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最終章:第二次新異世界大戦
ーー新異世界でのんびり農業ライフーー②
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「わたし達は変わらない。勝手に世界を変えないで」
今はこの星の外にいる【天変界位】――世界を変えるものがいてくれたら、ただちにこんな農場叩き潰してくれるのに。
「少しでも農業に携わっていたことがあるなら、この状況がどういうことかわかるはずよね」
「そりゃあ、まあ、な」
彼の返答は歯切れ悪く、いかにも些細な悪戯がばれてしまったかのように泥だらけの手袋のまま頭の後ろをぽりぽりと掻くだけだった。
異世界の作物がこの世界の生態系を侵略したとき、それによって引き起こされるのは周囲の環境の急激な変化だ。
当たり前だけど、彼がいた世界とこの世界は違う。共通点は確かにあるだろうけど、そっくりそのまんまじゃない。
だから、彼がこの世界に持ち込んだ作物がこの世界の住民にとってどんな影響があるか全くの未知数なんだ。
たとえわたし達には無害でも、他の動物にとっては毒かもしれない。その葉を食べる虫は少量なら大丈夫でも、その虫を食べる鳥には蓄積された毒は致死量かもしれない。道の外来種の栽培にはそういうリスクもある。そんなの常識じゃない。
それを一から精査し検証するには、彼が育てる作物はあまりにも量が多すぎた。
生存競争による自然淘汰は急激には起こりえず、それに対抗する前に駆逐される方が早い。もしかしたらその前に元の住民達の方が害虫、害獣として彼に殺されてしまうかもしれない。
それを、彼はわかってやっていた。
庭先で趣味でやるような規模じゃない。きっと神に与えられた異能とすてーたすまっくすによる身体能力でこの広大な農場を築き上げた。
これは、明確な侵略だ。
「せめて、この世界の作物を育ててよ」
「いや、それだと俺が持つ農業の知識が活かせないじゃないか」
トシゾウはわたしの言葉を聞く耳を持ってくれない。それは、わたしがちっぽけな女の子だから、ってだけじゃない。
きっと、失敗が、非業の死が、何も成し遂げられなかったことが、トシゾウの世界変革を駆り立てているんだ。
「このわからず屋! そんなんだからアナタのいた世界でも失敗したんじゃないの!?」
「黙れ! お前みたいな小娘に新撰組の何がわかる!」
「ッ……!」
まるで手負いの獣が放つ雄叫びだ。だけど、そんなことで気圧されてる場合じゃない。わたしが怯んでしまったらこの世界が変わってしまう。
「こ、ここにはここのやり方があるの。アナタのやり方じゃあすぐにこの農園も破綻しちゃうわ」
「だがここは異世界だろ? 別に問題ないじゃないか」
「自然と関わる人の発言にしてはずいぶんと無責任ね」
わたしはあの子との約束を守らなきゃいけない。この星にあの子が帰ってこられるようにしなきゃいけない。
あの子こそ、この星そのものの具現、自然環境を司る超弩級巨大金髪碧眼幼女なんだから。
「こんなふざけた農場なんてぶっ壊してやる!」
【天変界位】がくれた肌の紋様が激しく輝く。世界を変えるのはあの子の機能だ、それを誰にもやらせはしない。
この世界に伝わるいくつもの神話に顕れる天変地異の巨人伝説、その根源を振るわんとする。まあ、わたしにはその機能のほんの少ししか使えないけどね。
「剣を鍬に持ち替えはしたが、まだまだ小娘なぞに負けはせんぞ」
トシゾウは傍らの鋤を手に取り、腰を落とした低い体勢をとる。まるで剣術の構え。
わたし達の信念は決して折れず、決して変わらない。
この世界には変わらないものもある。
この世界には変わらなくてもいいものもある。
「天触、ヨトゥングラガナ! 世界を変えろ!」
ーーA very small seed of regret blossoms into a flower of redemption.
今はこの星の外にいる【天変界位】――世界を変えるものがいてくれたら、ただちにこんな農場叩き潰してくれるのに。
「少しでも農業に携わっていたことがあるなら、この状況がどういうことかわかるはずよね」
「そりゃあ、まあ、な」
彼の返答は歯切れ悪く、いかにも些細な悪戯がばれてしまったかのように泥だらけの手袋のまま頭の後ろをぽりぽりと掻くだけだった。
異世界の作物がこの世界の生態系を侵略したとき、それによって引き起こされるのは周囲の環境の急激な変化だ。
当たり前だけど、彼がいた世界とこの世界は違う。共通点は確かにあるだろうけど、そっくりそのまんまじゃない。
だから、彼がこの世界に持ち込んだ作物がこの世界の住民にとってどんな影響があるか全くの未知数なんだ。
たとえわたし達には無害でも、他の動物にとっては毒かもしれない。その葉を食べる虫は少量なら大丈夫でも、その虫を食べる鳥には蓄積された毒は致死量かもしれない。道の外来種の栽培にはそういうリスクもある。そんなの常識じゃない。
それを一から精査し検証するには、彼が育てる作物はあまりにも量が多すぎた。
生存競争による自然淘汰は急激には起こりえず、それに対抗する前に駆逐される方が早い。もしかしたらその前に元の住民達の方が害虫、害獣として彼に殺されてしまうかもしれない。
それを、彼はわかってやっていた。
庭先で趣味でやるような規模じゃない。きっと神に与えられた異能とすてーたすまっくすによる身体能力でこの広大な農場を築き上げた。
これは、明確な侵略だ。
「せめて、この世界の作物を育ててよ」
「いや、それだと俺が持つ農業の知識が活かせないじゃないか」
トシゾウはわたしの言葉を聞く耳を持ってくれない。それは、わたしがちっぽけな女の子だから、ってだけじゃない。
きっと、失敗が、非業の死が、何も成し遂げられなかったことが、トシゾウの世界変革を駆り立てているんだ。
「このわからず屋! そんなんだからアナタのいた世界でも失敗したんじゃないの!?」
「黙れ! お前みたいな小娘に新撰組の何がわかる!」
「ッ……!」
まるで手負いの獣が放つ雄叫びだ。だけど、そんなことで気圧されてる場合じゃない。わたしが怯んでしまったらこの世界が変わってしまう。
「こ、ここにはここのやり方があるの。アナタのやり方じゃあすぐにこの農園も破綻しちゃうわ」
「だがここは異世界だろ? 別に問題ないじゃないか」
「自然と関わる人の発言にしてはずいぶんと無責任ね」
わたしはあの子との約束を守らなきゃいけない。この星にあの子が帰ってこられるようにしなきゃいけない。
あの子こそ、この星そのものの具現、自然環境を司る超弩級巨大金髪碧眼幼女なんだから。
「こんなふざけた農場なんてぶっ壊してやる!」
【天変界位】がくれた肌の紋様が激しく輝く。世界を変えるのはあの子の機能だ、それを誰にもやらせはしない。
この世界に伝わるいくつもの神話に顕れる天変地異の巨人伝説、その根源を振るわんとする。まあ、わたしにはその機能のほんの少ししか使えないけどね。
「剣を鍬に持ち替えはしたが、まだまだ小娘なぞに負けはせんぞ」
トシゾウは傍らの鋤を手に取り、腰を落とした低い体勢をとる。まるで剣術の構え。
わたし達の信念は決して折れず、決して変わらない。
この世界には変わらないものもある。
この世界には変わらなくてもいいものもある。
「天触、ヨトゥングラガナ! 世界を変えろ!」
ーーA very small seed of regret blossoms into a flower of redemption.
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