恥ずかしすぎて異能に目覚める? 人類存亡をめぐる おもらしの連鎖

たちばなさとし

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10話 シャウラ、現る

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 志乃しのから新たな任務を言い渡された友美ともみあきら

 ターゲットは漆原うるしばらレナ。高校二年生。フランス人と日本人のハーフで二人姉妹の姉。はっきりとした目鼻立ちに黒髪、黒い瞳、長身でスタイルよし。明るく積極的な性格で周囲からの人気が高いが、彼氏はいない。ここ最近、スマートフォンで性行為セックスに関する検索を頻繁にしており、わずかではあるが覚醒の兆候が見られる。

 レナを狙うため、友美は明と一緒に武蔵小杉むさしこすぎ駅のバス乗り場近くで待ち伏せをしていた。武蔵小杉駅はここ数年、急速にマンションが立ち並び利用者が急増している。友美の『液体転送えきたいてんそう』は大勢の人が行きかう中で特定の人物に狙いをつけるのが難しいため、帰宅する彼女を待ち伏せし、一緒にバスへ乗り込む計画を立てたのだ。

 そういうわけで、二人は夕方にうろうろしていても不審に思われないよう、学生服姿で任務にあたっていた。

「明くん、学生服がすごく似合ってる!」
 友美はブレザー姿の明をまじまじと観察し、はしゃぎながら彼の背中を叩いた。

「ついこの間まで学生でしたからね。何もなければ僕もまだ学校に行ってたのかな」
 明は不意につらい出来事を思い出し遠い目をしていた。彼は淫力いんりょくが覚醒するほどの羞恥を受け、通っていた高校を中退していたのだ。

「あれ?なんかごめん。嫌な事とか思い出しちゃった?別に深い意味とかはなくて、学生服が似合うなーって単純に思っただけなのよ?」
 友美は明が意外な反応を見せた事に戸惑い、慌ててフォローを入れた。

「あっ、そうじゃくて……ごめん暗い顔してたかな。実は学生の頃、人の顔色ばかり気にしてた時期があって、そのせいで虐められたりもして。結局、最後は学校を辞める事になったけど、自分にも使命があったんだって思えるようになってきて、今はもう気にしてないんだ。それで、えっと……学生服を着てたら当時の事を思い出したっていうか、そんなところ……かな。うん……」
 人の機微きびを敏感に察知できる明は自分が友美に気をつかわせてしまった事をひしひしと感じていた。自分の気持ちを相手に伝えるのは得意ではなかったが、明なりに過去にあった困難は克服して、友美と打ち解けたいという気持ちを精一杯、表現したのだった。

「明くんが頑張ってる事、ちゃんと伝わったよ。一緒に世界を救おうね!」
 友美は明の手をぎゅっと握りしめ、満面の笑みを見せた。

「はい、先輩」
 明は友美の笑顔とぬくもりに魅了され、数分前によぎった過去の辛い記憶など、すっかり吹き飛んでしまった。

 二人が少しおかしなテンションになっていた頃、ターゲットのレナがバス停にやってきた。レナは手を握り合っている二人を一瞥いちべつし、脇を通り抜けるとバス乗り場の列に並んだ。

 レナに気付いた友美は明に目配せをする。二人は彼女から少し後ろの方に並んで動向を見守った。程なくしてバスが到着し彼女が乗り込むと、友美、明も後に続いて乗り込んでいった。

 今回の作戦は彼女が降りるバス停の一つ前から開始する。まず、友美の『液体転送えきたいてんそう』で浣腸液を少量転送し我慢をいる。バス停間はバスを降りられないので、必死に我慢するしかない状況に陥るはずだ。乗車中にもらしてしまうと騒ぎが大きくなるので、明の『生体察知せいたいさっち』を併用し、車内でもらさないギリギリの状況をコントロールする。そして、バスを降りる直前に大量の浣腸液を送り込んで大失禁させるという流れだ。

 友美と明はレナが座った座席から二つ後ろの席に座り、作戦実行の時を待つ事にした。

「まもなく発車します」
 アナウンスの後にバスが動き出した。友美はポケットの中にある小瓶に手を伸ばし、何度も感触を確かめていた。

 明はスマートフォンに表示したバスの路線図を繰り返し見ている。大勢の人がいる中での作戦は今回がはじめてだ。

 時が迫るにつれ、二人の緊張は否応いやおうなしに高まっていった。

 一つ、二つとバス停を通過し、バスは順調に目的地へ近づいて行った。三つ目のバス停に停車しようとしていた時の事だ。友美は後ろの座席の女性から左肩に手をかけられた。振り向くと金髪で色白の女性が友美を見つめている。相手は友美の事を知っているのだろうか。しかし、友美には全く心当たりがない。

「えーと。どちら様ですか?」
 友美は彼女に尋ねた。

 ―――淫力発動『水流活性アクティブウォーター』―――

「わたしはシャウラ。ブラダーレリックのシャウラよ。あなた達、レナの事、狙っているでしょう?ほら、隣の彼も」
 シャウラと名乗る女性ははっきりとした物言いでそう告げると、他人のふりをしていた明の右肩にも手をかけて振り向くように促したのだ。

「レナの事はあきらめなさい。で、あなた達はすぐにバスを降りたほうがいいわ」
 シャウラは友美と明に顔を近づけ二人の耳元で忠告すると、すぐさま席を立ち、ちょうど停車したバス停で降りて行ってしまった。

 突然の出来事にあっけにとられた二人は、バスを降りていく彼女をただ見ている事しかできなかった。再びバスが走りだし、二人は顔を見合わせた。

「ブラダー?何?シャウラ?あきらめろって……?」
 明は動揺していた。見ず知らずの人にレナを狙っている事がバレている。そして、あきらめろと言われた。明の知る人物ではなかったし友美の知人でもなさそうだ。全く分からない……

「ブラダーレリックのシャウラって名乗ってたよ。わたし達の事、知って……いるみたいだった……ね」

(あれ?なんだろうこれ。急におしっこが……)
 友美は話している途中で急に尿意を感じ、太ももをきゅっと閉じた。

「ブラダーレリック……ってなん……うっ!」

(……おしっこが……)
 明も突然の尿意に襲われていた。いきなり出てしまいそうになったおしっこを股間を握ることで何とか抑え込んだのだ。

「明くん、わたし……急にお手洗いに行きたくなって……」
 友美はすでに作戦の事など考えられなくなるくらい、ひっ迫した状況に陥っていた。

「先輩、これは何か変です。作戦は中止して、……く、う、次のバス停で降りたほうがいいかも」
 明は『生体察知』で友美の状況を確認しようとしたのだが、すでに集中できる状態ではなく、異能は発動できなかった。

 次のバス停までおよそ三分。突然襲ってきた激しい尿意を車内で我慢する二人にとって、短い時間ではなかった。スピードを上げて走るバスの振動が、二人の膀胱を刺激する。

(あ……!やっ、やっ!だめっ!)
 額に汗をかき、声を押し殺して我慢していた友美だったが、早くも限界が訪れた。

 ジュゥゥゥーーー

 友美のおしっこが制服のスカートをぬらし、座席のシートに大きなシミを広げていく―――
 途端に匂いが立ち込め、辺りがざわつき始めた。しかし、友美はおしっこをもらしながらも、取り繕う事をしていなかった。友美はただ、尿道口でぐちからおしっこが流れ出る快感に身をゆだねていたのだ。おしっこが床にしたたり落ちる様子をぼんやりと眺めている。友美がすべてを出し切った時、バスは駅から四つ目のバス停に停車した。

「先輩!降りましょう!」
 明は友美の腕を引いて強引に立たせ、バスを降りるため出口に急いだ。明もすでに放尿が始まっており、ズボンの股間から足元へとシミが広がり始めていた。気をしっかり持っていないとひざが砕けてしまいそうだったが、明は友美を連れて何とかバスを降りる事ができた。

 ジョォォーーー

 バスを降りられた安心感からか明のおしっこは勢いを増し、激しく音をたてて足元をぬらす。二人はおぼつかない足取りのまま、できるだけ人目の少ない場所へと移動し志乃に連絡を入れた。

「志乃さん、すみません。任務失敗です。その……バスの中で……あぁ、また……」
 スマートフォンで志乃と話していた友美は再び尿意を催してきた。我慢しようとしたが、ひざに力が入らず、その場にペタンと座り込んでしまう。

 ジョロッ、シュォォーーー

「友美?どうしたの?」
 スマートフォンから志乃の声がする。しかし、友美は放心した様子でスマートフォンを落とすと、そのまま放尿を続けるのだった。

「とりあえず、迎えを」
 明は友美が落としたスマートフォンを拾い、迎えを要請した。
 明もまた襲ってくる尿意の波に抗えず、その場を動くことができなくなってしまった。
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