上 下
13 / 18
第3話

3-3

しおりを挟む
私はミーシャの様子が気にかかったので、彼女の部屋へと向かった。

コンッ!コンッ! 私は扉を叩き、呼びかける。

「ミーシャ!いる?私よ……」

すると中から声が聞こえた。

「セリス様……?ただいま開けます……」

ガチャリ……。鍵が開く音がして、中からミーシャが出てきた。

「おはようございます……。セリス様……」

「おはよう、ミーシャ……。元気が無いようだけれど大丈夫……?」

「ええ……、平気です……」

「そう……。良かったわ……」

ミーシャは無理をしているように見える。

「セリス様……、私は侍女なのに、セリス様に気を使わせてしまうなんて……、自分が情けなくて仕方ありません……」

「そんなこと言わないで……。貴女は何も悪くないんだもの……。それに、私だって昨日はとても驚いたわ……。本当に辛かったと思う……。だから……、自分を責めないで……。ね?」

「セリス様……、ありがとうございます……」

ミーシャは目に涙を浮かべながらも笑みを見せる。

「ミーシャ……」

ギュッ……。私は彼女を抱きしめた。

「うぅ……、セリス様ぁ……、私……、もうどうして良いのかわからないんですぅ……」

「大丈夫。きっと何とかしてみせるから……。心配しないで……」

「セリス様ぁ……、ぐすっ……」

「ほら……、泣かないの……。せっかく可愛い顔が台無しじゃない……」

「ふぇっ……、ぐずっ……」

「よしよし……」

私はしばらくミーシャを抱き締め続けた。その間、これからどうするか考えていた。とりあえずは王子とミーシャができるだけ会わないようにしなければ……。

ルシウスさんから王子の一日のスケジュールを聞いて……、王子がレイプしそうな場所とか危険な場所も聞いて……、絶対に二人きりにならないようにしないと……。

でも、対症療法だけでは根本的な解決にはならない……。王子を毒殺する?……いやいやいやいや、いくらなんでもそれは駄目だ……
しおりを挟む

処理中です...