ファントム オブ ラース【小説版】

Life up+α

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第二部【12章】幸福への拒絶反応

47.拘留

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ケットと情報共有を始めてからまもなく、彼女の能力が非常に優秀だと気が付く。
「こりゃまあ、随分とメルヘンだな」
ケットの牢の前で俺は思わず感嘆する。俺の目の前に伸びた根の先についた花の蕾が開くと、中から小さなケットの上半身が現れる。童話で見かける妖精のようにも見えなくはない。彼女は根の先に小さな自分の分身を作ることが可能になっていた。
一階エリアに限られるが、もう彼女が得られる情報は振動だけに限らない。聴覚と視覚での情報が得られるようになっていた。多くの情報を一気に脳で処理するのは苦手らしく、分身を作っている間は本体の感覚はあえてなくしているという。そうなると、彼女の意識があるのは実質的に一か所となるが、根が張れる場所でなら盗み聞きや盗み見がいくらでも可能なのは心強かった。
「ハルミンツ、探してる。8階、西」
「どこ情報だ、それ」
ケットは声帯の関係で端的にしか口に出さないが、例の機械のことを指している可能性が高い。俺の目的は巻き戻しを防ぐことだと伝えてある。
地中は人間の監視下にない。地中を動き回れるケットは時間はかかれど、俺やヌッラでは手に入らない情報を仕入れてくる。
「人間、話してた。聞いた」
「ふーん…え、マジかよ」
人間が話していたということなら、それは想像以上に信ぴょう性が高い話だ。実験棟の8階、西。方角が分かっただけでもかなり絞れる。
「ハル、最近はケットとよく話してるよね。俺も混ざってもいいかな?」
デッキブラシで掃除をしていたエドヴィンが床のバケツを回収すると、俺とケットの傍に寄ってくる。こういうタイミングで話題に入って来られると、ややこしくなるから止めてもらいたい。
「うるせーな、仕事してろ」
「もう終わらせたよ。俺も休憩時間は欲しいしさ」
顔面の蛾を羽ばたかせながら、エドヴィンがニコニコと笑う。どうしたものかと考えていると、突然俺とエドヴィンの端末が同時にメッセージを着信する。
一斉に送信されたものだろうか。25年以上もエドヴィンと仕事をしてきたが、同時に何かを着信することなどそうはない。エドヴィンと顔を見合わせてから、互いにメッセージを確認する。
「看守番号006番ハルミンツ。メッセージを確認次第、看守番号001番エドヴィンと合流し、実験棟まで参上せよ」
書かれたメッセージに俺は顔をしかめる。ホログラムを閉じてエドヴィンを見ると、どうやら同じことが書かれていたのか、彼も俺を見て肩を竦めた。
「珍しいこともあるものだね。二人揃って呼び出しだ」
絶対にロクな呼び出しじゃねえ。俺はこの施設で人間に呼び出されて良かった記憶は一度もない。独房直行か拷問、挙句の果てには殺されかけてサンプルをとられると来ている。このタイミングの連絡となれば、嫌な予感に拍車がかかるだけだ。
「最近のハルはすごく成績がいいし、俺も頑張ってたから、少しは上にも認めて貰えたのかな」
エドヴィンはクスクスと笑いながら、待機所の出口へと向かう。恐らく、もう呼び出しに応じる気だ。エドヴィンは俺と違って素行がいい。呼び出しイコール悪いことが起きるイメージではないのかもしれない。
「どうしたの、ハル。早く行こう」
動こうとしない俺を見て、エドヴィンが笑みを浮かべたまま不思議そうに首を傾げた。
これだけのリセットを重ねて、時間も4周目に関しては時間も経過している。本当に呼び出しに応じて平気だろうか。
しかし、応じないにしても、どうやってエドヴィンを止める気だ?きっと俺が今まで起きたことを素直に話したって、通じる相手ではない。むしろ、エドヴィンに限らず通じたことなどない。みんな夢物語が何かだと笑うだけだ。
「…いや、行くか」
俺は渋々とエドヴィンに従う。楽観視できる状態ではないだろうが、エドヴィンが一緒であることが少しだけ救いだ。
認めたくはないが、エドヴィンの射撃の腕は確かだ。それに加えて神経毒も出せるし、化け物に変容できるのであれば鉱物を錆びさせる鱗粉も放てる。戦力として考えれば、コイツほど使える奴はいなかった。
実験棟に繋がる独房エリアへと向かう。独房エリアのカードキーに俺の看守カードがまだ有効なのかは分からないが、先頭を歩いていたエドヴィンが開いたのですんなりと中へと入れた。
「二人で一緒に何の話をされるんだろうね?新しい仕事でも任せてもらえるのかな?」
「お前はいいだろうけど、俺は仕事なんか増やされたくねえぞ」
軽い足取りで先に進むエドヴィンに続くと、背後のドアが自動で締まる。独房が続く通路は元々人通りもなければ、独房に入れられる怪物も多くはない。シンと静まり返る空間の中、俺とエドヴィンの足音だけがカツカツと響いた。
「…今は独房、誰もいないんだな」
俺がよく入れられているせいか、なんとなく独房には一人二人くらいいつもいるものだと思っていたが、覗くことができる窓から人影はひとつも確認できない。前を歩くエドヴィンは俺の言葉に小さく笑った。
「誰も罰を受ける必要がないなら、それが一番さ。平和で何よりだね」
ようやく実験棟の入口までたどり着くと、エドヴィンが自分の看守カードを備え付けの端末に読み込ませた。
ビビーッと耳障りな音が響く。エラー音だ。俺とエドヴィンは思わず顔を見合わせる。
「あれ、開かないな…呼び出された時は一時的に登録されるものだと思っていたんだけど」
「貸してみろ」
エドヴィンを押しのけ、俺も自分の看守カードを読み込ませるが同じエラー音が鳴るだけで扉が開く様子はない。イライラと端末を蹴り飛ばしている俺の隣で、エドヴィンはホログラムで上層にメッセージを入れていた。
「開かないなら仕方ない。何か手違いがあったのかもね。今、メッセージを入れたから、そのうち返事が帰ってくるよ」
「こんな場所に長居するつもりはねえ」
舌打ちで返事を返し、俺は来た道を戻る。人間の呼び出しで、突然のエラーなど警戒しないわけがない。こんな誰もいない場所より、ロビーの方が何かと利便性が高いだろう。待機するにしても、ここは嫌だった。
「ハルはせっかちさんだなあ」
足早に通路を抜けていくと、ゆっくりとエドヴィンが追いかけてくる。一足先に反対側のロビーに続く扉にたどり着くと、俺はその端末に自分の看守カードを読み込ませる。
ビビーッと先程と同じエラー音に俺は自分の看守カードに目を落す。今回のカードには何の不正もしていない、正真正銘の俺のカードだ。
ヨルツの卒業時に俺のカードは独房から使えなくなっていたが、そのまま引き継がれてしまったのか?背後を振り返ると、エドヴィンが目を丸くして自分の看守カードを読み込ませた。
4度目のエラー音。ついさっきまで使えたはずのエドヴィンの看守カードが使えない。その事態に気付き、背中に嫌な汗が噴き出す。
不意に自分の鼻が異臭をとらえた。エドヴィンの背中越しに見える通路の奥は薄緑色に濁り、景色が霞んで見える。
「おい、これ、おかしくねえか」
自分のケープマントの裾で鼻と口を覆う。どうやらエドヴィンも異変に気付いたようで、彼は周囲を見回して考え込むように視線を床に落した。
「これ…俺の鎮静剤に良く似た匂いだ。ハル、大丈夫?痺れとか」
「それよりメッセージの返信はどうなってんだ!人間どもは何をしてる!」
「既読が付かない。さすがに様子がおかしい」
胸ポケットから取り出したハンカチを口元に当てながら、エドヴィンがホログラムを操作する。しかし、横から見る限りどんどんとアクセス権限を剥奪されていっているようで、追加のメッセージを送ろうとしたエドヴィンのメッセージアプリが強制的に終了される。通話を試みるにも、ここは通話用の電波は圏外だ。どのアプリもエラーを吐くのを見て、俺は力任せにドアを拳で叩く。
「ふざけんな!何のつもりだ!開けろ!」
拳で叩こうが、肩で体当たりしようが、扉はびくともしない。これはもう目立たないとか言っている場合ではない。今すぐにでも身体を変容させて施設をぶっ壊さないと死ぬ。
動揺する心を押さえるように、布を口に当てたまま大きく深呼吸する。目を閉じて、暴れ回る時のことを考える。
隣でエドヴィンが拳銃を取り出し、ドアを射撃する。銃弾は壁にめり込むも、所詮はそれまでだ。硝煙と昇らせる分厚い壁を目の前にして、珍しくエドヴィンは焦ったように視線を泳がせた。
「ハル、このままじゃまずいよ。何か脱出する方法を…」
「うるせーな!分かってる!」
戻れ、化け物の姿に戻れ。理性も吹っ飛ばすくらいの衝動があるはずだ。ここを壊して外に二回も出ただろ。
そう思っても、身体の中で起きるはずの変化が一向に起きる気配がない。目を開いて自分の両手を確認しても、そこにあるのは紺色の肌をしただけの、人間の手の平だ。
「ハル、これは俺が作った自分の神経毒に対する解毒剤だ。俺が出す成分と同じ毒が相手であれば、これで凌げる」
そう言って、隣にいたエドヴィンが銀色の筒状の機械を俺に差し出す。
それは、2周目でエドヴィンが命がけで守った、キティのための解毒剤だ。当時のことを目の前で再現されるようで、俺の頭が思考を停止する。
「ただ、この香りは多分…俺の毒とは違う。改良した物かもしれない。俺も無事で済むかはわかない」
注射器を受け取ろうとしない俺の手を取って、エドヴィンは解毒剤の入った注射器を俺に半ば強制的に握らせた。
「…自分の分も残してあるんだろうな?」
「もちろんだよ。予備に最低三本、必ず持ち歩くようにしているからね」
先程は少しばかり焦った表情を見せていたエドヴィンは、そう言うと口元だけで微笑んだ。
危機感がないわけではないんだろう。コイツは死に際まで笑っている奴だ。逆に言えば、もう覚悟が済んでしまったのかもしれない。
「くそ!」
抗体を持っているはずの今の身体でも、徐々に手足の先が痺れていくのがわかる。俺は自分のホログラムを操作し、ずっと封じていたハッキングに手を出す。俺が死んでしまっては、誰もリセットは出来ない。俺が死ぬわけにはいかなかった。
上層部へのアクセスは、エラーを吐き出しながらの荒業であれば可能だ。人間に探知されるのは間違いないが、ここから脱出するには俺とエドヴィンの看守カードが機能するように改変するしかない。
「…ハルはすごいね。俺はこういう時に何をしたらいいか分からないよ」
「解毒剤を撒いたりできねえのか」
「あれは毒を元に俺が後で作っているものだから、身体から直接は出ないんだよ」
エドヴィンはそう言うと、背中を折り曲げる。モコモコとその背中がうごめき、服とケープコートを突き破って透明な触手が姿を現した。
「代わりに物理的に俺の身体の面積を増やすことで、俺が多めに吸収することは出来るよ。ハルより免疫力はあるだろうし、空気清浄機でもやろうかな」
透明な四本の触手を空気中に伸ばして、エドヴィンが笑った。確かに俺よりは免疫力はありそうだが、もしこの毒が改良されたものならば自殺行為だ。すでに俺の手には震えが出ていて、上手く動かなくなりつつあるのに。
俺はエドヴィンに譲られた解毒剤を身体に打ち込む。エドヴィンはハッキング技術など持っていない。俺がやらなくてはどの道、二人とも死ぬだけだ。
多少は動きが良くなった身体で上層部へとアクセスする。すぐに人間が気付いたのか、後を追うように俺が出したエラーを修復していくが、人間よりも早くカード情報をいじれば万事解決だ。
時間との勝負なのに、毒がすぐに身体を侵していく。一分も経たずに再び震える俺の手を見て、エドヴィンが持っていた予備の解毒剤を俺の首に当てて打ち込んだ。
「三本しかないんだろ。最後は自分に使え」
「俺はまだ大丈夫だよ。そういう細かい作業もしないしね」
いつもの涼しい顔でエドヴィンが四つの瞳で俺の作業を見守る。
毒ガスはどうやら本当に強力なようで、視界が緑の霧に覆われる頃になると解毒剤の効果も薄れてくる。俺の身体を庇うように広がっていたエドヴィンの触手が徐々に力をなくし、一本、また一本と地面へと落ちて行く。
「くっそ!」
上層部へのアクセスは済み、あとはカード情報を書き換えるだけだ。解析するコードを打つものの、指が上手く動かずに誤字でエラーを吐き続ける。悪態を付く俺にエドヴィンが三本目の解毒剤を再び俺の首に打ち込み、すぐ傍の壁に寄りかかったまま床へと座り込んだ。
「…お前、今の三本目だったろ」
誤字を探して直しながら俺が言うと、エドヴィンは困ったように笑った。
「こんなに身体の自由って効かなくなるんだね…貴重な経験だよ」
全く持って笑いごとなどではない。俺は舌打ちをしながら指を止めずに情報を書き換える。無理矢理書き換えたデータで上書き保存を行うと、少しの読み込みの後にサクセスの文字が表示される。
俺は急いで端末に自分のカードを読み込ませると、ようやく扉が開いた。
「エド!しっかりしろ!」
ぐったりと身体を横たえるエドヴィンの身体を肩で持ち上げ、外へと引きずる。充満していた緑のガスがロビーへと吐き出されるが、引き換えに廊下内の視界が若干だが晴れた。
身体が少しずつ自由が効かなくなっていく。それでも、せめてロビーまで逃げ込めば誰かが助けてくれる可能性だってある。そうだ、ヌッラを呼ぼう。アイツなら手を貸してくれる。
エドヴィンの身体を引きずりながら、ようやくロビーへと出ると、俺は再びホログラムを操作する。コールする相手にヌッラを選択していると、徐々に足から力が抜け、膝から床へと倒れ込む。
眩暈が酷い。ロビーまでガスが追いかけてくる。身体にまとわりつく緑の霧が俺の意識を遠くへと持って行こうとする。
力を振り絞り、震える指でコールボタンを押す。数回コール音が鳴り、ヌッラが応答した。
「お?ミンツ、どした?またサボりか?」
こんな状況を分かっているわけもないヌッラがケロケロとした蛙のように笑う。返答を返そうとしていると、不意にアプリが強制終了される。エドヴィンと同じだ、権限を剥奪されたのだろう。
「なんだよ、この緑のガス…」
「おい、人間が来たぞ。何事だ?」
ロビー内にいた看守たちが俺たちの様子にざわめいている。話を聞くに、人間もすぐそこまで来ているのだろう。
ダメだ、逃げなくては全てが終わる。力が入らない身体に鞭打ち、無理矢理上体を起こす。
エドヴィンを見捨てる選択肢はない。借りばっか作ってたまるか。何とか起き上がり、エドヴィンの身体を再び担いで引きずった。
「おい…生きてんだろうな…」
呼びかけるも、エドヴィンは目を閉じたまま動かない。それでも浅く呼吸で動く口元が、まだ生きていることを証明している。
一歩歩いては崩れそうなくらい身体が重い。一歩一歩と床を踏みしめるように下を向いて歩いていると、視界の中に誰かの足が入り込んだ。
「実にタフな個体だな、006番ハルミンツ。仲間思いなのは評価できるが、規約違反は見逃せない」
視線を上げると、目の前に看守長が立っていた。周囲には護衛用のロボット3体と、他の人間が二人。彼らは俺たちを取り囲み、銃を構えた。
「不正アクセスの嫌疑が掛かっている。同行を命ずる」
「…誰のせいで…」
俺は吐き捨てるように笑う。あそこで不正アクセスを働かなかったら助けていたとでも?そんなことがあるわけがない。ロビーで他の怪物が見ている手前、それらしい理由をつけているのだろうが、とんだ三文芝居。下品にもほどがある。
「お断りだね。そこをどけ」
「本当に言うことを聞かないな」
俺の返答に看守長は深いため息を吐いた。
「化け物になる前に痛めつけろ。殺すな」
彼の命令と同時に向けられていた銃が一斉に俺の身体を撃ちぬく。両足と肩や腕を重点的に連射するそれを避けられるわけもなく、身体の肉が飛び散り、片足が吹き飛ぶ。
酷い痛みに思わず低いうめき声が出る。周囲で見ていた怪物たちは悲鳴を上げて逃げおおせ、背負っていたエドヴィンと共に俺は床に倒れ込む。
「再生させるな!」
倒れ込んだ俺に人間たちが駆け寄り、注射器で何かの薬品を打ち込んだ。血管を通っていく冷たい感触と共に身体が激しく震え、心臓が跳ね上がった。
脈が飛ぶほどの激しい鼓動で酸素が上手く回らず、呼吸が浅くなる。吸い込んでも吸い込んでも酸素が足りない。苦しさと痛みで俺はその場で胸を掴んでのたうち回った。
身体中が痙攣し、瞬きすら自由にできない。そんな俺を見下ろして、看守長は実験棟の方を指さした。
「二人とも連れて行け」
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