この世界はわたしが創ったんだから、わたしが主人公ってことでいいんだよね!? ~異世界神話創世少女 vs 錯誤世界秩序機能~

儀仗空論・紙一重

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最終章:第二次新異世界大戦

ーー新異世界に転生したのに、最弱の魔物だった件!?②

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 そして、そんな単純明快でハッピーなスライム的流動性脳みそしか持ち合わせていないようなヤツが。

「ボクは善のためなら悪にもなろう。それがボクなりの覚悟だ」

 そう、こんなヤツが、善だ悪だと、なんともちっぽけで壮大なことを宣っている。これ、ホントにシリアスな展開? ただのジョークじゃない、全然全くさっぱりこれっぽっちも笑えないけどさ。

 彼に善悪は計り知れない。誰にだって計り知ることなんてできないんだから当たり前だ。何が悪で、何が善か、それをずっと問い続けることだけが、唯一わたし達にできることだ。

「そういうのはね、【倫理狂い】――世界を失うものに会ってみてから言いなさい。きっとアナタの倫理観なんて簡単にぶち壊されるわよ?」

 ふわり、わたしの悪趣味な黒髪が揺れて、その内側の金髪が垣間見える。いつだって、この髪色はわたしを陰鬱な気分にさせてきた。たまには鬱憤くらい晴らしてもいいよね。

 実際わたしのちっぽけな倫理は完全に狂わされた。それを、傷、と捉えるか、成長、と割り切るかはまだ難しいところだけど。

 悪とはなんだ、善とはなんだ。

 ただ、わたしにもひとつわかることがあって。

 たくさんの人が住んでいてそれぞれの素敵な物語を綴っていたはずのこの国をこんな風に惨たらしく殺すようなヤツの倫理は、決してわたしとのそれとは相容れない。

 ぞわり、足元まである髪がわたしの独り善がりな倫理にざわめいて乱れ翻る。

「――アナタなんて善悪に酔い痴れて狂っちまえ、淫色、キャンディス・スワンポール」


 ーーSo she suddenly grabbed the frog and slammed it against the wall with all her might.
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