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目的、この物語のテーマ
―― 【倫理狂い 】 ――⑥
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「このせかいでぞうかよりきれいなはなはないわ」
うっすらと上気したような紅潮、その蠱惑的な笑みには、はたして本当に悪意はないの? 愛のように消えるこの常軌を逸した偽物の色彩をどうして綺麗だと見間違えることがあるだろうか。こんな汚らしい造花だけを知っているなんて悲しすぎる。
「あたしにいみなんてないよ。みんな、あたしのことなんてどうでもいいとおもってるんだから」
【透明幻想・錯綜少女基底】という物語は、何も綴られていないページから墜ちてきた何も持っていないたしがわたし自身の意味を見つけるための物語だ。それは、神様が改変改悪したって変わらない。
「だから、そのかみにもいみはない、あたしはあんたがだいっきらいなだけ」
だけど、それなら、【倫理狂い】は? この街に囚われている彼女はどうやってその意味を見出せばいい? わたしが彼女を救えるのか? わたしは囚われのお姫様を救う王子様になれるのか? そして、二人はいつまでも幸せに暮らしました、めでたしめでたし? その続きはどうすればいい? ホントにわたし達は幸せになれるの?
気付いたら身体が勝手に動いて彼女を助けていた、とはならないわたしは、王子様はおろか、そう、主人公にもヒーローにだってなれやしない。こんな風に汚されてしまったわたしを一体誰がヒーローだと言ってくれるだろうか。
無力感なのか、それとも、ただ絶頂してしまっただけのか、足腰に力が入らなくてガクガクと痙攣のように震えて思わずへたり込む。
「やっとあたしとおなじところまでおちてきたね」
【倫理狂い】のか細い手がわたしの頬を撫でる。それだけで敏感になっているわたしの内側からじわりと快感が押し寄せて、「んッ」ぴくんっと反応してしまう。
何をしたらいいのかわからない、何かをすべきなのにどうしたらいいのかわからない。ただ快楽に理性ごとぐちゃぐちゃに蕩かされてしまって、何も考えられないままその場で茫然と彼女の白濁した瞳を見つめるだけのわたしに、
「じゃあね、きぼうをつかさどるもの。もうほっといて」
【倫理狂い】は楽しげにそれだけを言うと、どこからともなく湧いて出てきた全裸の男女の群れにさらわれて見えなくなってしまった。
彼らは散々貪ったであろう甘い甘い実になおも噛り付き、いつしか味覚はおろか全ての感覚が曖昧になる。口癖なら「内々に」、当たり前だ、こんな愉しいこと言いふらすべきじゃない。再三吸う甘い甘い蜜は麻薬。舌先始まる退化は何時? いつまでも、だ。恐れ知らず大胆不敵? 違う、彼らにはもはや恐れるべき理性などないのだから。
欲望に入り乱れる獣じみた嬌声。一度味わった堕落の誘惑に耳を塞ぐ。快楽に咽び啼く喘ぎ声が響き渡る。
わたしは理性を失った殺到から逃げるようにその場から立ち去った。
うっすらと上気したような紅潮、その蠱惑的な笑みには、はたして本当に悪意はないの? 愛のように消えるこの常軌を逸した偽物の色彩をどうして綺麗だと見間違えることがあるだろうか。こんな汚らしい造花だけを知っているなんて悲しすぎる。
「あたしにいみなんてないよ。みんな、あたしのことなんてどうでもいいとおもってるんだから」
【透明幻想・錯綜少女基底】という物語は、何も綴られていないページから墜ちてきた何も持っていないたしがわたし自身の意味を見つけるための物語だ。それは、神様が改変改悪したって変わらない。
「だから、そのかみにもいみはない、あたしはあんたがだいっきらいなだけ」
だけど、それなら、【倫理狂い】は? この街に囚われている彼女はどうやってその意味を見出せばいい? わたしが彼女を救えるのか? わたしは囚われのお姫様を救う王子様になれるのか? そして、二人はいつまでも幸せに暮らしました、めでたしめでたし? その続きはどうすればいい? ホントにわたし達は幸せになれるの?
気付いたら身体が勝手に動いて彼女を助けていた、とはならないわたしは、王子様はおろか、そう、主人公にもヒーローにだってなれやしない。こんな風に汚されてしまったわたしを一体誰がヒーローだと言ってくれるだろうか。
無力感なのか、それとも、ただ絶頂してしまっただけのか、足腰に力が入らなくてガクガクと痙攣のように震えて思わずへたり込む。
「やっとあたしとおなじところまでおちてきたね」
【倫理狂い】のか細い手がわたしの頬を撫でる。それだけで敏感になっているわたしの内側からじわりと快感が押し寄せて、「んッ」ぴくんっと反応してしまう。
何をしたらいいのかわからない、何かをすべきなのにどうしたらいいのかわからない。ただ快楽に理性ごとぐちゃぐちゃに蕩かされてしまって、何も考えられないままその場で茫然と彼女の白濁した瞳を見つめるだけのわたしに、
「じゃあね、きぼうをつかさどるもの。もうほっといて」
【倫理狂い】は楽しげにそれだけを言うと、どこからともなく湧いて出てきた全裸の男女の群れにさらわれて見えなくなってしまった。
彼らは散々貪ったであろう甘い甘い実になおも噛り付き、いつしか味覚はおろか全ての感覚が曖昧になる。口癖なら「内々に」、当たり前だ、こんな愉しいこと言いふらすべきじゃない。再三吸う甘い甘い蜜は麻薬。舌先始まる退化は何時? いつまでも、だ。恐れ知らず大胆不敵? 違う、彼らにはもはや恐れるべき理性などないのだから。
欲望に入り乱れる獣じみた嬌声。一度味わった堕落の誘惑に耳を塞ぐ。快楽に咽び啼く喘ぎ声が響き渡る。
わたしは理性を失った殺到から逃げるようにその場から立ち去った。
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