この世界はわたしが創ったんだから、わたしが主人公ってことでいいんだよね!? ~異世界神話創世少女 vs 錯誤世界秩序機能~

儀仗空論・紙一重

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最終章:第二次新異世界大戦

ーー  新異世界で転生魔王奇譚  ーー②

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 かつてこの世界が光と闇の半分に分かたれ、光が魔王、そして、魔物に恐怖していたことを決して肯定するわけじゃない。

 きっと少なくない光側の住民が犠牲になっただろう。この世界に非ず、しかしこの世界に穿たれ、魔界を生み出すに至った彼には彼なりの機能があってのことだとしても、だ。

 だけど、この世界の住人が長い年月をかけて克服し、乗り越えてきた恐怖を再度もたらそうとするのは決して許せることじゃない。

 それならば、わたしは魔王の力を受け継いだ者としてそれに対抗しようじゃない。こちとら魔王過激派じゃい。

「魔剣、アヴァルギリオン」

 わたしは両手を夜天へと伸ばす。ぬるり、漆黒のワンピースが認識不能な角度で揺れる。蠢く粘泥が両手を這いずり伝って、不規則に収束と拡散を繰り返しながら暗い空へと解き放たれる。

 そして、底知れぬ漆黒が宵闇をさらに覆う。

 それを、魔剣、と形容するにはあまりにも終焉の混沌たる汚泥のように名状しがたく。

 高々と掲げられたわたしの両手の先には、虚無そのものである暗黒。彼の魔界の微かな光すら全てを無に帰す絶望の天蓋。

「……な、え、なんだ、それ」お、化けの皮剥がれたか?

「さあ、アナタの最大戦力で対抗しなさい、この虚無は情け容赦ないよ」

 みてくれなんてどうでもいい。大事なのは中身。そう教えてくれたのは、中身なんてない、骨すらもない虚ろで空っぽの【不浄遺棄地域】だった。いわゆる、ギャップ、ってやつだ、萌えはしない。どエロい黒のランジェリーだけでほとんど裸同然のわたしが言うのもなんだけどさ。

 人知れずこの世界をわたし達が及ばない多次元からの脅威から守り続けていた彼の物語を、わたしはこの世界に綴らなきゃいけない。

「お、おい、わ、我が忠実なる守護者達よ、早急にこの侵入者を殲滅せよ!」

 皮膚も筋肉もない彼の感情はわからないはずなんだけど、今だけはなんとなくわかる気がしてる。

「強い言葉を使うなよ、弱く……おっと?」

 なんだかごちゃごちゃ言ってる間に一瞬にして色んな種族の魔物達が彼らの主殿を守らんとわたしの前に立ち塞がる。うお、結構いるな、吸血鬼、ダークエルフ、悪魔、その他もろもろ。一同整列、こうして見ると壮観だな。彼にそんなカリスマがあるとは思えないけど、これも彼の異能のおかけなのかしら。

 彼らは精鋭だ、ただの有象無象じゃない。それぞれが国を統べることすらできるほどの化物だらけ。

 ま、虚無に消えちゃえばそんなの関係ないよねぇ?

「さあ、この世界最高の物語をとくと味わえ!」

 迫り狂う軍勢に、にやりと嗤う。おっと、これじゃあ、まるで魔王じゃないか。

 そして、わたしは無慈悲に魔剣を振り下ろす。



 ーーΕνώ έκανε μπάνιο, ένας αετός πήρε ένα από τα παπούτσια της από έναν υπηρέτη και το μετέφερε στη Μέμφιδα, και όταν έφτασε πάνω από το κεφάλι του βασιλιά, ο οποίος καθόταν στην πλατεία, έριξε το παπούτσι στην αγκαλιά του.
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