異世界転生したらΩでした!

弓葉

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見える敵、見えない敵

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「見つけた」

 キョウイじゃない声がした。でもどこかで聞いたことがある声。

 振り返ると、明らかに怪しい人物が立っていた。黒いフードマントを着た男。見た感じヒール悪役に見えた。

「こっちはあんたのこと知らないんだけど」

 近くにキョウイはいない。怪しい男から目を離さないようにしながら後ずさった。

「一緒に来てもらおうか」

 怪しい男は僕に手のひらを向ける。

「嫌だね、お前のペットじゃないし」

 僕は前屈みになって、腰を落とした。産まれて一度もケンカなんかしたことはない。それでも、身体の中にあるドス黒い感情を発散したくて拳を握った。

「ケンカなんかしたことないだろ。無駄な抵抗はやめろ」

 僕のことを知っているような言い方に引っかかった。いやでも、カマをかけているのかもしれない。

「ケンカぐらいしたことあるわ」

 学生時代に。

 また、あいつが頭の中に現れる。今朝、変な夢を見たからだ。
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