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4章:荳也阜縺ッ繝ッ繧ソ繧ッ繧キ縺ァ蜃コ譚・縺ヲ縺?k?
わたしにはこの新異世界ハーレムが合わなかった件①
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「今夜、マナカ様が貴女をお呼びです」
「ふぁッ!?」
予想外の急展開。
すらりと長身の少し陰のあるメイドさんは無機質にそう告げた。何を考えているのかわからない大きな黒い瞳が、彼女の持つランプに赤々と照らされている。長い黒髪がさらりと揺れると、彼女がメイドさんだということも相まって、つい、あの忌まわしい真っ黒な女神様を思い出してしまうのには自分でもうんざりした。この人は何も悪くないのに。
それにしたって、何の糸口もなく、ほんの少しの進展もなく、誰一人の協力者も得られないまま、いきなり敵地へと赴くことになるとは。
まだこのお城に来てから少ししか経っていないし、お近づきにもなっていないうえに、会話らしい会話もほとんどしていないのにいきなり呼ばれるって、まさか、もうわたしのことを娶ったとでも思っているのかしら。だとしたら、女心はまるでわかっていないみたいね。い、いや、わたしもそんなに恋愛に詳しいわけじゃないけどさ。でも、新しいもの好きも大概すぎない?
「そ、それって断ってもいいの? ま、まだ心の準備が……」
だけど、またとない絶好のチャンスだ。でも、準備不足で怖気づいているのも確かで、おずおずとそう訊いてみる。すると、
「はあ!? マナカ様直々のお誘いですよ!? それを断るなんて!」
今まで感情らしい感情を出さなかった彼女が突然ほとんどヒステリックじみた悲鳴を上げる。な、なんだ、何か気に障ることでも言っちゃった!? 「私だって一度も夜伽に誘われたことないのに!」あ、そういうこと!?
「こうなったら殺るしかないって。とりあえず、セクシーなやつでお願いしますね」
「うぅ、やっぱりこういうの苦手だなあ」
「ここまできて色仕掛けなしはなしよ」
「うぅ……」
夜中の静まり返った城内に響き渡るメイドさんの悲鳴をそわそわ聞き流しながら、こそこそ作戦会議。幸い、メイドさんは自分がどれだけご主人様に尽くしてきたかを叫び散らかすのに夢中だし、騒ぎを聞きつけた他の美少女が現れそうな気配もなかった。
「わ、わかったわ、行くわよ。ちなみに、ジーナは」
「マナカ様はアナタお一人をご所望です」
切り替え早っ。さっきまでの情緒はどうした、逆に心配になるぞ。
今宵のマナカは複数プレイをお望みではないのかもしれない。まあ、他に女の子がいない方が殺りやすいだろうし、これはこれで良しとしよう。
「そ、それじゃあ、準備するからちょっと待ってて」
後ろ手にドアを閉めると、切なく吐息。よし、覚悟を決めなきゃ。
ぬるり、自分でも恥ずかしくなるこのスケスケグレーのネグリジェはもちろん魔剣、アヴァルギリオンによる偽装だ。その防御力ゼロの下着とわたしのお肌をコルセットが変形したロングカーディガンがギリギリで覆い隠してくれる。それにしたって、【心励起/仇多羅急行】にもらったこのどエロいパンティが役に立つ日が来ようとは思わなかったし、そんな日は来てほしくなかった。自らこの下着をさらけ出すなんてとんだ恥知らずの痴女だわ。
「一応、念のためにメルトは置いていくね、わたしに何かあったらきっと気づいてくれるから」
「オーケー、それじゃあ頼んだよ、ハニー」
「わふ」
「……自信ないなあ」
急な決戦前夜となってしまって、少し緊張気味のジーナの軽口もあまりキレがない。彼女の肩に乗る白い小鳥になったメルトの感情を読み取ることはわたしにはできなさそう。
そう、わたしは今からたった独りでこの国を壊さなきゃいけない。
ふふ、こんな言い方じゃあ、まるでまるっきりの悪役じゃない。
わたしったらこの物語の主人公なのにこんなとんでもない格好してるし。
そう思ったら、なんだかこの状況は馬鹿げた冗談みたいな気がして、思わず退廃的に笑んでしまう。
「――お待たせしました、それじゃあ行きましょう」
ドアを開け放つと、わたしはつんっとしながらそう言った。そう、あくまで気丈に、怯えているとか緊張しているとか感じさせたりしないように。今だけ、そう、今だけは、わたしは気高き娼婦。そう思わなきゃこんなことやってられっか。「……意外とエロいですね」「うっさい!」
「ふぁッ!?」
予想外の急展開。
すらりと長身の少し陰のあるメイドさんは無機質にそう告げた。何を考えているのかわからない大きな黒い瞳が、彼女の持つランプに赤々と照らされている。長い黒髪がさらりと揺れると、彼女がメイドさんだということも相まって、つい、あの忌まわしい真っ黒な女神様を思い出してしまうのには自分でもうんざりした。この人は何も悪くないのに。
それにしたって、何の糸口もなく、ほんの少しの進展もなく、誰一人の協力者も得られないまま、いきなり敵地へと赴くことになるとは。
まだこのお城に来てから少ししか経っていないし、お近づきにもなっていないうえに、会話らしい会話もほとんどしていないのにいきなり呼ばれるって、まさか、もうわたしのことを娶ったとでも思っているのかしら。だとしたら、女心はまるでわかっていないみたいね。い、いや、わたしもそんなに恋愛に詳しいわけじゃないけどさ。でも、新しいもの好きも大概すぎない?
「そ、それって断ってもいいの? ま、まだ心の準備が……」
だけど、またとない絶好のチャンスだ。でも、準備不足で怖気づいているのも確かで、おずおずとそう訊いてみる。すると、
「はあ!? マナカ様直々のお誘いですよ!? それを断るなんて!」
今まで感情らしい感情を出さなかった彼女が突然ほとんどヒステリックじみた悲鳴を上げる。な、なんだ、何か気に障ることでも言っちゃった!? 「私だって一度も夜伽に誘われたことないのに!」あ、そういうこと!?
「こうなったら殺るしかないって。とりあえず、セクシーなやつでお願いしますね」
「うぅ、やっぱりこういうの苦手だなあ」
「ここまできて色仕掛けなしはなしよ」
「うぅ……」
夜中の静まり返った城内に響き渡るメイドさんの悲鳴をそわそわ聞き流しながら、こそこそ作戦会議。幸い、メイドさんは自分がどれだけご主人様に尽くしてきたかを叫び散らかすのに夢中だし、騒ぎを聞きつけた他の美少女が現れそうな気配もなかった。
「わ、わかったわ、行くわよ。ちなみに、ジーナは」
「マナカ様はアナタお一人をご所望です」
切り替え早っ。さっきまでの情緒はどうした、逆に心配になるぞ。
今宵のマナカは複数プレイをお望みではないのかもしれない。まあ、他に女の子がいない方が殺りやすいだろうし、これはこれで良しとしよう。
「そ、それじゃあ、準備するからちょっと待ってて」
後ろ手にドアを閉めると、切なく吐息。よし、覚悟を決めなきゃ。
ぬるり、自分でも恥ずかしくなるこのスケスケグレーのネグリジェはもちろん魔剣、アヴァルギリオンによる偽装だ。その防御力ゼロの下着とわたしのお肌をコルセットが変形したロングカーディガンがギリギリで覆い隠してくれる。それにしたって、【心励起/仇多羅急行】にもらったこのどエロいパンティが役に立つ日が来ようとは思わなかったし、そんな日は来てほしくなかった。自らこの下着をさらけ出すなんてとんだ恥知らずの痴女だわ。
「一応、念のためにメルトは置いていくね、わたしに何かあったらきっと気づいてくれるから」
「オーケー、それじゃあ頼んだよ、ハニー」
「わふ」
「……自信ないなあ」
急な決戦前夜となってしまって、少し緊張気味のジーナの軽口もあまりキレがない。彼女の肩に乗る白い小鳥になったメルトの感情を読み取ることはわたしにはできなさそう。
そう、わたしは今からたった独りでこの国を壊さなきゃいけない。
ふふ、こんな言い方じゃあ、まるでまるっきりの悪役じゃない。
わたしったらこの物語の主人公なのにこんなとんでもない格好してるし。
そう思ったら、なんだかこの状況は馬鹿げた冗談みたいな気がして、思わず退廃的に笑んでしまう。
「――お待たせしました、それじゃあ行きましょう」
ドアを開け放つと、わたしはつんっとしながらそう言った。そう、あくまで気丈に、怯えているとか緊張しているとか感じさせたりしないように。今だけ、そう、今だけは、わたしは気高き娼婦。そう思わなきゃこんなことやってられっか。「……意外とエロいですね」「うっさい!」
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