この世界はわたしが創ったんだから、わたしが主人公ってことでいいんだよね!? ~異世界神話創世少女 vs 錯誤世界秩序機能~

儀仗空論・紙一重

文字の大きさ
133 / 235
4章:荳也阜縺ッ繝ッ繧ソ繧ッ繧キ縺ァ蜃コ譚・縺ヲ縺?k?

ーー残響、【超弦骨格暫定式・波動帝國】      ーー⑤

しおりを挟む
「もうボクには何も奏でられない。ボクは、【超弦骨格暫定式・波動帝國】という物語はもうとっくにティロ・フィナーレさ。だから、ボクというこの存在はもはや終わった演奏の余韻に過ぎない。あ、そうだ、代わりにキミが歌えばいいんじゃないかい?」

「え!? で、でも、わたしの声は……、」

 キーキー甲高く叫ぶことはできなくて、最後の方なんかは消え入りそうに。

 わたしの声はラフィーナみたいに、喚くような笑うような歌うような楽しむような声なんかじゃない。歌なんて歌ったこともない。返事はすぐにしちゃダメだって、誰かが言ってたような気がするけどわたしには駆け引きなんてできやしないの。

「ほらほら、さっさとこのバカみたいな刃と柄を外すんだよ、そして、ボクをしっかり設置しなさいよ」

「は、はい!」

 それでも、たぶん気づいてないでしょう、自信なく俯くわたしとは裏腹に、【超弦骨格暫定式・波動帝國】の方はなんだか楽しげで、わたしのことなんてお構いなし。わたしはわたわたと彼女の指示に従うしかない。そうすることで、わたしの中のもやもやが晴れやしないかと思ったけど、そんなことは全然なかった。

「じゃ、最後にキミのその綺麗な髪を一本、ボクのためにくれないかい?」

「え、ええ、もちろん」

 重い、きつい、危ないの三重苦をなんとか乗り越えて、汗だくのわたしは言われるがまま、【超弦骨格暫定式・波動帝國】にぴんっと長い白髪を張る。この大仰な漆黒の楽器に対して、ほとんど見えないこの無色透明な白髪一本ではなんだか心許ない気がしたけど、

「ほれ、これがボクの最期の演奏だ、これからはキミの歌声で世界を震わせてくれよ」

 それでも、【超弦骨格暫定式・波動帝國】の声はとても満足そうで、そう、その口調は久しぶりの演奏に胸を躍らせる無邪気な少女そのものだった。彼女はこの演奏をとても楽しみにしていたんだ、だからこんなにもワクワクしていたんだ。

 もう一度、自らの演奏でこの世界を震わせられる、と。

 だから、あたかもはじめからそうするべきだったような気がして、わたしはたった一本の白髪が絃として張られただけの楽器、【超弦骨格暫定式・波動帝國】をそっと爪弾く。それはきっと星の夜、願いを込めて指先で送るキミへのメッセージ。

 それは楽器としてはとてもお粗末だったかもしれない。

 その音色は他愛もなく単調でとても小さな小さな音かもしれない。

 だけど、それは世界を、聴く者全ての心も身体も震わせる音だ。

 そして、わたしの身体を震わせる音だ、身体の隅々まで染み渡る音だ。

 確かに振動は伝わった、どこまでもどこまでも、そう、この世界の果ての隅々までも。

























しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...