この世界はわたしが創ったんだから、わたしが主人公ってことでいいんだよね!? ~異世界神話創世少女 vs 錯誤世界秩序機能~

儀仗空論・紙一重

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■■■■■対峙■■■■■

世界神話創世少女 vs 錯誤世界無秩序機能ーー①

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 その幼女は楽しそうに踊りながら。周りのことなんて気にしちゃいない。

 足取りはとても軽やかで、しかし、その一歩が与える影響はとてつもなく重い。

 地は轟き、山が削れ、海を揺らし、天は割れる。

 ただ無邪気にくるくると回っているだけでこの星の環境を簡単に変えてしまう。

「これが……」

 あまりにも劇的な環境変化に言葉を失ってしまう。そう、この超々々々々巨大な幼女こそが、



 ――【天変界位】――世界を変えるもの――



 見た限りこの世界のどの山よりも遥かに大きくて、どんなに見上げたってその全容が全く見えない。

 大地に這いつくばっているわたしから確認できるのは、普通の幼女のサイズ感ならとても華奢だろうと思われる腰までだ。その先は雲と大気に隠れてしまっている。それゆえ、もはやわたし達は彼女にとって、存在していないのと同じ。羽虫よりもさらに些細。

 エルルカ、おじいちゃん、いたよ! 天変地異をもたらす巨人は確かに存在したんだよ! 見えているかしら、いいえ、こんなにも大きいんだもの、見えているはずよ! 思ってたより1000倍くらい大きくて、とっても可憐な幼女だったけど!

 “始源拾弐機関”はどれも想像の規格外だとは思っていたけど、さすがにここまでは全く予想できない。世界を変える、って、こんなにも物理的になの? この子、今までどこに隠れていたの?

 そして、今は転生者との全面対決まっただ中で全然そんな状況じゃないけど。いや、そうでなくても。

 こんなんじゃ話をすることも出来やしない! きっとわたしの声なんて聞こえやしない!

 ラフィーナ! そうよ、勇者気取りでウキウキ楽しげに【心励起/仇多羅急行】から飛び出していったラフィーナは大丈夫かしら! まずはラフィーナを探すことからかしら!? わたし、足も遅いし体力もないけど、絶対一緒に行こうねってあんだけ約束してたのに!

 かたや、そうして定まらない思考回廊を彷徨うわたしはというと、猛烈な地震と地割れの恐怖になす術もなく。ただその辺の木にしがみついていただけだった。

 【心励起/仇多羅急行】は【天変界位】を助けてあげてって言ってたけど、いやいやいやいや、助太刀のへったくれもない、そんな必要すらない。

 だって、いくら転生者達が神様に選ばれし特別な者だったとしても、今この世界の環境には適応できていないんだもの。

 【天変界位】がその可愛らしい白いワンピースをくるりんっと翻すだけで、大気は掻き混ぜられて嵐が起こり、いくつもの竜巻と雷が発生する。

 にこにこ笑顔、とっても楽しそうにくるくる踊るたびに常に激しく揺れ続けている地面と、削り取られた山から弾け飛ぶ岩石、そして、地殻変動によって発生した火山の噴火で降り注ぐマグマの暴発。

 そして、キャッキャとはしゃぎながら海から両手で掬い、バシャっとかけるその水しぶきは、大量の海水を壊滅的な大地に浴びせかけている。あ、しゃがんだ時に顔見えた! 幅広の麦わら帽子をかぶっているただのかわいらしい金髪碧眼の幼女だ! 

 いとも容易く行われるえげつない天変地異。

 無邪気な環境激変。

 こんなのに耐えられるわけがない。生きているのが奇跡でしかない。

 剥き出しの自然環境そのものと戦うなんて馬鹿げてる。

 たとえ転生者が、神様から異常なまでの、もはや過剰ともいえるほどの能力を与えられていても、だ。いくら最強無敵で不死身の転生者だからって、立つことも飛ぶこともままならないのだから。


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