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4章:荳也阜縺ッ繝ッ繧ソ繧ッ繧キ縺ァ蜃コ譚・縺ヲ縺?k?
――わたしだけレベルアップしないのに、新異世界最強ギルドマスターのハーレムの一員に!?――⑤
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国王の帰還にしてはあまりにも素っ気なさすぎる。
お出迎えはマナカが帰ってくるまでずっと待っていたのだろうか、クエストに同伴していたのとは別の美少女達が数人、我先にとマナカの手を取るだけだった。それでも、マナカは少し困ったような笑みを浮かべて美少女達に引っ張られていくだけで、そんなこと気にしていないようだった。
この様子だと、マナカ国王がふらりと外出する、なんていつものことなのだろう。国にいない国王なんて、そんなんじゃあ、国民の信頼なんて得られるはずがない。
取り巻きの美少女と一緒にマナカの後ろを行くわたしを、どこかから恨みがましく睨み付ける視線を感じる。非難がましく、未練がましい、それでいて、羨望と絶望が入り混じったようなその視線が首の後ろをぴりぴりと焦がして、わたしは少しずつ憔悴してしまう。
このだれともわからない陰鬱な視線に晒され続けるのは辛すぎる。いつかわたしの心が辛苦に焼き切れてしまう。
隣のジーナも冷静を装ってはいるけれどわたしと同じ気持ちなんだろう、キョロキョロと周りを見渡しては落ち着かない様子だった。
そう、それが普通だ。こんな視線の重圧に普通は耐え切れない。
だけど、マナカ達はそうじゃない。
楽しげに他愛もない歓談をして、露店の果物をひょいっと手に取り、取り巻きにはアクセサリーなんかを買ってあげる。その無邪気な振る舞いに美少女達がてんやわんやする様子は、国王、というよりはやっぱりただの少年の方に近い。傍から見れば何気ないやりとりで、そこには何一つの策略も偽装も打算もない。いや、実際何もないのだろう。純粋にこの大通りを楽しんでいるにすぎない。
だからこそ、気さくに話しかけている露天商のぎこちない態度にすら無関心だ。何も気に留めてすらいない。
そんなの、どう考えたって、異常だ。
周囲から無尽蔵に放たれる敵意ある視線に気づかないはずがない。
その罪悪感に苛まれることなく平静を保っていられるはずがない。
そう、マナカ達は気づいていてなお。
自分達はこの世界に殺されたりはしない、この国は自分達の所有物であり反旗を翻されるはずがない、ただの国民なんかに最強の異世界転生者が殺されるはずがない。そんな傲慢さが彼らを、この視線の焦熱から遮断しているんだ。
この国に住む人は、自分達の国で、どうしてこんな視線をわたし達に向けなければならないのだろうか。
そして、わたしは気づいたんだ。
ああ、どうしてこの違和感をもっと疑問に思わなかったんだろうか。
わたしの疑念は確信に変わる。初めて訪れたときはそんな余裕もなかったし、大戦後の国や街なんてそんなにたくさん見てきたわけじゃないから気づかなかった。
そう、ジーナとクエストに向かったときにも思っていたけれど。
この国は何かがおかしい。
集会所のあの男達だけじゃない。この国全体が活気なく淀んでいる。
なぜ、まばらに道端を行く人々はどれも無表情にうなだれていてどこか息苦しそうなのか。
なぜ、何の音も匂いもしないんだ。この国のひと達は一体何に怯えて、足音も立てず料理すらせず息を潜めているんだ。
この国の人々は、この世界の在り方そのものに対して怯えている。
我が物顔で大通りを闊歩する転生者達だけがこの国を謳歌している。
だから、どうしようもなく、この国は、紛れもなく転生者の国だ。この国は、この世界に在りながら、決してこの世界に非ず。
お出迎えはマナカが帰ってくるまでずっと待っていたのだろうか、クエストに同伴していたのとは別の美少女達が数人、我先にとマナカの手を取るだけだった。それでも、マナカは少し困ったような笑みを浮かべて美少女達に引っ張られていくだけで、そんなこと気にしていないようだった。
この様子だと、マナカ国王がふらりと外出する、なんていつものことなのだろう。国にいない国王なんて、そんなんじゃあ、国民の信頼なんて得られるはずがない。
取り巻きの美少女と一緒にマナカの後ろを行くわたしを、どこかから恨みがましく睨み付ける視線を感じる。非難がましく、未練がましい、それでいて、羨望と絶望が入り混じったようなその視線が首の後ろをぴりぴりと焦がして、わたしは少しずつ憔悴してしまう。
このだれともわからない陰鬱な視線に晒され続けるのは辛すぎる。いつかわたしの心が辛苦に焼き切れてしまう。
隣のジーナも冷静を装ってはいるけれどわたしと同じ気持ちなんだろう、キョロキョロと周りを見渡しては落ち着かない様子だった。
そう、それが普通だ。こんな視線の重圧に普通は耐え切れない。
だけど、マナカ達はそうじゃない。
楽しげに他愛もない歓談をして、露店の果物をひょいっと手に取り、取り巻きにはアクセサリーなんかを買ってあげる。その無邪気な振る舞いに美少女達がてんやわんやする様子は、国王、というよりはやっぱりただの少年の方に近い。傍から見れば何気ないやりとりで、そこには何一つの策略も偽装も打算もない。いや、実際何もないのだろう。純粋にこの大通りを楽しんでいるにすぎない。
だからこそ、気さくに話しかけている露天商のぎこちない態度にすら無関心だ。何も気に留めてすらいない。
そんなの、どう考えたって、異常だ。
周囲から無尽蔵に放たれる敵意ある視線に気づかないはずがない。
その罪悪感に苛まれることなく平静を保っていられるはずがない。
そう、マナカ達は気づいていてなお。
自分達はこの世界に殺されたりはしない、この国は自分達の所有物であり反旗を翻されるはずがない、ただの国民なんかに最強の異世界転生者が殺されるはずがない。そんな傲慢さが彼らを、この視線の焦熱から遮断しているんだ。
この国に住む人は、自分達の国で、どうしてこんな視線をわたし達に向けなければならないのだろうか。
そして、わたしは気づいたんだ。
ああ、どうしてこの違和感をもっと疑問に思わなかったんだろうか。
わたしの疑念は確信に変わる。初めて訪れたときはそんな余裕もなかったし、大戦後の国や街なんてそんなにたくさん見てきたわけじゃないから気づかなかった。
そう、ジーナとクエストに向かったときにも思っていたけれど。
この国は何かがおかしい。
集会所のあの男達だけじゃない。この国全体が活気なく淀んでいる。
なぜ、まばらに道端を行く人々はどれも無表情にうなだれていてどこか息苦しそうなのか。
なぜ、何の音も匂いもしないんだ。この国のひと達は一体何に怯えて、足音も立てず料理すらせず息を潜めているんだ。
この国の人々は、この世界の在り方そのものに対して怯えている。
我が物顔で大通りを闊歩する転生者達だけがこの国を謳歌している。
だから、どうしようもなく、この国は、紛れもなく転生者の国だ。この国は、この世界に在りながら、決してこの世界に非ず。
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