55 / 235
対立→■■■→再演
―― 【心励起/仇多羅急行】 ――②■■
しおりを挟む
「ねえええええ、そこの素敵な列車さあああああん、ワタシも乗るわあああああいやああああああああ!!!!!」
「ガッ!?」
緊迫してるのかしてないんだがわからないけど、変に張り詰めた空気を突き破る騒々しい衝撃!
このキーキー甲高い叫び声の主は、はたしてわたし達の救世主となりえるのかしら!?
この列車への乗客はまともに乗車しないし、とにかくド派手かつ唐突に飛び込んでこなくちゃいけない決まりでもあるのだろうか。あ、わたしも完全に無賃乗車だけど、そのことは置いといてもろて。
列車の天井を突き破って超高速で飛来した何かが、リョウガの頭部に直撃。そのままリョウガの頭部を身体ごと床にめり込ませる。
砕けた破片と埃が激しく舞い上がり、反射、わたしと【心励起/仇多羅急行】はしゃがみ、両手で頭を覆う。ばらばらと破片がわたしの腕に当たる。でも、そんな痛みよりも、驚きと困惑の方がよっぽど強い。
「な、何なのよ!?」
ユノの悲鳴、混乱した叫び声が聞こえた。
すぐに破片の襲撃は凪ぎ。
おそるおそる顔を上げる。目の前の床は辛うじて底が抜けることはなかったが、まるで隕石が衝突したかのように大きくひしゃげて、その凄まじい衝撃で周りの座席も壊れるか盛大に吹き飛んでいた。
そんな破壊と混乱がもたらした意味不明な爆心地に佇んでいたのは……
「ごめんなさいね、こんなに騒がしく乗り込んでしまって。でもね、いくら呼びかけたってこの列車ったら全然停車してくれないんですもの」
「ま、こちらこそごめんなさいね、停車駅はもう30年先なのよ」
「ラ、ラフィーナ!?」
「あら、お久しぶりね、どこかのだれかさん?」
まるで舞踏会のステージに立っているプリマドンナの如く、とっても優雅に。今一番ごちゃごちゃしてる状況なんですけどね。
そこには、そのレースがふんだんにあしらわれた豪奢な水色のスカートを少しだけ摘み上げてふんわりとお辞儀なんかしている少女の姿。ねえ、その足下にリョウガがめり込んでるんですけど?
「……おい、ガキ……」
ラフィーナの足下から唸りにも似た声が不気味に響く。あれだけの衝突を頭部に思いっきりくらってなおリョウガは生きている。すると、ラフィーナは両手を口に当て、
「まあ! とっても欲張りなワタシの足ったらお空を走るだけじゃ満足できずにお喋りまでしはじめたのね! でも、これ以上あなたのわがままになんて付き合ってられないわ!」
「ね、ねえ、ラフィーナ、そこから離れた方が……」
「でも、それにしたって、もっとかわいい声でお喋りしてくれなきゃお話相手にはならないわね」
と、ちょっぴり残念そうに自分の足を見下ろした。相変わらずわたしの話なんて聞いちゃいないし、うきうき楽しそうなのも変わらないし、ついでに言えば周りも、いや、自身の状況さえ気にしちゃいないのもいつも通り。
「この足を、どけろ……!」
壊れた床、もとい瓦礫の山の中からがらりと腕が伸び、ラフィーナの足首を掴む。
「あら? アナタったらそんなところで何をしているのかしら?」
ラフィーナからしたらホントに突然床から腕が生えてきたように見えたのだろうか。キョトンとしながらその腕を眺める。「それにしたってレディの足を掴むなんて失礼ね」と、今は少し観点がずれた怒り、それでも、ラフィーナが慌てる様子はない。
「ああああああああああ、クソガキ、どけ!!」
「ねえ、ラフィーナ! そこから離れて!」
リョウガの獣じみた叫び声、その憤怒に呼応する、そのラフィーナの足首を掴んでいた右手が突然赤みを帯びた激しい光を放つ。これはちょっとまずいんじゃない!?
「まあ、ぴかぴか光っているっていうのに、こんなにも綺麗じゃないものなんて初めて見たわ」
「ガッ!?」
緊迫してるのかしてないんだがわからないけど、変に張り詰めた空気を突き破る騒々しい衝撃!
このキーキー甲高い叫び声の主は、はたしてわたし達の救世主となりえるのかしら!?
この列車への乗客はまともに乗車しないし、とにかくド派手かつ唐突に飛び込んでこなくちゃいけない決まりでもあるのだろうか。あ、わたしも完全に無賃乗車だけど、そのことは置いといてもろて。
列車の天井を突き破って超高速で飛来した何かが、リョウガの頭部に直撃。そのままリョウガの頭部を身体ごと床にめり込ませる。
砕けた破片と埃が激しく舞い上がり、反射、わたしと【心励起/仇多羅急行】はしゃがみ、両手で頭を覆う。ばらばらと破片がわたしの腕に当たる。でも、そんな痛みよりも、驚きと困惑の方がよっぽど強い。
「な、何なのよ!?」
ユノの悲鳴、混乱した叫び声が聞こえた。
すぐに破片の襲撃は凪ぎ。
おそるおそる顔を上げる。目の前の床は辛うじて底が抜けることはなかったが、まるで隕石が衝突したかのように大きくひしゃげて、その凄まじい衝撃で周りの座席も壊れるか盛大に吹き飛んでいた。
そんな破壊と混乱がもたらした意味不明な爆心地に佇んでいたのは……
「ごめんなさいね、こんなに騒がしく乗り込んでしまって。でもね、いくら呼びかけたってこの列車ったら全然停車してくれないんですもの」
「ま、こちらこそごめんなさいね、停車駅はもう30年先なのよ」
「ラ、ラフィーナ!?」
「あら、お久しぶりね、どこかのだれかさん?」
まるで舞踏会のステージに立っているプリマドンナの如く、とっても優雅に。今一番ごちゃごちゃしてる状況なんですけどね。
そこには、そのレースがふんだんにあしらわれた豪奢な水色のスカートを少しだけ摘み上げてふんわりとお辞儀なんかしている少女の姿。ねえ、その足下にリョウガがめり込んでるんですけど?
「……おい、ガキ……」
ラフィーナの足下から唸りにも似た声が不気味に響く。あれだけの衝突を頭部に思いっきりくらってなおリョウガは生きている。すると、ラフィーナは両手を口に当て、
「まあ! とっても欲張りなワタシの足ったらお空を走るだけじゃ満足できずにお喋りまでしはじめたのね! でも、これ以上あなたのわがままになんて付き合ってられないわ!」
「ね、ねえ、ラフィーナ、そこから離れた方が……」
「でも、それにしたって、もっとかわいい声でお喋りしてくれなきゃお話相手にはならないわね」
と、ちょっぴり残念そうに自分の足を見下ろした。相変わらずわたしの話なんて聞いちゃいないし、うきうき楽しそうなのも変わらないし、ついでに言えば周りも、いや、自身の状況さえ気にしちゃいないのもいつも通り。
「この足を、どけろ……!」
壊れた床、もとい瓦礫の山の中からがらりと腕が伸び、ラフィーナの足首を掴む。
「あら? アナタったらそんなところで何をしているのかしら?」
ラフィーナからしたらホントに突然床から腕が生えてきたように見えたのだろうか。キョトンとしながらその腕を眺める。「それにしたってレディの足を掴むなんて失礼ね」と、今は少し観点がずれた怒り、それでも、ラフィーナが慌てる様子はない。
「ああああああああああ、クソガキ、どけ!!」
「ねえ、ラフィーナ! そこから離れて!」
リョウガの獣じみた叫び声、その憤怒に呼応する、そのラフィーナの足首を掴んでいた右手が突然赤みを帯びた激しい光を放つ。これはちょっとまずいんじゃない!?
「まあ、ぴかぴか光っているっていうのに、こんなにも綺麗じゃないものなんて初めて見たわ」
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる