世界を救った勇者は迫害され、獣人と空中領地で都市を築く。

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イラリンナ国2

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暗闇の方が有利な存在が居る。二層はソイツが1番強い状態を維持する空間。水の中でしかも暗闇、単純な魔法では光すら飲み込まれてしまう。「気配は感じる、だけど見えない」水の僅かな流れがわかるほどに神経が研ぎ澄まされる。「そこだ!」魔導具に魔力を込めて水の中を引き裂こうとする、しかし勢いを出すほど掛かる制限が重くなるせいで相手に届かずリリーは腹に重さを感じる結果となる。「うっ、」口から空気が泡となって排出されていく。暗闇で鈍い程有利、これはもう確定だとリリーは口角を釣り上げる。「テッカッチュウマイマイギョか、硬くて重い殻のせいでとても遅い、外敵から身を守るために殻に篭れば沈んでしまう。そのため奥底で暮らす事に特化したんだろ」もちろん相手は話なんて伝わらないが暗闇で自我を保つにわはこれしかない。また神経を研ぎ澄ます。相手は目の劣化を代償に魔法で居場所を探っている。元は遅い動きを補い逃げるためのはずだが。「さぁー、どこからでも来な」体内の空気全てを出し切ったような静けさを保つリリー。僅かな振動が振れる。まだ動かない。何かがまたリリーの腹にぶつかる。体が折れ手と足が無様に伸び、そのまま壁へと衝突した。「ひっひひ、捕まえたぜ悪魚ちゃんや」リリーはゆっくりと手を伸ばし蓋を閉じた。テッカッチュウマイマイギョはリリーがひっそり腹部で構えていたマジックボックスの中に吸い取られていった。「あ、これ全部これすれば余裕じゃない?」少しづつ視界が戻る中でリリーはそんなことを思う。「んで最後はヌシの間かな」
Uの字になった通路を泳ぎ進み出た先は陸地だった。古い祭壇なのか水上にタイルが敷かれその両脇に置かれた柱には松明の火が灯されていた。「タイルの厚みあんまないな、下は深そうだし警戒警戒っと」探知魔法を掛けるが無論結界のせいで何もわからない。一歩一歩慎重に進むが至って何が起こるでもなく最深部についたリリー。「思い返したらめちゃくちゃしょぼかったな。呼吸不可ってことを除けばB級以下?」1番奥にあった椅子に腰掛けるリリー。魔導具を外して今回発行したばかりの冒険者カードを首から下げる。「剣は、こいつでっと」マジックボックスから二本剣を取り出すリリー、その両刃二刀で後ろから忍び寄ってきた男の首を捕える。「乙女の背後は危険だぞっ」感触はなかった。振り向いた時すでに相手は目の前にいたからである。「ほんの小手調べか、速さ自慢なのかあんた?」長く伸びた尻尾に口から覗く牙、鋭い爪に固そうな皮膚、水竜なのが見て取れる水かき、何より人間よりもでかい。「我は水竜、許可なく祭壇に立ち入り我が玉座に腰掛ける不届きものを殺す」鋭い爪が胸当てに触れるのと同時に身を翻し後ろへ回り込む。「回し斬り!」両方逆手に持ち斬り上げ、斬り下げを繰り返しながら回転をかける。「バカか、先に何をするか伝えたるいみなんてないだろ。こう使うんだよ技ってのは!」リリーの腕を掴み水竜が足を踏みむ「ふんっ!」踏み込みと同時に手を離されたリリーはものすごい衝撃を受けながら後ろへと飛んでいく、勢いのあまりか手から剣が離れ空を舞う「水振波動、生物の中でも人間は特に中身に近い。今ので骨まで折れたろう」タイルに叩きつけられながらもなんとか立ち止まる。「ほぅ、アレを耐えるか」リリーの掴まれた左腕は力が入らないのかだらんとしていた。「いってて、あんたやるねぇ。一昔前なら魔王にでもなれたんじゃない?」片手剣を取り出して構える。剣を正中線に合わせタン、タンと離れた間合いを足音2歩分で詰めるリリー。構えた剣を引き、前へと突き出す。ニヤリと水竜は笑い顔を掴む「我は竜族ぞ、貴様の動きなど数秒先まで見え透いているわ!」持った頭を地面に叩きつける水竜。地面にめり込んだリリーは再び上げられ今度は胸元に水振波動を受け顔を持たれたまま力なく垂れ下がる「向こうの世界でももう少しやれる奴が居たがな。こっちはそもそも俺を見つける奴すら居なかったぜ?退屈で退屈で仕方ねぇな!」ゴミを捨てるようにリリーを投げて遺跡の外へ出ようと出口へ向かう「お前がさっき言ってた魔王とやらにでもなってくるぜ、正直飽き飽きしてたんだ」出ようとした水竜が引き戻される「なに?!」しかも尋常じゃない速度で、そのまま椅子にぶつかり座ったような体勢になった。その姿勢から前を見るとリリーが下からのぞいていた「玉座で死ぬのもかっこいいんじゃない?」吹っ飛んだ衝撃で手放したはずの二刀が水竜の両肩に突き刺さる「いい忘れてたよ私の名前はリリー、訳あって色々抑えてるけどお前よりはつよーい」水竜はブチ切れた。魔力がとても濃くなる、リリーはヘラヘラしているが慣れていない冒険者なら気絶するほどだろう「濃度があっても質が悪いとね」刺さったままの剣を上へ引き上げ、そのまま降ろした。上へ剣が行った時点で水竜は水へと潜っていった「いって、椅子硬すぎな」手が痺れるのを我慢しながらリリーは水面に目を向ける。片方ならばいいが両端が水となるとどっちから来るのかはわからない。「我相手に水場とは運が悪かったと諦めて死ね冒険者リリー!!」音もなく後ろから現れた水竜が爪でリリーを引き裂いた。血も出ず布が破けたかのように散りリリーだったものはその場に転がった。「舐めやがって、分身まで使えるとは!」落ちていた布辺は確かに本物だったがリリー本体は何処かに潜んでいる。水竜はまた水に潜み様子を伺う。「なぁ得意場でやられるってどんな気分だ?」水の中に潜んでいた水竜を羽交締めするリリー。水竜は別に呼吸メインじゃない、だがこの手の知能生物は少なからず頭で演算を行いながら戦う。「ここ絞めると血が回らなくなって魔法どころじゃなくなるぜ?」かなり濃く練られた魔力がどんどん薄れていく。リリーはそのまま水上まで飛び出た。「はな、ぜ」苦しそうな声を漏らす水竜、リリーはその言葉の通り一度離した。「離した、ほら戻りなよ水に」いい終わる前に水へと潜る水竜。魔力濃度が濃くなりすぎたせいで簡単にどこにいるか分かるし普通に倒すのも容易だ。だが未知の技に興味を持ったからには全て見たいと言わんばかりのリリー、水の中に現れたり宙に浮いたり散々相手を煽り尽くした。「こんなに強いにんげんがいたとは、はぁ、はぁ」片膝をつき呼吸が荒い水竜。「他にないの?まだ沢山技隠してるでしょ」「あるわけ無いだろ!もう100は打ったのにっ、」リリーはニヤニヤと水竜を見る。「もう降参だ」手を上げて何もできないぞと言わんばかりに魔力を練り爆散させる。ボンッと軽く掌で煙が出て終わった。「もしかして魔力切れぇっ?」水の槍に貫かれリリーの言葉は途中で終わった。2本目3本目と突き刺さっていく。「|水槍雲丹<スイソウウンタン>これが我の最後だ」「いてて、なるほどね」服が破れただけで傷の一つもないリリー、手には剣が握られている「マジでなんだお前は!」本当に魔力が尽きたのか鋭い爪を武器に切り掛かる水竜だが、リリーは容赦なく剣で斬りつけて蹴り飛ばす「あーれま、やっぱ硬いねぇすぐ刃が壊れる」「何もんだお前は、」口から血を垂らしながら水竜が吼える「勇者でありながら次期魔王、いわば世界の歪み」一歩、また一歩と近寄る。先ほどまでの遊びではないと分かるほどに、空間が歪む程に濃縮された魔力が見える「見ての通り生きているだけでこんなに魔力が湧くんだ」再び愛用の魔導具を取り出す。手に填めて魔導具へ魔力を流していく。「こんなベラベラ語る機会もないからさ、言わせてもらうけど。コイツには魔王2体分の魔力を蓄積できるんだ」1本2本と魔導具に刺されている筒状の物を指差す。「水竜君、技ありがとう」水竜の胸に手を当てる。魔導具が微細な振動を始め衝撃波を打ち出した。水竜の鱗はとても硬いが中はその分柔らかい「魔導具-エアスパイラーとダウラ、それからフィーアズの合わせ技、模擬水振波動さ」風穴を開けて倒れる水竜。解体する気がないからかリリーは水竜をそのままマジックボックスにしまう。「ちゃんと討伐になったな、さーて戻るか」水竜という結界主が消えたせいでこの遺跡は壊れ始めている。「陸はいいけど水の中はやっぱ特殊なんだな」急いで元来た道を進み陸地へと上がった。最初に入った時がまだ日の高い頃で今は沈んでいた。篝火が薄く全体を照らしている。「冒険者リリー、ただいま戻りました」その言葉にわらわらと冒険者達が出てきた。「マジで倒しやがったぞ!」「うちとパーティ組んでもらいたいくらいだよ!」その冒険者をかき分けてギルドマスターがやってきた。「浮かれるのもいいが形式的なものは済ませないとな。撤収だ!それから今回討伐してないにしろこの有事に残ってくれた者達にも礼を出す。そこの受付嬢にカードを一旦預けるように」ドタバタと支度をし一行はギルドに戻った。ギルド内では緊急時対応金と言われる不測事態に備えた備蓄が今回の参加者に配られていた。「リリーさんはこっちですよ」受付嬢エナヒに連れられて奥の面接室に通された。「ごめんなさいね、今面会室に王様が来ているので」緊急依頼時に作られる公文書が机の上に置かれた。鑑定したものやパーティ参加者にはそれぞれ6億イラアルほど、リリーには20億イラアルの報酬が支払われるという。即時金ならば手数料が掛かるがギルドに預ける形にするならば全て貰える。「これ金貨とかにするとまた追加手数料かかるよね?」「はい、そうなりますね」リリーは諦めて登録書類に記載をした。「ところで今回の討伐は等級に?」報酬よりもリリーには気になることがあった、場所にもよるが低くても今のCからAまでは余裕だ。「はい、一応特別措置といいますかリリーさんが他のギルドでもかなりの実力があったのも鑑みて初心者と同等の道を進むと狩場等に影響が出かねないとの審議もありまして」冒険者カードを渡すリリー。しばらく待つとエナヒがやってきてとある依頼書を渡してきた。「ギルドマスターがレギオンに確認をとったところマーハバクトの討伐依頼を達成したら特待でSD級まではいけると。あ、ですが受けなくてもA級は確実です」リリーは内心ニヤつく。思いもよらない好奇だ。「ひゃいやります」上がる口角を抑えながらリリーは了承をした。
面接室から出てギルドのエントランスまで戻るとヴィドスが立っていた。「リリー様、宿を取っておきましたよ」「さっすが」連絡が取れなくなっていたがこのギルドに戻ったあたりからそれも改善されリリーは指示を出していた。「私の部下達が本格的に魔王の目覚めに気付いてきたのでリリー様の言っていた隠れアストルカムエルを探せと命令を出しておきました」「さすが早いね、ってかよく魔王に謁見せずに動けるね」リリーは感心する、自分的には会いたくないけど会ったこともない人の依頼は受けたくないなんて思っているようだ。「私が直属に指揮権を持っている事は末端でも知っていますので」話しながら歩いているとすぐに宿に着いた。「安心してください、魔王軍の手配した完全に白い宿です」「ミュルシアもだけど、白いって…魔族とか疑われる事ないでしょ」中に入ると魔族の気配を感じた。「ヴィドス様お待ちしておりました、隣の方は配偶者ですか?」その言葉にヴィドスの魔力が飛び出そうになる(やめなヴィドス、とりあえず私のことは魔王お気に入りの領主とでも話しておけばいい)リリーが魔力糸で静止を促す。「リリー様に失礼だぞ。この方は魔王様お気に入りの領主様だ。我々魔族のために資金ルートや人間としての身元など色々用意をしてくれた方だ」すぐに魔族は頭を下げ謝罪をした。「そんなに私たちお似合いなのかな?」「私ではリリー様に釣り合いませんよ」宿はしっかり2部屋取られていた。(リリー様、食事と風呂の手配は済んでいますがどうしますか?)(先にご飯にしよっか)下に降りるとすでにヴィドスは準備が終わっていた「私も礼装着てくればよかった。もしかしてお高いところ行く予定?」「えぇ、リリー様に中途半端なものは食べさせれません」少し待っててとリリーは着替えて戻ってきた。街中は夜ともなると賑わいが増していた。(礼装にフードってなんかすごい違和感だね)(必要であればこの国を支配してルールを変えれますが、望んではいなさそうですね)なぜ被るのかはわからない。だがそれがいい、他の国に来たという実感が持てるのはいいことだ。(勇者の時は特待すぎてルール無用ですなんて言われて結局その国らしさを色々味わえなかったからね)レストランに着いた。高級というだけあり入り口は彫刻、それもかなり高精度なものが彫られていた。扉もリリー達がくる前に店の者が開いていた。「予約をしていたシーラジュだ」店内は絨毯が敷かれ、絨毯のないところからは大理石の床が見えていた。「案内のロージャです」大広間に沢山のテーブルが置かれたその場所はとても賑やかであった。フードは外してもいいと書かれていたためリリーは外した。現に椅子に座る現地の人から他所の人まで付けている人は居なかった「メニューです」ロージャがメニューを渡しテーブルの横で立ちながら待機している。ヴィドスはメニューを受け取り軽くめくるとすぐに閉じた「エッドチャーリアブを2人分、飲み物はシャンタウ山の地下汲みで」メニューの中に100万イラアル紙幣を6枚差し込みロージャに返したヴィドス。リリーは見えなくなったタイミングでヴィドスを見た「いつのまにそんなに稼いだの」「実は試験を終えた後すぐにリリー様を探したのですが見当たらず、魔力も察知できなかったのでS級になるまで依頼をこなしていました」魔族は人より体力もあれば魔力もある。何より時間感覚も長い、人間が見ている1秒を意識せずとも10倍の量で認識できる。「S級?早すぎる、私まだAだよ A」冒険者カードを見せるリリー。「水竜を倒してAですか、ここのギルド潰しますか?」なんて話をしていると少しばかり騒がしかったのか1人の男がこちらにやってきた。「おぅおぅ、若いのがイチャコラしてよ。舐めてんのか?俺はこの国でも結構融通が効くんだぜ」この国の貴族特有の白い服、それからターバン。古くから存在する家であり王家に近いのは確かなようだ。「いや、いいと思う。それに最初にあったマーハバクトを倒したらS越せるし」リリーは無視をして会話を始める。ヴィドスには魔法糸を使って指示を出していた「でしたら私も手伝います。それから」無視される事に慣れていない男はかなりの怒りからか震えていた。「失礼ですよ、他人の会話に割り入るのは。アフヴラ家75代当主ルーフィアルア・アフヴラさん」「お、俺を知ってて無視しやがったのか!」机を叩かんばかりの怒声。威勢がいいのは権力故だろう。しかしリリーの領地は連合国規定40万イクザートである。とある測量師の歩く幅と歩く幅で作られた四角形を1歩にした東洋の計算では1200億歩。一方アフヴラ家は6万イクザート(180万歩前後)あればいいほどだ。「おい待つんだルーフィアルア!この方を知らんのか」案の定、止めが入る。アフヴラ家と並ぶアールウ家の82代当主のカフリー・アールウだ。「何の真似だカフリー、こいつらがどこの国の蛮族か知らんが我が国内では我が国の貴族がルールだ!ましてやこの俺を無視するとは」「この女性は例の水竜討伐者でこの男性は最速S級を成し遂げた者達だぞ。無駄に徴収した税で肥えるだけのお前とは天と地の差があるほど国に貢献している!」2人の言い合いが始まった。「それが何だ、それに貴様今なんて言った?いくら落ち目だからって権力はまだ残ってるからな!」帯刀禁止とは書いていなかったが流儀として食事場に持ち込む奴はいない。このアフヴラを除いては。「もういい、いっそ俺が断罪してやろう」装飾まみれの剣というより儀式用のソレ。鞘から抜かれた剣先は黄金に輝いていた。「ルーフィアルア…その剣は」カフリーに剣を振り下ろすルーフィアルア、それを見てリリーは近くにあったフォークで剣を止めた「切れないにしろ痛いだろ」そのまま捻って剣先を曲げる。「何をしてくれた!この、、、」さらに激昂する、先の折れた剣を振り回してテーブルや椅子をひっくり返していく。「おいおい、見境なしかよ」食事中だったものを含めて立ち上がり遠くから様子を伺う。「この国の貴族ってみんなあぁなのか?」リリーが悪態をついた。「すまない、アイツは自制心がないんだ…ほんとはいい奴なんだが日々のプレッシャーが大きくてな」カフリーは頭を下げる。信用度ではなく家名そのもので位が決まるこの国ではこれほど暴れても失墜はない。それにこういうことは6度目だという。「誰も止めないのか?」「止めれるのは同格かそれ以上、それ以外が迂闊に口出しなんてしたら後日処刑だ…どんな理由であろうとね」下を向くカフリー。おまえが止めろと言いたかったがカフリーは終始オドオド喋るあたり弱い。「まぁいっか」席を立ちマジックボックスから剣を取り出すリリー。カフリーが止めようとするがヴィドスがそれを制する「領主様は帝国からも地位の保証をされています。あの男が騒いでも国交問題にヒビの入るようなことはこの国の王が許さないでしょ?」
王国剣術二派流一元。前に進む時、倒れ込むように走り始めれば反射的に足が出る。これと強力な力が加わった時に一度膝を曲げてから踏ん張る原理を組み合わせた高速移動。反射的に出た足は自重を支えるために踏ん張り伸びる。その出力で前出て浮く、空中剣技-回転。「はぁぁ!!」ルーフィアルアの剣をへし折りながら肩へとめり込むリリーの剣。金属のひしゃげる音に圧力に負けて砕ける骨の音。あまりの痛さから声も出せず呻き気絶した。見ていた群勢は拍手を送りカフリーは感謝を告げた。「今回の件は僕の家が責任を持ちます。領主様と聞いたので王様との謁見機会も用意可能ですが」「いや、いいよ。今回は必要な素材の採集に来ただけだし」カフリーはのびたルーフィアルアを事件を聞きつけ来た兵士と一緒に運んでいった。カフリーの説明のお陰で兵達はリリーに謝辞を述べるだけで追及はなかった。「よーし、テーブル戻すか」「はい、ここは私にお任せを。黒魔術-リターン」ヴィドスの指からドス黒い光が放たれてテーブルや椅子が消えていく。全て消えだだっ広い空間ができた。「黒魔術-リバース」そこに先程までと同じ綺麗な配列で机と椅子が戻っていった「みなさん、今回はお騒がせしました。元は私達が騒いでいたせいでルーフィアルア様は激昂しました。なので謝罪の意を込めて本日のお代は領主リリー様が持ちますとの事です」ピッシリと決まった礼をし席に着くヴィドス、そのあとは高貴な店とは思えないほどの盛り上がりを見せた。「貴方達が噂の冒険者だったのね?」わいわいと席の周りを人が取り囲んでいた。「領地はどちらにお持ちで」中には商会の会長や名前を聞いた事がある有名な貴族までいた。「空中に!まぁなんて素敵なの」「この書類帝国のものだ!紙質がやっぱいいな」鼻が天狗になったような気分のリリーはベラベラと喋り続ける周りの者達と打ち解けていた「あんたはあの嬢ちゃんの護衛だろ?いいのかい」一方のヴィドスも質問攻めに合っていた。「護衛?領主様は私より強いぞ」
会計額にリリーは驚きつつも支払いを終えた。外はすっかり夜更けの明かりに変わっていた。「うちの領地心配だから見てくるよ」ヴィドスにそう告げてワープした。
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