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キスをしないで
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「顔を上げろ」
ネオ様に命令されても僕は顔を上げることができなかった。目を合わすことがとにかく申し訳なくて、足のケガよりもお腹の方が痛くなってくる。キリキリと締め付けるような痛みにうずくまろうとすれば、ネオ様が僕のあごを持ち上げた。
「んっ……」
僕が口を噤んでいれば、ネオ様は無理やり舌をねじ込もうとしてくる。フッと漏れた吐息で薄く唇を開ければ、容赦なくネオ様の舌が入り込んできた。
「んっ、あっ、んぁ……」
ネオ様の舌が僕の舌と絡まりあい、離れたと思えば歯列を舐めていく。ネオ様の唇が僕の口に食らいつく度に、頭がじんと痺れた。
僕は食らいつくネオ様に抱きつこうと怖くて震えていた手を伸ばす。拒絶されるか不安になったが、ネオ様の背中に触れても何も起こらなかった。拒絶されなかったことに安心を覚え、僕は手に力を込める。指の先はプルプルと震えていたのかもしれない。手の感覚がなくなるほど、僕は今まで以上に緊張をしていた。
なぜ、今さらこんなにも緊張するのだろうと思えば、それは発情していないからかもしれない。お酒を飲まないとシラフじゃ喋れないように、僕は発情していないとネオ様に触れることすらできない男だ。
コンコンコンッ……。
部屋の扉がノックされた。僕は慌てて抱きしめることをやめようとすれば、ネオ様はなかなか離してくれない。ネオ様なら僕が聞き取れるほどのノック音を見逃すはずがないのに、気づいていないのだろうか。
「ん、ね、おさまっ……」
僕は蹂躙されつつ、ネオ様に合図を送ろうとする。だけど、ネオ様は気づかないみたいで抱きしめるどころかキスさえもやめてくれない。僕はだんだんパニックになってくる。このまま扉が開いてしまえば、僕は入ってきた人と間違いなく目が合う位置で生きた心地がしなかった。
ガチャリ、とドアノブが回転し扉が開かれる。
ネオ様に命令されても僕は顔を上げることができなかった。目を合わすことがとにかく申し訳なくて、足のケガよりもお腹の方が痛くなってくる。キリキリと締め付けるような痛みにうずくまろうとすれば、ネオ様が僕のあごを持ち上げた。
「んっ……」
僕が口を噤んでいれば、ネオ様は無理やり舌をねじ込もうとしてくる。フッと漏れた吐息で薄く唇を開ければ、容赦なくネオ様の舌が入り込んできた。
「んっ、あっ、んぁ……」
ネオ様の舌が僕の舌と絡まりあい、離れたと思えば歯列を舐めていく。ネオ様の唇が僕の口に食らいつく度に、頭がじんと痺れた。
僕は食らいつくネオ様に抱きつこうと怖くて震えていた手を伸ばす。拒絶されるか不安になったが、ネオ様の背中に触れても何も起こらなかった。拒絶されなかったことに安心を覚え、僕は手に力を込める。指の先はプルプルと震えていたのかもしれない。手の感覚がなくなるほど、僕は今まで以上に緊張をしていた。
なぜ、今さらこんなにも緊張するのだろうと思えば、それは発情していないからかもしれない。お酒を飲まないとシラフじゃ喋れないように、僕は発情していないとネオ様に触れることすらできない男だ。
コンコンコンッ……。
部屋の扉がノックされた。僕は慌てて抱きしめることをやめようとすれば、ネオ様はなかなか離してくれない。ネオ様なら僕が聞き取れるほどのノック音を見逃すはずがないのに、気づいていないのだろうか。
「ん、ね、おさまっ……」
僕は蹂躙されつつ、ネオ様に合図を送ろうとする。だけど、ネオ様は気づかないみたいで抱きしめるどころかキスさえもやめてくれない。僕はだんだんパニックになってくる。このまま扉が開いてしまえば、僕は入ってきた人と間違いなく目が合う位置で生きた心地がしなかった。
ガチャリ、とドアノブが回転し扉が開かれる。
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