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蔓延する厄災1
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怪しげな地下「えぇ、では各方面の魔族にも伝達をします。…すわけにはいかないので内密に殺しましょう。…な可能性もあるため…です」「中には先代を殺した奴らもいるんだろ?やってやるぜ」集う魔族達が物騒な会議が開かれていた。「それから…ユウシャ暗殺は…が」指揮をとっているのはヴィドス、呼ばれていなかったが影で聞いていた黒いモヤは誰にも気付かれることなくその場をさった。
場所は変わりボロボロになった十字架が、信仰の途絶えを表す教会中。2人の人影があった。「ルノードが~シンデー、ポードがウシナッタ」教会の皆が象徴とも言える神の手に乗り不吉な歌を歌う少女、教会制服に聖杯を三つ留めている。制服は他もモノと異なり白ではなく派手な装飾が施されていた。
「降りろ、不敬だぞ」片眼を瞑り、何も入っていない左袖の揺れる男が現れた。聖杯は一つだ。
「一つのファンバールちゃんがなんのよーですかー」くるっと中で周り綺麗な着地を見せる少女。「元魔王軍、ヴィドスの行方を掴んだ。人間に化けて貴族の真似事をしている」「私には関係ないけど」ベーっと舌を見せてまた登ろうとする少女の襟首をつかむとファンバールはそのまま地面へ組み伏せた。「あ、やだ私まだ…」わざとらしく照れる少女の腕に関節技を決めたファンバール。「ちょ!腕がオラルー」「教会は無機質と無邪気に一任した。それから俺は一つではない」技を解き依頼書を渡すが、受け取った少女は軽く見ると燃やしてしまった。「ローソクの火は瞬く間に必要書類を燃やしちゃいましたー」「読んでから燃やせって書いてあっただろタコ女」怒りを抑えながらファンバールは言う。だが当の本人はヘラヘラと回転している。「だって全部覚えてるし」立ち止まり得体の知れない顔でファンバールを覗き込む。「っ、なら5枚目の二十二行目」「全て指揮権は私に」悔しそうな顔をするファンバールの肩に手を置く少女。「まっ大船に乗って沈んで~!その分しか読んでないからさ」
ワープで両地へ戻ったリリーは床へと倒れこんだ。「はぁー、おかえりエア」「随分と疲れてるねリリー、新しい金策とか言ってたけど」「きーてくれよ。普通の七倍報酬ってから受けたら騙されてさー」お茶を飲むリリーの話をエアは静かに聞いていた。
「普段からアクラムさんとかグロスさんを駒みたいに使ったツケだよ」「そんなぁ、それに成り行きとはいえ帝国って魔族多いから私バレたら終わるわーって事で」エアの肩に手を乗せるリリー。「精霊は貸せないよ、リリーは信仰の対象をヤスヤスと渡せといるの?」「ちぇーむだに厳しいな」「私も無理ですよ、魔族なので魔力でバレます」ヴィドスにも断られて膝から崩れ落ちるリリー。「魔導換装使うと私なんか調子崩すんだよなー」工房の最奥部、溶液内に入り込む。浮かぶ人形を避けて底の蓋を開ける。中には地下室が見える。「スライム溶液の利点は、上へ上がろうとする」下に落ちるように入ると謎の部屋が出てきた。「えっとロッドナンバー3かな。魔力は分離して」吊るされていた人形の胸に触れる「ふぅ、【魂は】…いやこれじゃ【根源たるは】んー、イメージが付かない。だが私としては、」何かを思いつき三体同時起動させたリリー。「えっと1番魔王の魔力が感じないのはロッドナンバー2だね?」「だね、私もそう思うよロッドナンバー1」「了解した、ロッドナンバー2!これより任務を遂行する」
「オリジナルは溶液に浸すか。ロッドナンバー2はこれより教師業務に、ロッドナンバー1は魔王魔力が高いため、領地に。私は他ギルドにて新しい申請を取り、別の金を稼ぐ」ロッドナンバー2は教師寮へと向かった。正確には教師寮が棲家として与えられる為、外に出るなと。
「ふぅ、安定しない。とりあえず明日の授業に向けた資料制作を…」魔力媒体素子を利用した魔力投影システムは支流だが、それを利用しては意味はないと紙に資料作っていく「だいたい現代っ子はやたら魔力素子魔力素子って。無駄に魔力使うのに演習でも使われては堪らない」魔力素子が一回あたりに利用する魔力量は紙一頁あたり魔術一発分消費する。一方で紙書類をマジックボックスに入れておけば出し入れ30回相当で一発分にも満たない。マジックボックスは最近鞄一つ分大までは普通になってきた「難しそうなら魔導具でマジックボックス作ってあるから配布すればいいし。死なない事は前提として、演習では色々なことを得てもらいたいから」ちょうど書き終えたタイミングで朝になっていた。「ふぅ、さて学園の方に向かうか」まだ早い事もあり教師陣すら来ていなかった。「懐かしいな、ここもあまり変わってない」昔使っていた教室や道具たちを見に行くロッドナンバー2。記憶はオリジナルから引き継がれ、戻る時にオリジナルへ統合される。そのため、懐かしさを感じれるのだ。
「これは三年の時に最優秀賞を得た魔導具の記録じゃないか」図書室には生徒の著書も多く保管されている。学的から私的まで多岐に渡る「私がいない間に増えた論文は11枚、まぁー魔導具専科で卒業なんて当時は難しかったからね」全員が魔力を持ち、何かしらの行使が可能なこの世界では日常生活にまで魔術や魔法が点在する。
その中でも生活基盤と言われる物はすべて魔導具である。しかし、求められる物以外に価値がない。そのため魔導具専科で卒業する場合は、オリジナル性と効率性と機能性の充実した魔導具を量産可能な条件で組み立てて、ナドスの最高技術認可院から認証印を受け取る必要がある。
「三年で作ったのに結局、八年まで何回も試行錯誤して持ち込んだっけか」リリーの魔導具論文は浮遊に関する回路。海上都市の制作プロジェクトにも重宝された、軍部機密と言われる最高技術認可院設院以来二度目となる封印書物とされている。図書室にあるのはあくまでも三年時の夢物語なほど莫大な魔力を6人体制で消費させる物のため、そのまま置かれている。
「人を魔石に、魔石をさらに増幅と反復ってすれば作れるけど。今時は回路自分で書かないもんな」しばらく進むとリリーの好きなシリーズ本がずらっと並んでいた。"帝国騎士に聞いた騎士道とは"や"仕事をしない無能貴族に聞いた、働かなくてもいいの?"などなど「私が帝国いない間に増えてる!なんだこれは、"元勇者パーティに聞いた!勇者はどんな人?また噂の通り時期魔王なの?"だと」人々が勇者を恐れ出した理由は魔族の暗躍により解明された。唯一信仰の教会が人に対する人への信仰を避ける為に流したデマと溢れる魔王の魔力による本能的な畏怖。
「ふむふむ、結構踏み込んでるな。記事書いたのはあの人しかいなそうだ」聞いたシリーズは累計発行数計算不能と言われるほど出回っている。陰謀じみた内容から本当に便利な生活様式まで多岐にわたる内容のおかげだろう。「しかし教会のせいだとするなら。魔王の最後に言ったセリフは…」呪いをかけた、これは紛れもない事実だ。だが現に起こる事情全ては別の要因で片付けれることばかり。「逆か、呪いのせいでそういった面倒ごとが迷い込む」
始業時間ギリギリで教室に入ったリリー。「点呼とります」人数確認を終えてさっそく演習の予習を始めるリリー。決まったカリキュラムと講師自らが得意科目等で教鞭を垂れる授業枠とあるため、リリーはその時間をふんだんに使いテキパキと授業をこなしていく。昔からやることはたいして変わらない。歴史や魔導学が大幅に変わった程度。そのため「先生、この魔石の名前はアーヲベーツですよ」と指摘の声が飛んだりした。魔導学は主に分岐が増えた、オリジナルから派生した物、それがさらに派生してと。物によっては第六代あたりまで記憶しなければならない。昔に比べると覚える量も増えて大変だろう。「先生の時はまだ2種類しかなかって、初心に帰って学び直すかー」歴史もそう。魔王が討伐されてから魔族間との柵が若干砕け、両者視点から見た正しい歴史解釈を覚えるよう言われたのだ。もちろん獣人教会絡みで獣人の歴史も入り込んだこともあり、自国かせいぜい周辺諸国までしか習わないはずが、そこに獣人と魔族が加わったことで教える内容はもちろん、これまで溜め込んだ知識の大半が人間優勢な内容の為、改めた視点へアップデートしなければならない。「教員が減るのも理解するわ」リリーは辞典を引きながら教えていく。「リリー先生ってすごい分一般的なところ抜けてるよね」「しっ、聞こえるぞ」たまにそんな声も上がる。仕方あるまい、長くアストルカムエルの中にいたのもあり最近には疎い。それに直近は特に空の上だったのもある。「まぁもう知ってる人はいると思いますが、先生は空中領を持ってるので基本そっちで生活しています。こっちの事情に疎いのはご了承を」最初は隠そうと思っていたが、金を稼ぐには知名度を上げてお金を払ってでも行きたい人を作るしかないのだ。獣人受け入れをした唯一の無国籍領土としても名を馳せているから、貴族としても支援しごたえがある。「えー!行ってみたいな」「父さんに頼もっかな」生徒達に何気なく開示して、貴族の子達は自然と親に繋がれるかもしれないルーツがあると教える。そうすると、社会貢献も兼ねて支援金を一杯得れるというわけだ。「そうだね、みんなが演習でいい結果を残せたら修学旅行がてら案内しよう」みんなの目が輝く。「いいの!いくらくらいするんですか?」「そうだね、往復だけで金貨3枚かな?移送手段にもよるけど、地面から一気に移動する荒手段なら銀貨でも行けるけど、安全に上がっていくなら魔力消費的にもそれくらい」「先生って領地に帰ってるんですか?それとも寮ですか?」「基本は寮かな。こっちにはシィゾグ商会があるから連絡とかすぐ取れるし特に帰る必要もないって感じ」生徒達の質問はやまない。「領主の仕事ってサボってていいんですか?」将来領主になるであろう生徒や、魔導具開発に携わりたい人、研究者などなど。「有能な部下を持てば上が無能でも回るのさ」「どんな原理で浮いているんですか?」「それは明日の範囲だからその時ね?」「獣人達と旧家で構成されてるって本にありましたけど本当ですか?」「もちろん。初めはエアという少年との約束から始まったからね」
なんだかんだで授業の大半を雑談で終わらせてしまったことに後悔を覚えつつ幕を閉じた。「本日はこれで終了。みんなにまとめた資料渡すから演習までに覚えてねー」紙をヒョイっと浮かせてみんなの机の前に並べていく。「これ一晩で作ったんですか?」「そうだよー、誤字とかあったら教えてね」
解散後、訓練場に1人でやってきたリリー。魔法で仮想敵を作り試合を始める。「はぁぁ!!」派閥争いは思ったより硬直しており、こちらに話を持ち掛ける先生は来ない。「ふん!」ちらほら上位の生徒達が訓練場で試合をしているのを遠目で見ながら自主練に励むのみだ。「研究費は理由無理やりつけてグロスから学園のお金貰ったし、あと数ヶ月でプラスに戻れる」グロスがドン引きするほどに駄々を捏ねたリリー。三人に分かれてまでお金が欲しいのか!と罵られ、紆余曲折あった結果、なんとか得たのである。「一ヶ月あたり銀貨計算で40枚、回路形に5枚と魔石に3枚。残りは貯金と。一年で金貨2枚計算かな?研究費って結構張るもんねー」魔術は結局使うのに制約が多い為、魔法に逃げる現代。教えるにも使うにも魔導具を開発出来る方がいい。生徒に教える教材分も含めて買っているから割安で購入できるという利点もある。「明日は基礎魔導学だし、戦闘訓練もあるときた。私が動けないと困るからねっ!」影の首をつき跳ねる。「お見事です、新人なのでどんなものかと思っていましたが」「それはどうもありがとう」目の前にいたのは6年だろう。気配なく現れたあたりイラスかトゥーアだ「6年イスラだね?うーん、魔力の感じからしてイーヴ!」「御名答、さすがグロス王の代わりにサウラを受け持つだけある」こちらに拍手を送る青年。「わぉ、そんなに私有名?」「僕としては領地をどうやって浮かしているのかなどの魔導学部分で興味がありまして」イーヴは最近魔導学に精通した学生を輩出すべく、多くの国から技術者を招いて自国学校を作るほどだ。帝国に出向くということは親が金持ちか、魔力量に見て取れる実力だ?「あぁ、文化交流とかありだね。ありがとう」「はて、どういたしまして?」ポカーンとした青年を置いてリリーは教師寮に戻って行った。
安全そうな60カ国を厳選し各王への手紙を送った。正確には地方領主達経由。異文化交流を通ず国際協力体制の構築を名目に国の中枢を担う者や学生、その保護者達を招くものだ。「いやー、そうじゃん。これで都市って各王が認めれば簡単に都市認定、移動都市第二号ってわけさ」早速フランダードーウに居住区増設の指示を、ショギィースには学校の生徒達への告知書を。ミュルシアには増産体制を。「あとは、祭りと聞けば彼らは喜ぶ。色々用意してくれるだろう」今受け持つ生徒達が優秀な成績を取る前提で、ニヶ月後から順次招いて盛大な祭りをする。「無計画過ぎるか?まぁもし誰もこなかったらグロスに土下座して学校の生徒招待だなー。ワープなら無料だし」簡易転送で書類を送り終えた、その後すぐだろう。強大な魔力が部屋に現れた。「ルームン、外出る時はこれつけとかないと」「ごめんじゃい、魔導具-無欲」ルームンを囲うように透明の結界が発生した。「ヴィドスが代わりに行けっていうからユウシャ様のところにきたんじゃい」魔力発生地が特定不可能なほどの強烈な魔力が一気に霧散して消えた。「危なかったー、それで要件とは」「ヴィドスがアクラムから魔石の鉱山一部を借りる事ができたんじゃい」「おー、ありがとありがと」「それから子供たちからの手紙じゃい」その他、領地関連の書類を受け取りルームンを帰らせた。ほぼ同タイミングだろう、魔導騎士たちが押し掛ける音が聞こえた。「まぁ鑑定しても分からないだろうし寝たフリと」横になり機能停止状態のまま朝を迎えた。
教室に入ると黒板に紙が貼られていた。「魔族介入?職員室でも話してたやつか」どうやら学園中で騒がれているようだった。「先生おはよーございます」「ミロおはよ」入ってくる生徒達に挨拶しつつ連絡事項を配り始めた。演習が迫り始めているのもあり薄らとだが緊張感が高まっていた。「えーみなさん、今年の演習はわけあって一週間先延ばしになりました」「それって魔族がなんとかってやつ?」「聞いたよ、なんか職員寮で魔王軍幹部相当の魔力が検知されたって」ザワザワと騒ぎ始まる。「まーそうだ。現れた瞬間に意識が消えるんじゃないかと、それほど強大な魔力が感知されたのにも関わらず証拠すらない」魔王軍の残党が何か事を企てるのでは?という不安意識から延期になった。グロスへは伝えたが末端や、実際に気絶した職員がいるのもあって警戒態勢は崩せないとのこと。「会ってみてぇ魔王軍とやら」「だな!俺なら倒せるかもしれない」「魔族ってうちの近所住んでたなー、陰険なやつだったぜ」この世代ともなるとまだ何も理解していないうちに魔王が倒されたからか、演習よりも緊張感がない。「ここだけの話、先生も実は魔王軍討伐に行ったことがあるんだ」「どうだった?」「そうだね、強いよ。魔力が桁違いで、残酷な話だが私の隣にいた同級生は瞬きの間に首をへし折られた。っとこんな暗い話はやめて授業始めるぞー」リリーがチョークを手に取り白い線を引き始めた。コツコツと文字を書いていく。数日で様になってきたと自身でも納得する。サボる奴や真面目な奴、教える楽しさは日を追うごとに増していく。「んじゃ古代文字のこれ読めるやつ!」「魔術の一説ですね?神に尽くした、ですか?」「正解!予習はしたようだなー。んじゃここの間にコレを入れると?」
授業が終わりまた練習に励むリリー。そこにまた6年イラスの生徒が現れた。「リリー先生、コレ落としましたよ」「ありがとー!そうだった領地の子供達から手紙預かってたんだよね」「僕も見ていいですか?」階段に腰掛けるリリーの横に少年が腰掛ける。「君は確か、あぁドゥリくんだね」「よくご存知で」「あの後調べたのさ」リリーが手紙を開いていく。「ふーん、魔導手紙ね」刻印を入れた手紙は開くと同時に小さな魔法が出る。子供達の練習用で作ったようだ「まずはリーマジュの手紙か」開くと中から小さな風魔法が出現した「おぉ、高精度だな」「すごいですね、リリー先生の所の子達は」「師が優秀なのさ」何枚も開けていく、手紙に込められた魔力が切れるまで利用可能である。暗殺術にも使われるため、この手の手紙は大抵検閲が入り処分されるが手渡しとあれば無意味である。
「おっこれが1番綺麗だな、はなまるっと」「もしかして先生業掛け持ちしているんですか?」ドゥリが疑問をぶつけてくる。「これは子供たちが頑張れるようにってね?勉学に勤しむ生徒にはハナマルを、それを持ってみせると領内で割引がきくんだ」「僕たちイラスみたいですね」「あー学食に寮費、それから申請物も無償だっけ?」そうですよと頷くドゥリ。「研究とかそっち系もタダでいけるの?!」「タダって、成果を残さなければ実費負担になりますよ」苦笑するドゥリ。リリーもそりゃそうかと落ち込む。「教員の方が研究費とか融通も効きますしいいんじゃないですか?」「私のは学園長様に止められてるのさ」
場所は変わりボロボロになった十字架が、信仰の途絶えを表す教会中。2人の人影があった。「ルノードが~シンデー、ポードがウシナッタ」教会の皆が象徴とも言える神の手に乗り不吉な歌を歌う少女、教会制服に聖杯を三つ留めている。制服は他もモノと異なり白ではなく派手な装飾が施されていた。
「降りろ、不敬だぞ」片眼を瞑り、何も入っていない左袖の揺れる男が現れた。聖杯は一つだ。
「一つのファンバールちゃんがなんのよーですかー」くるっと中で周り綺麗な着地を見せる少女。「元魔王軍、ヴィドスの行方を掴んだ。人間に化けて貴族の真似事をしている」「私には関係ないけど」ベーっと舌を見せてまた登ろうとする少女の襟首をつかむとファンバールはそのまま地面へ組み伏せた。「あ、やだ私まだ…」わざとらしく照れる少女の腕に関節技を決めたファンバール。「ちょ!腕がオラルー」「教会は無機質と無邪気に一任した。それから俺は一つではない」技を解き依頼書を渡すが、受け取った少女は軽く見ると燃やしてしまった。「ローソクの火は瞬く間に必要書類を燃やしちゃいましたー」「読んでから燃やせって書いてあっただろタコ女」怒りを抑えながらファンバールは言う。だが当の本人はヘラヘラと回転している。「だって全部覚えてるし」立ち止まり得体の知れない顔でファンバールを覗き込む。「っ、なら5枚目の二十二行目」「全て指揮権は私に」悔しそうな顔をするファンバールの肩に手を置く少女。「まっ大船に乗って沈んで~!その分しか読んでないからさ」
ワープで両地へ戻ったリリーは床へと倒れこんだ。「はぁー、おかえりエア」「随分と疲れてるねリリー、新しい金策とか言ってたけど」「きーてくれよ。普通の七倍報酬ってから受けたら騙されてさー」お茶を飲むリリーの話をエアは静かに聞いていた。
「普段からアクラムさんとかグロスさんを駒みたいに使ったツケだよ」「そんなぁ、それに成り行きとはいえ帝国って魔族多いから私バレたら終わるわーって事で」エアの肩に手を乗せるリリー。「精霊は貸せないよ、リリーは信仰の対象をヤスヤスと渡せといるの?」「ちぇーむだに厳しいな」「私も無理ですよ、魔族なので魔力でバレます」ヴィドスにも断られて膝から崩れ落ちるリリー。「魔導換装使うと私なんか調子崩すんだよなー」工房の最奥部、溶液内に入り込む。浮かぶ人形を避けて底の蓋を開ける。中には地下室が見える。「スライム溶液の利点は、上へ上がろうとする」下に落ちるように入ると謎の部屋が出てきた。「えっとロッドナンバー3かな。魔力は分離して」吊るされていた人形の胸に触れる「ふぅ、【魂は】…いやこれじゃ【根源たるは】んー、イメージが付かない。だが私としては、」何かを思いつき三体同時起動させたリリー。「えっと1番魔王の魔力が感じないのはロッドナンバー2だね?」「だね、私もそう思うよロッドナンバー1」「了解した、ロッドナンバー2!これより任務を遂行する」
「オリジナルは溶液に浸すか。ロッドナンバー2はこれより教師業務に、ロッドナンバー1は魔王魔力が高いため、領地に。私は他ギルドにて新しい申請を取り、別の金を稼ぐ」ロッドナンバー2は教師寮へと向かった。正確には教師寮が棲家として与えられる為、外に出るなと。
「ふぅ、安定しない。とりあえず明日の授業に向けた資料制作を…」魔力媒体素子を利用した魔力投影システムは支流だが、それを利用しては意味はないと紙に資料作っていく「だいたい現代っ子はやたら魔力素子魔力素子って。無駄に魔力使うのに演習でも使われては堪らない」魔力素子が一回あたりに利用する魔力量は紙一頁あたり魔術一発分消費する。一方で紙書類をマジックボックスに入れておけば出し入れ30回相当で一発分にも満たない。マジックボックスは最近鞄一つ分大までは普通になってきた「難しそうなら魔導具でマジックボックス作ってあるから配布すればいいし。死なない事は前提として、演習では色々なことを得てもらいたいから」ちょうど書き終えたタイミングで朝になっていた。「ふぅ、さて学園の方に向かうか」まだ早い事もあり教師陣すら来ていなかった。「懐かしいな、ここもあまり変わってない」昔使っていた教室や道具たちを見に行くロッドナンバー2。記憶はオリジナルから引き継がれ、戻る時にオリジナルへ統合される。そのため、懐かしさを感じれるのだ。
「これは三年の時に最優秀賞を得た魔導具の記録じゃないか」図書室には生徒の著書も多く保管されている。学的から私的まで多岐に渡る「私がいない間に増えた論文は11枚、まぁー魔導具専科で卒業なんて当時は難しかったからね」全員が魔力を持ち、何かしらの行使が可能なこの世界では日常生活にまで魔術や魔法が点在する。
その中でも生活基盤と言われる物はすべて魔導具である。しかし、求められる物以外に価値がない。そのため魔導具専科で卒業する場合は、オリジナル性と効率性と機能性の充実した魔導具を量産可能な条件で組み立てて、ナドスの最高技術認可院から認証印を受け取る必要がある。
「三年で作ったのに結局、八年まで何回も試行錯誤して持ち込んだっけか」リリーの魔導具論文は浮遊に関する回路。海上都市の制作プロジェクトにも重宝された、軍部機密と言われる最高技術認可院設院以来二度目となる封印書物とされている。図書室にあるのはあくまでも三年時の夢物語なほど莫大な魔力を6人体制で消費させる物のため、そのまま置かれている。
「人を魔石に、魔石をさらに増幅と反復ってすれば作れるけど。今時は回路自分で書かないもんな」しばらく進むとリリーの好きなシリーズ本がずらっと並んでいた。"帝国騎士に聞いた騎士道とは"や"仕事をしない無能貴族に聞いた、働かなくてもいいの?"などなど「私が帝国いない間に増えてる!なんだこれは、"元勇者パーティに聞いた!勇者はどんな人?また噂の通り時期魔王なの?"だと」人々が勇者を恐れ出した理由は魔族の暗躍により解明された。唯一信仰の教会が人に対する人への信仰を避ける為に流したデマと溢れる魔王の魔力による本能的な畏怖。
「ふむふむ、結構踏み込んでるな。記事書いたのはあの人しかいなそうだ」聞いたシリーズは累計発行数計算不能と言われるほど出回っている。陰謀じみた内容から本当に便利な生活様式まで多岐にわたる内容のおかげだろう。「しかし教会のせいだとするなら。魔王の最後に言ったセリフは…」呪いをかけた、これは紛れもない事実だ。だが現に起こる事情全ては別の要因で片付けれることばかり。「逆か、呪いのせいでそういった面倒ごとが迷い込む」
始業時間ギリギリで教室に入ったリリー。「点呼とります」人数確認を終えてさっそく演習の予習を始めるリリー。決まったカリキュラムと講師自らが得意科目等で教鞭を垂れる授業枠とあるため、リリーはその時間をふんだんに使いテキパキと授業をこなしていく。昔からやることはたいして変わらない。歴史や魔導学が大幅に変わった程度。そのため「先生、この魔石の名前はアーヲベーツですよ」と指摘の声が飛んだりした。魔導学は主に分岐が増えた、オリジナルから派生した物、それがさらに派生してと。物によっては第六代あたりまで記憶しなければならない。昔に比べると覚える量も増えて大変だろう。「先生の時はまだ2種類しかなかって、初心に帰って学び直すかー」歴史もそう。魔王が討伐されてから魔族間との柵が若干砕け、両者視点から見た正しい歴史解釈を覚えるよう言われたのだ。もちろん獣人教会絡みで獣人の歴史も入り込んだこともあり、自国かせいぜい周辺諸国までしか習わないはずが、そこに獣人と魔族が加わったことで教える内容はもちろん、これまで溜め込んだ知識の大半が人間優勢な内容の為、改めた視点へアップデートしなければならない。「教員が減るのも理解するわ」リリーは辞典を引きながら教えていく。「リリー先生ってすごい分一般的なところ抜けてるよね」「しっ、聞こえるぞ」たまにそんな声も上がる。仕方あるまい、長くアストルカムエルの中にいたのもあり最近には疎い。それに直近は特に空の上だったのもある。「まぁもう知ってる人はいると思いますが、先生は空中領を持ってるので基本そっちで生活しています。こっちの事情に疎いのはご了承を」最初は隠そうと思っていたが、金を稼ぐには知名度を上げてお金を払ってでも行きたい人を作るしかないのだ。獣人受け入れをした唯一の無国籍領土としても名を馳せているから、貴族としても支援しごたえがある。「えー!行ってみたいな」「父さんに頼もっかな」生徒達に何気なく開示して、貴族の子達は自然と親に繋がれるかもしれないルーツがあると教える。そうすると、社会貢献も兼ねて支援金を一杯得れるというわけだ。「そうだね、みんなが演習でいい結果を残せたら修学旅行がてら案内しよう」みんなの目が輝く。「いいの!いくらくらいするんですか?」「そうだね、往復だけで金貨3枚かな?移送手段にもよるけど、地面から一気に移動する荒手段なら銀貨でも行けるけど、安全に上がっていくなら魔力消費的にもそれくらい」「先生って領地に帰ってるんですか?それとも寮ですか?」「基本は寮かな。こっちにはシィゾグ商会があるから連絡とかすぐ取れるし特に帰る必要もないって感じ」生徒達の質問はやまない。「領主の仕事ってサボってていいんですか?」将来領主になるであろう生徒や、魔導具開発に携わりたい人、研究者などなど。「有能な部下を持てば上が無能でも回るのさ」「どんな原理で浮いているんですか?」「それは明日の範囲だからその時ね?」「獣人達と旧家で構成されてるって本にありましたけど本当ですか?」「もちろん。初めはエアという少年との約束から始まったからね」
なんだかんだで授業の大半を雑談で終わらせてしまったことに後悔を覚えつつ幕を閉じた。「本日はこれで終了。みんなにまとめた資料渡すから演習までに覚えてねー」紙をヒョイっと浮かせてみんなの机の前に並べていく。「これ一晩で作ったんですか?」「そうだよー、誤字とかあったら教えてね」
解散後、訓練場に1人でやってきたリリー。魔法で仮想敵を作り試合を始める。「はぁぁ!!」派閥争いは思ったより硬直しており、こちらに話を持ち掛ける先生は来ない。「ふん!」ちらほら上位の生徒達が訓練場で試合をしているのを遠目で見ながら自主練に励むのみだ。「研究費は理由無理やりつけてグロスから学園のお金貰ったし、あと数ヶ月でプラスに戻れる」グロスがドン引きするほどに駄々を捏ねたリリー。三人に分かれてまでお金が欲しいのか!と罵られ、紆余曲折あった結果、なんとか得たのである。「一ヶ月あたり銀貨計算で40枚、回路形に5枚と魔石に3枚。残りは貯金と。一年で金貨2枚計算かな?研究費って結構張るもんねー」魔術は結局使うのに制約が多い為、魔法に逃げる現代。教えるにも使うにも魔導具を開発出来る方がいい。生徒に教える教材分も含めて買っているから割安で購入できるという利点もある。「明日は基礎魔導学だし、戦闘訓練もあるときた。私が動けないと困るからねっ!」影の首をつき跳ねる。「お見事です、新人なのでどんなものかと思っていましたが」「それはどうもありがとう」目の前にいたのは6年だろう。気配なく現れたあたりイラスかトゥーアだ「6年イスラだね?うーん、魔力の感じからしてイーヴ!」「御名答、さすがグロス王の代わりにサウラを受け持つだけある」こちらに拍手を送る青年。「わぉ、そんなに私有名?」「僕としては領地をどうやって浮かしているのかなどの魔導学部分で興味がありまして」イーヴは最近魔導学に精通した学生を輩出すべく、多くの国から技術者を招いて自国学校を作るほどだ。帝国に出向くということは親が金持ちか、魔力量に見て取れる実力だ?「あぁ、文化交流とかありだね。ありがとう」「はて、どういたしまして?」ポカーンとした青年を置いてリリーは教師寮に戻って行った。
安全そうな60カ国を厳選し各王への手紙を送った。正確には地方領主達経由。異文化交流を通ず国際協力体制の構築を名目に国の中枢を担う者や学生、その保護者達を招くものだ。「いやー、そうじゃん。これで都市って各王が認めれば簡単に都市認定、移動都市第二号ってわけさ」早速フランダードーウに居住区増設の指示を、ショギィースには学校の生徒達への告知書を。ミュルシアには増産体制を。「あとは、祭りと聞けば彼らは喜ぶ。色々用意してくれるだろう」今受け持つ生徒達が優秀な成績を取る前提で、ニヶ月後から順次招いて盛大な祭りをする。「無計画過ぎるか?まぁもし誰もこなかったらグロスに土下座して学校の生徒招待だなー。ワープなら無料だし」簡易転送で書類を送り終えた、その後すぐだろう。強大な魔力が部屋に現れた。「ルームン、外出る時はこれつけとかないと」「ごめんじゃい、魔導具-無欲」ルームンを囲うように透明の結界が発生した。「ヴィドスが代わりに行けっていうからユウシャ様のところにきたんじゃい」魔力発生地が特定不可能なほどの強烈な魔力が一気に霧散して消えた。「危なかったー、それで要件とは」「ヴィドスがアクラムから魔石の鉱山一部を借りる事ができたんじゃい」「おー、ありがとありがと」「それから子供たちからの手紙じゃい」その他、領地関連の書類を受け取りルームンを帰らせた。ほぼ同タイミングだろう、魔導騎士たちが押し掛ける音が聞こえた。「まぁ鑑定しても分からないだろうし寝たフリと」横になり機能停止状態のまま朝を迎えた。
教室に入ると黒板に紙が貼られていた。「魔族介入?職員室でも話してたやつか」どうやら学園中で騒がれているようだった。「先生おはよーございます」「ミロおはよ」入ってくる生徒達に挨拶しつつ連絡事項を配り始めた。演習が迫り始めているのもあり薄らとだが緊張感が高まっていた。「えーみなさん、今年の演習はわけあって一週間先延ばしになりました」「それって魔族がなんとかってやつ?」「聞いたよ、なんか職員寮で魔王軍幹部相当の魔力が検知されたって」ザワザワと騒ぎ始まる。「まーそうだ。現れた瞬間に意識が消えるんじゃないかと、それほど強大な魔力が感知されたのにも関わらず証拠すらない」魔王軍の残党が何か事を企てるのでは?という不安意識から延期になった。グロスへは伝えたが末端や、実際に気絶した職員がいるのもあって警戒態勢は崩せないとのこと。「会ってみてぇ魔王軍とやら」「だな!俺なら倒せるかもしれない」「魔族ってうちの近所住んでたなー、陰険なやつだったぜ」この世代ともなるとまだ何も理解していないうちに魔王が倒されたからか、演習よりも緊張感がない。「ここだけの話、先生も実は魔王軍討伐に行ったことがあるんだ」「どうだった?」「そうだね、強いよ。魔力が桁違いで、残酷な話だが私の隣にいた同級生は瞬きの間に首をへし折られた。っとこんな暗い話はやめて授業始めるぞー」リリーがチョークを手に取り白い線を引き始めた。コツコツと文字を書いていく。数日で様になってきたと自身でも納得する。サボる奴や真面目な奴、教える楽しさは日を追うごとに増していく。「んじゃ古代文字のこれ読めるやつ!」「魔術の一説ですね?神に尽くした、ですか?」「正解!予習はしたようだなー。んじゃここの間にコレを入れると?」
授業が終わりまた練習に励むリリー。そこにまた6年イラスの生徒が現れた。「リリー先生、コレ落としましたよ」「ありがとー!そうだった領地の子供達から手紙預かってたんだよね」「僕も見ていいですか?」階段に腰掛けるリリーの横に少年が腰掛ける。「君は確か、あぁドゥリくんだね」「よくご存知で」「あの後調べたのさ」リリーが手紙を開いていく。「ふーん、魔導手紙ね」刻印を入れた手紙は開くと同時に小さな魔法が出る。子供達の練習用で作ったようだ「まずはリーマジュの手紙か」開くと中から小さな風魔法が出現した「おぉ、高精度だな」「すごいですね、リリー先生の所の子達は」「師が優秀なのさ」何枚も開けていく、手紙に込められた魔力が切れるまで利用可能である。暗殺術にも使われるため、この手の手紙は大抵検閲が入り処分されるが手渡しとあれば無意味である。
「おっこれが1番綺麗だな、はなまるっと」「もしかして先生業掛け持ちしているんですか?」ドゥリが疑問をぶつけてくる。「これは子供たちが頑張れるようにってね?勉学に勤しむ生徒にはハナマルを、それを持ってみせると領内で割引がきくんだ」「僕たちイラスみたいですね」「あー学食に寮費、それから申請物も無償だっけ?」そうですよと頷くドゥリ。「研究とかそっち系もタダでいけるの?!」「タダって、成果を残さなければ実費負担になりますよ」苦笑するドゥリ。リリーもそりゃそうかと落ち込む。「教員の方が研究費とか融通も効きますしいいんじゃないですか?」「私のは学園長様に止められてるのさ」
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