72 / 235
荳也阜縺ョ邨ゅo繧翫↓蜷帙r隕九◆
■■■■【軌条■■・■■■】■■■■⑤
しおりを挟む
クソ、また鍔迫り合いか。手加減なし、落下中の無防備な体勢の小烏丸に、大出力で叩きつけたはずの魔剣。しかし、黒い箒に防がれる。それも、あっさりと、片手で。
箒を持っていない左手でフリフリの黒いミニスカートをしっかり押さえ、魔剣を受け止めながら優雅に降り立つ。着地に音もしなければ、外傷も落下の衝撃を受けた様子もない。本当にただ、飛び降りただけ。地面だけが衝撃に大きくめり込んでいるだけ。「わお、セクスィー」「うるさい!」
ああ、この少女の描写は違和感だらけだ。これこそが神の成せる業か?
このままでは押し負ける。ぎりぎりと震えているのはわたしだけ。
ほとんど弾き飛ばされるように後方へ跳躍。「おや、もうおしまいですか?」
これ、ナチュラルに煽っているのか? そうだとしたら、マジ性格悪すぎなんだが。わたしはぎりっとイラつきながら魔剣をワンピースに戻す。
「――星槍、ロンギヌス」
【論議主】から授かった新たな力、わたしは左耳から星槍の形をしたピアスを引き抜く。痛だッ。
それはわたしの手の中で光り輝き、そして、わたしの背よりもずっと長大な、まるで鋳型から取り出したそのままのようにシンプルな槍が現れる。本質は耳の孔の方でこっちじゃない、って言ってたな。【論議主】自身とは少し形状が違うのは、使い手の技量不足のせい?
「……すぅ~、痛くない痛くない」
小さくそう呟いてから。そのまま突貫、棒の先端をただ鋭く研いだだけのようなその無骨な穂先を真っ直ぐに突き出す。その穂先は万物を貫通する。世界の破壊を司る【論議主】のあまりにも物騒な機能。
「その槍は【論議主】の破壊の本質ですね、あ、そういえばさっき時間を操作していましたね、あれは【心励起/仇多羅急行】の仕業ですか」
小烏丸は渾身の刺突をふらりと避けながら、品定めでもするかのように無骨な星槍を眺めている。
構わず星槍を振り回すが、のらりくらりと躱され続ける。槍術は確かに難しい、ただ闇雲に振るっていても形状を最適化してくれる魔剣とは違って、星槍はただの孔穿つだけの槍にすぎない。そんなのはわかってる、わたしは戦闘においてまるっきりのド素人だってことも。
だけれども、いくらなんでも全く当たらないのは意味がわからない。あっちだって見た目はただの少女で、明らかに戦い慣れてなんかいないはずだ。それなのに、
「【不浄遺棄地域】、【心励起/仇多羅急行】、【論議主】、あなたがそれらから授かった力は、明らかに世界を無に帰すことのできる力です」
神、と呼ばれる高次位存在の描写を、この世界に留まることしかままならないわたし達にはできないのか。そんなくだらない思考に陥ってしまうほど、彼女の動きは異次元すぎた。
距離を開けるでもなく、軽やかにステップするでもなく、その黒い箒で防御しているわけでもないのに、それでも、なぜかわたしの攻撃が当たらない。まるでわたしの方が彼女に星槍を当てないようにしているみたいに。……なんて苛立たしいのだろう。
「ま、ポッと出のアナタの方はこの世界には必要ない機能ですよ、きっと」
はちゃめちゃに失礼極まりない全否定。おい、その機能を探してる最中なんだよ、邪魔すんな!
「はあ、〝因果全知の魔神(ラプラス・プラス・プラズマティクス)‟なんて、時代遅れなんだし使わなくてもいいみたいですけどね~」
依然として攻撃は全く当たらない。つまらなさそうにあくびをするだけで、全く解説してくれないけど、つまり神様は伊達じゃないってことね。……ふざけやがって。
ぬるり、魔剣の再出力。右手に星槍、ロンギヌス、左手に魔剣、アヴァルギリオン。身体の負担が大きくて時間加速はもう使えない。だから、これが今の総力戦、小さなわたしには不釣り合いで大仰な武装。
「神の権能お披露目大会してもいいんですけどさ~、異世界には1京2858兆519億6763万3865個の異能力を持つ化け物じみたラスボスもいることですし、n番煎じはやめておきましょう」
「意味がわからん!!」
戯言語りに構ってあげる義理も、余裕も、心の平穏もない、あるはずがない。
明らかにわたしには扱いきれていない2つの武器を振り回し続ける。そう、どちらかでもただ当たりさえすればいいなのだ。
幸いにも魔剣は不定形で重さもほとんどない、ある程度わたしの意思で形状も変えられる。槍はまだ上手く取り回せていないけど、必殺の武器なんだ、強いんだ!
箒を持っていない左手でフリフリの黒いミニスカートをしっかり押さえ、魔剣を受け止めながら優雅に降り立つ。着地に音もしなければ、外傷も落下の衝撃を受けた様子もない。本当にただ、飛び降りただけ。地面だけが衝撃に大きくめり込んでいるだけ。「わお、セクスィー」「うるさい!」
ああ、この少女の描写は違和感だらけだ。これこそが神の成せる業か?
このままでは押し負ける。ぎりぎりと震えているのはわたしだけ。
ほとんど弾き飛ばされるように後方へ跳躍。「おや、もうおしまいですか?」
これ、ナチュラルに煽っているのか? そうだとしたら、マジ性格悪すぎなんだが。わたしはぎりっとイラつきながら魔剣をワンピースに戻す。
「――星槍、ロンギヌス」
【論議主】から授かった新たな力、わたしは左耳から星槍の形をしたピアスを引き抜く。痛だッ。
それはわたしの手の中で光り輝き、そして、わたしの背よりもずっと長大な、まるで鋳型から取り出したそのままのようにシンプルな槍が現れる。本質は耳の孔の方でこっちじゃない、って言ってたな。【論議主】自身とは少し形状が違うのは、使い手の技量不足のせい?
「……すぅ~、痛くない痛くない」
小さくそう呟いてから。そのまま突貫、棒の先端をただ鋭く研いだだけのようなその無骨な穂先を真っ直ぐに突き出す。その穂先は万物を貫通する。世界の破壊を司る【論議主】のあまりにも物騒な機能。
「その槍は【論議主】の破壊の本質ですね、あ、そういえばさっき時間を操作していましたね、あれは【心励起/仇多羅急行】の仕業ですか」
小烏丸は渾身の刺突をふらりと避けながら、品定めでもするかのように無骨な星槍を眺めている。
構わず星槍を振り回すが、のらりくらりと躱され続ける。槍術は確かに難しい、ただ闇雲に振るっていても形状を最適化してくれる魔剣とは違って、星槍はただの孔穿つだけの槍にすぎない。そんなのはわかってる、わたしは戦闘においてまるっきりのド素人だってことも。
だけれども、いくらなんでも全く当たらないのは意味がわからない。あっちだって見た目はただの少女で、明らかに戦い慣れてなんかいないはずだ。それなのに、
「【不浄遺棄地域】、【心励起/仇多羅急行】、【論議主】、あなたがそれらから授かった力は、明らかに世界を無に帰すことのできる力です」
神、と呼ばれる高次位存在の描写を、この世界に留まることしかままならないわたし達にはできないのか。そんなくだらない思考に陥ってしまうほど、彼女の動きは異次元すぎた。
距離を開けるでもなく、軽やかにステップするでもなく、その黒い箒で防御しているわけでもないのに、それでも、なぜかわたしの攻撃が当たらない。まるでわたしの方が彼女に星槍を当てないようにしているみたいに。……なんて苛立たしいのだろう。
「ま、ポッと出のアナタの方はこの世界には必要ない機能ですよ、きっと」
はちゃめちゃに失礼極まりない全否定。おい、その機能を探してる最中なんだよ、邪魔すんな!
「はあ、〝因果全知の魔神(ラプラス・プラス・プラズマティクス)‟なんて、時代遅れなんだし使わなくてもいいみたいですけどね~」
依然として攻撃は全く当たらない。つまらなさそうにあくびをするだけで、全く解説してくれないけど、つまり神様は伊達じゃないってことね。……ふざけやがって。
ぬるり、魔剣の再出力。右手に星槍、ロンギヌス、左手に魔剣、アヴァルギリオン。身体の負担が大きくて時間加速はもう使えない。だから、これが今の総力戦、小さなわたしには不釣り合いで大仰な武装。
「神の権能お披露目大会してもいいんですけどさ~、異世界には1京2858兆519億6763万3865個の異能力を持つ化け物じみたラスボスもいることですし、n番煎じはやめておきましょう」
「意味がわからん!!」
戯言語りに構ってあげる義理も、余裕も、心の平穏もない、あるはずがない。
明らかにわたしには扱いきれていない2つの武器を振り回し続ける。そう、どちらかでもただ当たりさえすればいいなのだ。
幸いにも魔剣は不定形で重さもほとんどない、ある程度わたしの意思で形状も変えられる。槍はまだ上手く取り回せていないけど、必殺の武器なんだ、強いんだ!
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる