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第3話
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翌日、私は朝食を済ませると、早速ルシウスの元へ向かった。
「ルシウスさん、おはようございます!」
「セリスティア姫、おはようございます。昨夜はよく眠れましたかな?」
「ええ!とてもぐっすりと!」
「それは何よりでございます」
ルシウスは微笑む。相変わらず素敵だな……。彼の笑顔を見ているだけで癒される……。しかし、今はそんなことを考えている時ではない。聞かなければならないことがあるのだ。
「あの……、ルシウスさん……、少し聞きたいことがあるんですが……」
「なんなりとお尋ねください」
「ありがとうございます!実は王子殿下のことなのですが……」
「殿下……ですか……?」
「はい……。あの……、王子はどうしてあそこまで変わってしまったんですか……?あの方は昔はとても優しい方だったと思うのですが……」
私がそう聞くと、ルシウスは顔を曇らせた。何かまずいことを聞いてしまっただろうか……? するとルシウスは重い口を開いた。
「セリスティア姫……、これは一部の者しか知らない情報です……。くれぐれも内密にしておいてください……」
「は、はい……、わかりました……」
一体何があったのだろうか……?嫌な予感しかしない……
「殿下があのように変わってしまわれた原因は……、ある女性の存在にあると言われています」
「え……?」
「その女性は、かつて殿下と共に大学に通っていた貴族の令嬢だったらしいのですが、ある日突然、殿下のことを誘惑し始めたそうで……。それからというもの、毎日のように彼女は殿下の元へ通い詰めるようになったそうなのです。殿下は次第に彼女に心を奪われていき、やがて二人は深い関係になったとか……」
「そ、そんなことが……」
「はい……。そして、とうとう一線を越えてしまったようなのです。見兼ねた周囲の者たちによって、彼女はすぐに城から追い出されたのですが、それでも彼女の執念は凄まじく、その後も何度も城に忍び込んでは殿下に会いに来ていたそうです。結局、最後には城の警備が強化されたことで侵入ができなくなり、彼女も諦めざるを得なかったようでしたが……」
「そうだったんですね……」
「殿下との関係を断ち切られた後、彼女は不特定多数の男と関係を持つようになり……、貴族の令嬢でありながら、まるで娼婦のような行いを繰り返してきたそうです。そして、彼女が二十歳を迎える頃には、すっかり性根が腐りきってしまったらしく……。今では、欲望のままに行動するただの獣になってしまったようです……」
「酷い話ですね……」
「ええ……。そして、殿下は彼女の豹変ぶりにひどくショックを受けられて……。それ以来、誰とも関わらないように引きこもりがちになり、次第に心を閉ざしてしまったのです」
「な、なるほど……」
まさかこんな理由だったなんて……。
「それで……、最近になって王子の様子がおかしくなったということなんですね……」
「はい……。おそらく、過去のトラウマを思い出して苦しんでおられるのでしょう……」
「そう……、でしたか……」
「セリスティア姫……、どうかこのことはご内密に……」
「はい……、もちろんですよ……!」
「ありがとうございます……。では、私は仕事に戻りますので……」
「はい!お忙しいところ、お時間を取らせてしまってすみませんでした」
「いえ……。それでは失礼致します……」
「はい、頑張ってください!」
私はルシウスを見送った。
とんでもない話を知っちゃったわ……。ミーシャには黙っておきましょう……
「ルシウスさん、おはようございます!」
「セリスティア姫、おはようございます。昨夜はよく眠れましたかな?」
「ええ!とてもぐっすりと!」
「それは何よりでございます」
ルシウスは微笑む。相変わらず素敵だな……。彼の笑顔を見ているだけで癒される……。しかし、今はそんなことを考えている時ではない。聞かなければならないことがあるのだ。
「あの……、ルシウスさん……、少し聞きたいことがあるんですが……」
「なんなりとお尋ねください」
「ありがとうございます!実は王子殿下のことなのですが……」
「殿下……ですか……?」
「はい……。あの……、王子はどうしてあそこまで変わってしまったんですか……?あの方は昔はとても優しい方だったと思うのですが……」
私がそう聞くと、ルシウスは顔を曇らせた。何かまずいことを聞いてしまっただろうか……? するとルシウスは重い口を開いた。
「セリスティア姫……、これは一部の者しか知らない情報です……。くれぐれも内密にしておいてください……」
「は、はい……、わかりました……」
一体何があったのだろうか……?嫌な予感しかしない……
「殿下があのように変わってしまわれた原因は……、ある女性の存在にあると言われています」
「え……?」
「その女性は、かつて殿下と共に大学に通っていた貴族の令嬢だったらしいのですが、ある日突然、殿下のことを誘惑し始めたそうで……。それからというもの、毎日のように彼女は殿下の元へ通い詰めるようになったそうなのです。殿下は次第に彼女に心を奪われていき、やがて二人は深い関係になったとか……」
「そ、そんなことが……」
「はい……。そして、とうとう一線を越えてしまったようなのです。見兼ねた周囲の者たちによって、彼女はすぐに城から追い出されたのですが、それでも彼女の執念は凄まじく、その後も何度も城に忍び込んでは殿下に会いに来ていたそうです。結局、最後には城の警備が強化されたことで侵入ができなくなり、彼女も諦めざるを得なかったようでしたが……」
「そうだったんですね……」
「殿下との関係を断ち切られた後、彼女は不特定多数の男と関係を持つようになり……、貴族の令嬢でありながら、まるで娼婦のような行いを繰り返してきたそうです。そして、彼女が二十歳を迎える頃には、すっかり性根が腐りきってしまったらしく……。今では、欲望のままに行動するただの獣になってしまったようです……」
「酷い話ですね……」
「ええ……。そして、殿下は彼女の豹変ぶりにひどくショックを受けられて……。それ以来、誰とも関わらないように引きこもりがちになり、次第に心を閉ざしてしまったのです」
「な、なるほど……」
まさかこんな理由だったなんて……。
「それで……、最近になって王子の様子がおかしくなったということなんですね……」
「はい……。おそらく、過去のトラウマを思い出して苦しんでおられるのでしょう……」
「そう……、でしたか……」
「セリスティア姫……、どうかこのことはご内密に……」
「はい……、もちろんですよ……!」
「ありがとうございます……。では、私は仕事に戻りますので……」
「はい!お忙しいところ、お時間を取らせてしまってすみませんでした」
「いえ……。それでは失礼致します……」
「はい、頑張ってください!」
私はルシウスを見送った。
とんでもない話を知っちゃったわ……。ミーシャには黙っておきましょう……
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