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最終章:第二次新異世界大戦
ーー 新異世界で転生魔王奇譚 ーー①
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「我こそがこの魔物の国の王である」
「ねえッ、勝手にわたしの世界に魔界を転送しないでくれないかな!?」
スカルデッドロード、彼は震わせるべき声帯もないのにどうやってかそう名乗った。まるで彼こそがこの世界で最も威厳ある者であるかのような尊大な声音だった。
異世界にはあえて魔物に転生するものもいるのだとか。でもさ、よりによって死んで骨だけスケルトンに、だなんてどうかと思うけどな。せっかく生き返った先が死体っていうのははたしてセンスがあるのかないのか。それに……
「この世界にはちゃんとれっきとした超絶怒涛空前絶後の超強い魔王様がいるんだから!」
い、いや、まあ、その魔王様もとっくの昔に勇者によって討ち倒されてすっかり見る影もなくなっちゃってるんだけどさ。この物語は、せかいはへいわになりました、のその続きだと思ってもらえればいい。……世界はまた存亡の危機に瀕してるけど。
「ま、ホントは【不浄遺棄地域】――世界を外れしものっていうんだけどね」
この世界にぽっかりと空いた虚構でしかない彼の、“始源拾弐機関”としての物語はほとんど存在しない。誰も【不浄遺棄地域】の真の姿もどんな性格なのかも知らないのだ。
だけど、この世界に魔界をもたらし、長らく魔界の主として君臨し続けた魔王としての物語はこの世界の誰しもが知っていて、だけど、その真相は誰も知らない。今はもうすっかり子どもを寝かしつけるためのおとぎ話の滑稽なヴィランだ。
「ならば、これからこの世界を統べるのはこの我になるだろう、この世界の魔王とやらはすでに過去の遺物なのだろう?」
それと比べたら、彼なんて新参者もいいところだ。おいおい、魔王パイセンに挨拶したのかよ、おおん?
なんだか三下ムーヴが板についてしまっているような気がするけど、きっと気のせいね。
だってわたしは主人公よ? 魔王の名を冠する魔剣を授けられてはいるけど、きっとこの世界を救う勇者なのよ?
「アナタなんて、彼どころかその側近のレッドドラゴンすら出る幕じゃない、わたしで十分よ」
「ほう、我が異能は、“神に抗う者(ザ・マスター・オブ・ダークネス)”。魔王としての在り方から自身や周囲の環境を作り変える複合型の異能だ、それをそなたのような小娘がどうこうできるのか?」
なるほど、魔王という存在になる、っていう異能、そんなのもあるのか。それなら、異様なまでの身体能力や魔力出力、謎のカリスマ性とか、そう、突如現れた魔界すらも彼の異能の成せる業か。……なんでもアリかよ。
「ねえッ、勝手にわたしの世界に魔界を転送しないでくれないかな!?」
スカルデッドロード、彼は震わせるべき声帯もないのにどうやってかそう名乗った。まるで彼こそがこの世界で最も威厳ある者であるかのような尊大な声音だった。
異世界にはあえて魔物に転生するものもいるのだとか。でもさ、よりによって死んで骨だけスケルトンに、だなんてどうかと思うけどな。せっかく生き返った先が死体っていうのははたしてセンスがあるのかないのか。それに……
「この世界にはちゃんとれっきとした超絶怒涛空前絶後の超強い魔王様がいるんだから!」
い、いや、まあ、その魔王様もとっくの昔に勇者によって討ち倒されてすっかり見る影もなくなっちゃってるんだけどさ。この物語は、せかいはへいわになりました、のその続きだと思ってもらえればいい。……世界はまた存亡の危機に瀕してるけど。
「ま、ホントは【不浄遺棄地域】――世界を外れしものっていうんだけどね」
この世界にぽっかりと空いた虚構でしかない彼の、“始源拾弐機関”としての物語はほとんど存在しない。誰も【不浄遺棄地域】の真の姿もどんな性格なのかも知らないのだ。
だけど、この世界に魔界をもたらし、長らく魔界の主として君臨し続けた魔王としての物語はこの世界の誰しもが知っていて、だけど、その真相は誰も知らない。今はもうすっかり子どもを寝かしつけるためのおとぎ話の滑稽なヴィランだ。
「ならば、これからこの世界を統べるのはこの我になるだろう、この世界の魔王とやらはすでに過去の遺物なのだろう?」
それと比べたら、彼なんて新参者もいいところだ。おいおい、魔王パイセンに挨拶したのかよ、おおん?
なんだか三下ムーヴが板についてしまっているような気がするけど、きっと気のせいね。
だってわたしは主人公よ? 魔王の名を冠する魔剣を授けられてはいるけど、きっとこの世界を救う勇者なのよ?
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