輩と反社は麻薬取締り法違反と人身売買のため逮捕された。

先輩は未成年であるため少年院に入っておりもうこの中学には戻ることはないらしい。

ナナミは先輩のことなど忘れ、新しい恋に夢中になっている 最近はアイドルのメイヒョンにガチ恋している。  

ジョーカーと出会った事で状況が良くなった…

それから一年後

「大根ちゃーん 君は包囲されている直ちにこちらにきなさい」

下校ついでにドロップキックをかました。

「いい加減にしてよ 私の願い叶えたからいいでしょう」

「あれはあの時の願いでしょだからボクは君の本来の願いを叶えたいんだ だから言うまで追いかけるよ」

「もういやぁぁぁ」

律子は今日もジョーカーに追いかけられている。


















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