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最終章:第二次新異世界大戦
勇者パーティを追放された呪われし無能タンクは新異世界を攻略する①
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「世界を穿つ破壊の具現、星槍、ロンギヌスに、アナタの無限の防御力ははたして保つかしら?」
今、この槍の姿はずいぶんと【論議主】に似てきた。あの荘厳な青はわたしには似合わない。
破壊はわたしの性分にはどうしても合わなくて、あ、いや、なんでもかんでも壊しばっかりだけどそういうことじゃなくてさ! ……壊したいものなんて実はひとつもないって気付いたんだ。わたしはこの世界を壊したくない、この世界の機能にどうして彼が存在しているのか、わたしにはまだわからない。
だけど、きっとこの世界には必要不可欠な機能だ。うん、確かにわたしはこの星槍に何度も助けられたもん。
そんな彼の姿を思い浮かべる度、それを手繰っていたエルルカの姿もまた思い出す。ああ、エルルカとも結局再会できなかった。
わたしが会いたい人にはどうしても会えず、再会、という物語だけはいつもうまく綴れない。経験しなくても文章は書けるかもしれないけど、そこに生き生きとした描写は生まれない。
そして、わたしは別に会いたくない人との再会だけは結構あるんだよね。
「キミのことを見たことがあるよ、あの時の魔王の手下の女の子だね」
その声を聞いたのは今が初めてだけど、その姿は確かにうっすらと覚えている。……切なく吐息。
あの時の重厚な鎧に巨大な盾を持っていた男か。無口で大した活躍もなかったから、存在自体を忘れていた。描写された全ての登場人物を活かさなきゃただの意味のないモブだもんね。
彼は確かに長身ではあったけど、意外にも武骨な鎧からは想像できないくらい細身だった。筋骨隆々のオークみたいな大男を想像していたからなんかびっくり。でも、まあ、すてーたすまっくすなら見た目の筋力なんて関係ないんだもんね、まったく転生者ってやつらは。
今の彼はあの重厚な鎧を装備してはいなかった。
「冒険者は引退したんだ」
少し寂しそうにそう言った彼は、確かに自慢の盾はおろか小剣すら持っていない。
染めていない麻のシャツの上に茶色の革のベスト、それと同じ革のパンツ、という服装は街に行けばそれなりに見かけるいたって普通の格好だ。
それなら軽装の彼はこんなところで一体何をしていた?
ここは、人里離れた小高いだけの丘で、優しいそよ風が気持ちいいだけでめぼしい薬草もなさそうだけど。
「だけど、キミが向かってくるなら受けて立つだけだ、」
それにしたって、まさかこんなところでどうでもいい伏線が回収されるとは。彼もまた転生者だったってわけね。
しかしまあ、ホント、こんなにも転生者だらけだと一体全体どこに潜伏しているかわかったもんじゃないわね。
今、この槍の姿はずいぶんと【論議主】に似てきた。あの荘厳な青はわたしには似合わない。
破壊はわたしの性分にはどうしても合わなくて、あ、いや、なんでもかんでも壊しばっかりだけどそういうことじゃなくてさ! ……壊したいものなんて実はひとつもないって気付いたんだ。わたしはこの世界を壊したくない、この世界の機能にどうして彼が存在しているのか、わたしにはまだわからない。
だけど、きっとこの世界には必要不可欠な機能だ。うん、確かにわたしはこの星槍に何度も助けられたもん。
そんな彼の姿を思い浮かべる度、それを手繰っていたエルルカの姿もまた思い出す。ああ、エルルカとも結局再会できなかった。
わたしが会いたい人にはどうしても会えず、再会、という物語だけはいつもうまく綴れない。経験しなくても文章は書けるかもしれないけど、そこに生き生きとした描写は生まれない。
そして、わたしは別に会いたくない人との再会だけは結構あるんだよね。
「キミのことを見たことがあるよ、あの時の魔王の手下の女の子だね」
その声を聞いたのは今が初めてだけど、その姿は確かにうっすらと覚えている。……切なく吐息。
あの時の重厚な鎧に巨大な盾を持っていた男か。無口で大した活躍もなかったから、存在自体を忘れていた。描写された全ての登場人物を活かさなきゃただの意味のないモブだもんね。
彼は確かに長身ではあったけど、意外にも武骨な鎧からは想像できないくらい細身だった。筋骨隆々のオークみたいな大男を想像していたからなんかびっくり。でも、まあ、すてーたすまっくすなら見た目の筋力なんて関係ないんだもんね、まったく転生者ってやつらは。
今の彼はあの重厚な鎧を装備してはいなかった。
「冒険者は引退したんだ」
少し寂しそうにそう言った彼は、確かに自慢の盾はおろか小剣すら持っていない。
染めていない麻のシャツの上に茶色の革のベスト、それと同じ革のパンツ、という服装は街に行けばそれなりに見かけるいたって普通の格好だ。
それなら軽装の彼はこんなところで一体何をしていた?
ここは、人里離れた小高いだけの丘で、優しいそよ風が気持ちいいだけでめぼしい薬草もなさそうだけど。
「だけど、キミが向かってくるなら受けて立つだけだ、」
それにしたって、まさかこんなところでどうでもいい伏線が回収されるとは。彼もまた転生者だったってわけね。
しかしまあ、ホント、こんなにも転生者だらけだと一体全体どこに潜伏しているかわかったもんじゃないわね。
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