世界を救った勇者は迫害され、獣人と空中領地で都市を築く。

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イラリンナ国4

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王家の冠印、イラリンナ王の物である。「私がいない間に何かあったみたいだね」「少し前に揉めたあの貴族が本格的に訴えを起こした様子です」書類の下には王家、ルーフィアルア家、それから見慣れない印。「えっと公正な審議をすべく一度領主裁会への参加をお願いしますみたいなもんか。あー、コレ1番最後のやつ領主裁判所の印だ。グロスちゃん元気かなー」リリーを訴えるのは簡単だがこの国の絶対法でも裁くのは難しい。判決を下す場に最低2カ国の介入がいるからだ。領主は国から任されて領土を守る為に、国が領土を増やすために周辺貴族を自国領主にする為にが元だが。独立やそもそもどこにも属していない地域の者が明るみになるとそもそも国ではないのに領地として認められる範囲が存在してしまう事になる。だが大した地位もない領主は大国に食われるのがほとんどだ。そこでリリーは色々な国に交易権を配布し、無人だがリリーの領地に向こう側の国にそれぞれ国際交流所を配置した。この時に契約で生じるのは地位の保証や有事の際に支援。リリー側としても代価は払うにしろこう言った問題時には特に強く生きてくる。「アクラムに簡易書を、それとついに完成した魔導具を使う日が来た!アレの用意を」書類には期限が一週間ほどとあったのや次の領主裁会はこの国だったのもありリリーは着々と支度を整えて行く。シィゾグ商会とも二回ほどコンタクトを取り一年も待たずに本格的な食材の販売が可能と。
領地を行ったり来たりしリリーは村の成長を感じる。1日前までなかった土地に新しい物が増えているのだ。申請書を通して何が出来るかは知っていても実際にできたものを見るのはまた違う感動がある。「大衆浴場もできるじゃないか」お風呂の文化は人型の生物なら殆どが慣習化してきている。魔石文化も発展した現代では川や温水の出る場所に赴かなくともこうして用意が可能なのだ。リリーは公務の合間をぬってやってきた。「マーハバクトの討伐依頼であそこのギルドでも結構級上げたし、素材も揃ったしもう用はなくなる」服を脱衣所の棚に入れて体を洗い湯に浸かる。大衆というだけあってか昼でもかなりの人がいた「それでね、抜け毛がすごいじゃない?ここで抜けたらと思うと怖くてね」「私もよー」獣人ならではのトークに耳を傾けつつ芯まで入る「なんで私まで…」隣には過去にリリー暗殺に失敗した少女ことカーファもいた。基本自由に動けるが逃げたりやらかそうとすると首につけられた魔導具で領地内の監獄に飛ばされる。監獄はコリゴリだとリリーの監視下でずっと動いていたわけだ「仕方ないから護衛してやるって言ったのカーファでしょ」「そりゃそうだけど」毛無と書かれた浴槽にはリリーとカーファしかいない。毛で全身が覆われているものから人間に近く毛が少ない物まで獣人の個体は幅広い。その都度に合わせた浴槽が配備されている「それと、明日領主裁会に出向くから付いてくるならそれなりの格好してもらうよ」「領主裁会?!なんでそんなところに」勢いよく立ち上がるカーファを座らせる「訴えられたからねぇイラリンナの名家に」「その一件、私の国が絡んでいる気がします」リリーは無言で頷く「芋蔓で引っ張れるか、それとも大蛸のように私に触手を絡め深海へと引き摺り込むか」ざばんと立ち上がり風呂から出るリリー。パパッと体を拭き軽く魔法で乾かして服を着る。
古屋に実行メンバーを集めて会議を開始する「カーファにミュルシアが護衛として私に直接ついてくるように」カーファは幼いが暗殺者として、チャンダ国の人として見透す目を持っている。ミュルシアは魔族、それに一時的な魅了を使って逃げることは可能だ。「それからルームンとエアには引き続きココを、ジョイギースは学校認定の為にも今のまま勤しんでくれ。ヴィドスは私と別働隊としてとりあえずは冒険者を続け情報収集」フランダードーウは勿論ここにいない。やることは理解してここにいないから問題はないが「それからヒスイ、シィゾグ商会が帝国から新聞を六種類ほど仕入れているんだが。教会と掲示板その他必要箇所があれば掲載を頼む」領地の指導が始まってからずっと忙しいがここは踏ん張りどころだとリリーはみんなに魔法をかける。各自持ち場に戻り古屋に静けさが戻った「カーファよ、個別に挨拶するのは初めてですね」ぺこりと頭を下げるカーファにミュルシアも手を差し出す「中枢メンバーにいるから知っているとは思うけど私は魔族よ。それでも関わりたいと思うのならよろしくねカーファ」この2人は仲が悪いわけじゃない。ルームンとエアのコンビを解消してどちらかをと思ったが護衛という観点ではどちらも向かない。「ふぅ、じゃぁ2人とも着替えるよ」タンスを開ける、中には何も入っていない「あ持ってかれてたわ。マジックボックス」従者着と名高いメーカー服2着に有名な衣装メーカーが手掛けたデザインのドレスを取り出しそれぞれに渡す。「この服のこことここに魔石あるから、それと直接背中の部分には魔術的な刻印。一応個人魔力で魔術行使が可能レベルまで調整しておいたよ」メイド服の袖口と胸元に留められている真珠は特殊な加工で中に魔路が通されている。

魔法と魔術-
大雑把に括ると触媒を使って自力で行使する術を魔術と謳い、魔導具などの行使手段を簡略して感覚的に使う物を魔法として崇めた。
魔導具を行使する際は魔力を使い魔法として放たれるが、魔導具の持ち歩きは汎用品、専用品など見る人が見ればなんの魔法を使えるか読める。
しかし自身の魔力が一定数あるか、豊富な触媒があれば直接の魔術としての使用が可能なのだ。
コレをうまく使い分けた術がリリーの愛読書の-神都防衛魔導兵精鋭部隊セプティム 第七魔導連隊デケム第十魔術連隊 に聞く常人離れした二種混合戦術-には指輪型の魔石型触媒と魔路で魔術を使い首元のネックレス型魔導具から魔法を撃つ使い分け。そのほかにも武器に組み込む例など色々書いてある。

リリーのドレスもまた改造されている。円形の魔導具を背中につけ袖口のブレスレットまで魔路で繋がっている。装飾品の指輪は勿論のこと髪飾りまで全てが戦闘用だ。入る時にいくら見られようが分からない。リリーと今は亡き職人によって作られた巧妙な武器なのだから。「ちゃんとそのシナリオ書読んだね。ならいこう」会場は前回食事をした店の通りにある予約制の店。本日貸切の看板がかけられ入口では入場手続きが行われていた。「領主のリリーです。属国無しの申請はU-96地区。空中です、今はこの国の上空に待機しています。これ国王からの許可証です」招待状を見せて軽い手荷物検査を通り抜ける。「まだ始まってないみたいだね」裁会は時々行われる問題議論の場所とは外向けで実態は汚職や密輸が横行する現場であったりする。近年問題視されて少しずつ変わってはいるが匂いでわかるほど異質だった「これはベナガーラス草、2人ともあんまり吸わないように」

ベナガーラス草-
原産地はチャンダ、イーヴ、イラリンナなど。葉っぱを擦り潰し傷に塗る民間療法は流行っていたが後々出る中毒症状などから帝国含む諸外国は危険薬草認定を下していた

20に及ぶ領主が集まりそれぞれで会話をしていたがみんな手には葉巻を持っていた。「テラスはいいねぇ、まだ10家ほど来てないしゆったりできる」ヘリに手をかけて用意されていた中で1番強い酒を飲み干した。「あぁ喉焼ける」「よくそれ飲みますねマ、リリー様」ミュルシアが目を開いて驚く。魔族は酒の成分に弱い種族もいてミュルシアはその中でも群を抜くほどだ、この刺激臭で酔う「私も呑みたくないけどとりあえずキッツイ酒が中毒には効くって習ったし飲んで損はない」葉っぱの煙はここまで微かに流れるほど濃く漂っている。テラスでは吸う者がいないだけマシなのだろう。
「皆さんよくぞお集まりいただいた!我らが王は激務の為来れぬとの事だが予定通りに進めるぞ。まずは審議会からだ、関係者以外はそのまま演目へ」名前も地位も知らない貴族の声で会場に開始の合図が響き、葉巻の煙も止んだ。テラスから戻って審議会に向かう集団の後ろを歩くリリー。「従者は専用の控室へ」1番奥の部屋に入る前にメイド2人と引き剥がされたリリー、部屋は奥から順に地位の高い人たちが座っている様子だった。勿論リリーは真ん中に用意された椅子だけ。「呼ばれた理由はわかっているな?領主リリーよ」議題を読み上げる男の隣にはアイツがいた。あの店での一件が相当来たのだろう、ギルドを荒らすに飽き足らず今度は審議会である。カフリーが居ないのを確認するとリリーはやはりなと納得した「はい、あのレストランで起きた一件ですね」焦りなどはない。リリーは内心焦るのはお前らになると強く確信を得ていたから。「そうだ、理解しているのなら早い。アフヴラ家は該当する人物の処刑及び領土含む財産の没収を望んでいます」公的書類には絶対と言っていいほど付いている印が付いた判決記録。しっかりと見れば雑な押され方をしているが焦っていたら気付かないだろう。何人騙された事かとリリーは頭を抑える「コレは私がいない間に判決が出され、なぜか不当に要求が通ったと言う事ですね?」少し煽り気味に話すリリー、密室では特にさっき奴らの吸っていた物が濃く臭うのだ。こんな幼稚な物で引っ掛けるなという呆れとあの甘いような酸っぱいような激臭に怒りが小競り合い、かなり変な顔をしていたリリーを見て緊張していると勘違いしたのか、周りの領主達はニマニマとさらに圧をかける。「えぇですから今回の審議会では要求内容の軽減についてです。落ち着いてくださいルーフィアルア公爵、実は…」ヒソヒソと耳打ちをする2人。頭につけた装飾品型の魔導具-ヒュオンリアスアナライズから微かに音が聞こえる。そんな中何人かの領主が手を挙げる。「これこれは公爵位ファッバース家六代当主ファッバース領及びコクジツ領領主にして次期国王候補ファッバース公爵様!」位の高い順であろう。贅肉を蓄え居るだけでこの場の温度を上げているであろう下品な男が口を開く。また悪臭が漂いは顔を歪ませる。椅子に仕掛けられた魔導具の分解も諦め無理やり空気を首元のネックレスから出していた。「アイツの罪はわしが肩代わりしよう。その代わりにアイツの領土3割を頂くぞ」勝手な意見である。しかしこの場では並ぶ地位がいない「では議決でよろしいですか?」そんなことを許すリリーではない。ネックレスから放たれる微かな酸素を吸い、臭さを耐えるための鼻声で呟く「よくないと思う」公爵位はその舐め腐った態度に怒りを覚え形相が険しくなる。他の者は逆に喜んでいた。なぜなら公爵だけ甘い汁を吸うのは許せないからだ。「それもそうですな、我々も少し貰わねば」「うちの規模なら1割はもらえるんじゃないかな」「空中で育つのかは疑問だな」ざわざわと話し出す領主達にファッバースがキレて立ち上がり地面を蹴った。「うるさいな!底辺どもは鎮まらんか!」その言葉にみんなは臆し喋るのをやめた「ファッバースさん、あんたの所の領地ってどれくらいかな?」まだ半分怒りの収まらないファッバースに油を注ぐリリー「ファッバースさん??ふぅー、まぁいいだろワシの領地は16万イクザートだ!」反応は思ったよりもなく。どうだ?とふんぞりかえって終わった。そのままひっくり返れとリリーは思いつつとある書類を審議会を仕切る男に渡した「領土の大きさとその証明印ね。しかもこの会議のために二日前に貰ったやつ」その書類に固まる。周りは何も言えなくなった男に焦りを覚えファッバースがその書類を取り上げた「領主リリー殿へ鑑定結果が出た事をお知らせします。2度目の調査依頼ありがとうございます、無地位での領土運営はかなり大変でしょうが我々も陰ながら応援しております」

鑑定結果-
領土サイズ-40万3215イクザート、村群4つ
領民   -人6名、獣人204名
領土内水源-4ヶ所、水質A
領土内生産-不明
所属する国-無し
領土内施設-B等級、診療所及び教育場はD等級とする
領地内貴族-メウス家(旧家)、バリティ家(旧家)、イナシュ家(旧家)、シーラジュ家(旧家)、権限により開示不可です。
地位保証人-匿名署印王族3名、匿名署印王弟貴族4名、アクラム・イスール、モディン・ポールス、サーファン・ガンロス、シュリナ・トオロギ
専属取引人-アクラム・イスール
審議代理人-アクラム・イスール

旧家-
あらゆる方面で権力を持ちながら独立して国家という体裁を成さずに存在する家々。交易などを行う上で国名などが必須になった事から自然と権力界から消えた名家がほとんどである。
またどこにも属さない為、度々弱小貴族と間違えられるが位は王族と同等である

読み上げた本人が1番理解できない顔をしていた。「なぜだ、なぜ…」「この会議が非合法なのは承知の上。では、なぜ私がこの場にいるのでしょうか」相手の結論は早かった「控室にいるこいつの従者を捕えろ!」それと同時にリリーの体が紐で巻きつけられ、キリキリと締め上げられる。「椅子の足に巻き付けていたか。それ4両側から引っ張る力…」ドレスは傷ひとつ付いていないがドレス内部の腕には少しめり込んでいた「ディ・オランに居るボードズあたりか」「へぇ、俺の名前知ってんだ。ならこのままどうなるか知ってるよな?」ボードズの得意とする魔導具は蛇葬と言われる特注品、魔力キーに応じて締め付けや不可視、その他いろいろな機能を使える。実に七種類、さらに奪われた時の対策も込めて本人にはそれらが効果しないように作られてある「このまま行くと真っ二つ。かなり厳しいかもね」苦しそうに口元を歪め、拳を握るリリー。領主達はその様子を楽しそうにみている「術者が隠れてるなんて卑怯だぞ!」どんどん地面と足の距離が離れるリリーはジタバタと暴れる。暴れながら魔石を地面にばら撒いて行く「はっは!みろ血が漏れてるぞ」「この女も固めて売ればカーペット代の足しにはなるだろう」「固めて売る?私に何をする気だ!」リリーのドレスはだんだんと赤く染まって行く。「それは工芸品だよ。奴隷から底辺貴族まで、歯向かう奴らを石膏にして売るのさ」「まさか、ギルドを襲わせた下層民の奴らも」リリーは知っている。ギルドの暴徒事件聞き取りの最中、貧困街にヴィドスを向かわせたが、もう既に家族が連れ去られていたと報告を受けていた「まさか今回私を呼び出した理由も領地じゃなくて剥製にする目的で!」「石膏だ、剥製なんて臭くてやっとらん。それから領土はもらうぞベナガーラス草の栽培場が要るからなぁ。ちょうど獣人もおるし働き手には困らんな!!」大笑いをするファッバースとその周りの領主達「うちの貴族はどうなるんですか、わざわざこんな辺境の領地に来て支援をしてくれている優しい人たちなんですが」「うちにでも飾ってやろう。愚かな領地に住まう貴族と題してなぁ」嘲笑うファッバース達が扉を叩く音に固まる「会議中は人を入れるなと言っただろ!何のようだ」ファッバースは即座に合図を送りリリーはそのまま椅子へ落ちた。耳元でボードズが普通にしろと囁くのが聞こえリリーはやれやれと腰をつく。「申し訳ありませんファッバース様、それが国王様だけでなくアービアシア国の国王様までいらしてこち」言葉を途中で遮り何者かが扉を勢いよく開けた「アクラム・イスールです。審議会の代理人無しでお話を進めるのは困りますよ?ファッバース殿」開け放った扉からやって来たのはアクラム。伝統衣装を身に纏い胸元には王国の冠がついていた。「王印の押された会議と聞いてな、わしも多忙な中忘れてたわいときたわけじゃが」「はっは!領主リリーの地位保証人として暇じゃったから来たがワシの仕事は無さそうじゃの?」イラリンナ、アービアシア両国王がそこにはいた。その後ろからひっそり眼鏡をかけたエルフが出てきた。「どうも、領主裁判所の所長してますフォロ・フィラ・グロスです…うちの裁判所から印が盗まれましてね、盗まれた数日後に似たような印が押された書類出回ってるって…あぁ、回収作業だけで胃が穴ですよ」
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