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永久なる刻
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ボクの毎朝はキミが靴を鳴らす音から始まった。リボンを足首まで結び、慣らすように床を踏むと、床がキシキシと音を奏でる。蓄音機に手をかけると、細いその指でゼンマイを回す。今日も流れるのはクラシックだ。蓄音機のホーンは、キミが身に纏うチュールスカートのようだ。
「これはチュチュっていうのよ。」
と、そのチュチュなるものの裾を掴んでニッコリと微笑みながら教えてくれたっけ。
ボクはキミのワルツを横目に、珈琲を嗜む。この時間が一日の中で何よりも好きだったりするのだ。
軽快な三拍子が上に向かって吹き抜けて、それはどこまでも続いてくようだった。毎日重ねていくこの音が、ボクらの想い出として日々増えていく。
今日もキミにいつものようにおはようと声をかける。だだっ広いこの部屋を静かに吹き抜けていく風が、カーテンを揺らす。それはキミのワルツに揺れるチュールスカートを思い出させた。
珈琲を口に含みながら、蓄音機に手をかける。ゼンマイをまわし、流れるのはあの日と同じクラシック。
"ジョングブルームン病"
キミが患った病気は、世界のどこを探しても治す方法は見つからないそうだ。
ジョングブルームンとは若い花の意。この病に侵されたものは、歳を取らない。取れないのだ。植物状態のまま、老いることも若やぐことも許されない。あの日から、時計の針はボクだけを追いかけ、キミとの時間を刻々と埋まらないものにしていった。
今日もキミが眠るその横にはあの日と同じ、チュールスカートとボクの朝を彩っていた靴が置いてある。5年という長くも短い月日が経った今でも、キミは急に眠りから覚め踊り出しそうな、そんな気がしてならない。
どうやらキミの美貌も、ボクの想い出もまた、歳を重ねることはいつまでも許されないようだ。
美しく、残酷に、今日もワルツを思い出す。
「これはチュチュっていうのよ。」
と、そのチュチュなるものの裾を掴んでニッコリと微笑みながら教えてくれたっけ。
ボクはキミのワルツを横目に、珈琲を嗜む。この時間が一日の中で何よりも好きだったりするのだ。
軽快な三拍子が上に向かって吹き抜けて、それはどこまでも続いてくようだった。毎日重ねていくこの音が、ボクらの想い出として日々増えていく。
今日もキミにいつものようにおはようと声をかける。だだっ広いこの部屋を静かに吹き抜けていく風が、カーテンを揺らす。それはキミのワルツに揺れるチュールスカートを思い出させた。
珈琲を口に含みながら、蓄音機に手をかける。ゼンマイをまわし、流れるのはあの日と同じクラシック。
"ジョングブルームン病"
キミが患った病気は、世界のどこを探しても治す方法は見つからないそうだ。
ジョングブルームンとは若い花の意。この病に侵されたものは、歳を取らない。取れないのだ。植物状態のまま、老いることも若やぐことも許されない。あの日から、時計の針はボクだけを追いかけ、キミとの時間を刻々と埋まらないものにしていった。
今日もキミが眠るその横にはあの日と同じ、チュールスカートとボクの朝を彩っていた靴が置いてある。5年という長くも短い月日が経った今でも、キミは急に眠りから覚め踊り出しそうな、そんな気がしてならない。
どうやらキミの美貌も、ボクの想い出もまた、歳を重ねることはいつまでも許されないようだ。
美しく、残酷に、今日もワルツを思い出す。
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