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「逃げられましたで済むと思ってんのか! 客がずっとチンポ握りしめながら待ってたんだぞ! バッグに金を詰めてな!」
アジトにしている佐川のアパートの部屋で、黒崎は怒りで眉を吊り上げ、武藤を足蹴りにしていた。
「四千万の値打ちものだったんだぞ! お前に四千万払えんのか! ああっ?」
「すんません」
蹴られた腹を押さえながら、武藤は血だらけになった顔を上げた。
「すんませんで済むか!」
起き上がった武藤の顔を蹴りあげた。武藤は勢いよく仰向けに倒れた。
部屋の隅で、誠と佐川が正座して、震えながら黒崎からリンチを受ける武藤を見ていた。
「女は今、美里が探しています」
佐川が恐る恐る黒崎に言った。黒崎が佐川を見る。
「美里め! あいつにも後で焼きを入れてやる」
黒崎は床に倒れる武藤の髪を掴んで頭を持ち上げた。
「お前ら、まさか、あのバージン、勝手に売り飛ばそうと思ってんじゃねえだろうな」
武藤は首を横に振った。
「いいか、あのバージンを今日中に絶対連れてこい。でなきゃ、お前ら全員のチンポをぶった切ってから殺してやる!」
黒崎の迫力ある声に、誠と佐川が震えた。
部屋を出ていく黒崎の背中を武藤が睨みつけた。武藤が佐川から携帯を取り上げ、美里の携帯に電話をした。美里が出た。
「兄貴があのバージン連れてこないと、俺たちを殺すとよ。バージンと連絡が取れたのか?」
「だめ。さっきから彼女の携帯に連絡しているんだけどつながらないの。あの青い車に乗った男たちがつれて逃げてるみたいなの。まったく、あんたがあいつらをやっつければこんなことにならなかったのに」
美里の言葉にどこか嘘臭いニュアンスが含まれている。
「おまえがあのバージンを逃がしたんじゃねえのか?」
武藤は美里を疑っていた。美里が教える以外に、あの男たちが摩耶埠頭に現れることなどないのだから。
「そんなこと、するわけないでしょ」
美里が携帯の向こうからぶっきらぼうに言った。
「とにかく、何とか探し出せ」
武藤は携帯を切った。
「臭い股開いて兄貴のご機嫌とってるだけの雌豚め! あの糞アマが独り占めしようと思っているに決まってるんだ!」
「でも、あいつ、女を捌くルートなんて持ってないですよ。どうしてバージン連れて逃げたんです?」
「そんなこと、俺が知るもんか!」
武藤の怒鳴り声に誠が身をすくめた。確かに美里には、女を捌くルートもなければ、女を逃がす動機もなかった。
「なあ、俺たち、兄貴にマジで殺されるぜ。大損させたんだから、絶対無事には済まないよ」
佐川の声も震えていた。
「ケン、シャブくれ」
武藤は血だらけの顔を拭いながら佐川を見た。
「でも、勝手に喰ったら兄貴に怒られるぜ」
「いいからよこせ! それに、ポンプもだ!」
武藤は佐川から覚せい剤のパケを取りあげ、封を開けてスプーンに載せた。スポイトでコップの水を垂らした後、注射器の針でかき混ぜながら結晶を溶かした。
左腕をめくって、細いゴム管を巻きつけた。注射針で腕の静脈を捉えた。武藤は静脈に注射筒の中の覚せい剤の水溶液が全量注入し、左腕に縛り付けていたゴム管を一気に解いた。
「おおおっ!」
指先が一瞬にして冷たくなるのを感じた。それに続き、全身に鳥肌が立った。
「へへへ、やっぱ、ポンプでやるシャブは最高だ」
気が大きくなった武藤は佐川と誠を見た。
「黒崎の兄貴を殺るしかない」
「えっ?」
驚いた顔で佐川は武藤を見た。
「もう、こうなっちまったら殺るか殺られるかだ。おそらく、美里がバージンを逃がしてどこかに匿っているんだろう。今日中に見つけるのは難しいな」
「じゃあ、黒崎の兄貴にそう言って……」
「女が戻らなけりゃ、結果は同じだ。俺たちがシメられる。それに……」
武藤がにやりと笑った。
「兄貴を殺して、あの雌豚も殺った後、バージンを手に入れればいい。代わりに俺たちが売り払うんだ。もう、ルートは出来てる」
武藤は完全に切れていた。焦点の定まらない目はぎらつき殺気立ち、赤く充血していた。
「俺たちのこと、ただの使いっ走りみたいに扱いやがって。これ以上なめられていると、周りの仲間にも示しがつかねえ。それに、あいつは多くの奴から恨みを買っている。殺したって、俺たちがやったって誰も分からねえよ」
「でも、黒崎の兄貴、モノホンのやくざだぜ。殺すとやばいよ。組の連中にだって追い込みかけられるしよ」
佐川が怯えて武藤を見た。
「俺、やるよ」
誠が立ち上がった。佐川が驚いて誠を見た
「黒崎の兄貴についていったって、この先、何もいいことなんてない。利用されるだけだ」
「でも、殺るったって、どうやって」
佐川が武藤を見て震える声で言った。
「あのバージンを捕まえたといって、組が使っている埠頭の倉庫に兄貴を誘い出すんだ。そこで殺りゃあいい」
武藤が床に落ちていたウィスキーのボトルを手に取った。
「仲間を連れてきたらどうする?」
佐川はまだ怯えている。
「女を風俗に売っていることは組には内緒にしているんだ。だから、必ず一人で来る」
武藤はボトルに口をつけてウィスキーをラッパ飲みした。
「くそ、絶対やってやる! 今までの恨みを晴らしてやるからな!」
アジトにしている佐川のアパートの部屋で、黒崎は怒りで眉を吊り上げ、武藤を足蹴りにしていた。
「四千万の値打ちものだったんだぞ! お前に四千万払えんのか! ああっ?」
「すんません」
蹴られた腹を押さえながら、武藤は血だらけになった顔を上げた。
「すんませんで済むか!」
起き上がった武藤の顔を蹴りあげた。武藤は勢いよく仰向けに倒れた。
部屋の隅で、誠と佐川が正座して、震えながら黒崎からリンチを受ける武藤を見ていた。
「女は今、美里が探しています」
佐川が恐る恐る黒崎に言った。黒崎が佐川を見る。
「美里め! あいつにも後で焼きを入れてやる」
黒崎は床に倒れる武藤の髪を掴んで頭を持ち上げた。
「お前ら、まさか、あのバージン、勝手に売り飛ばそうと思ってんじゃねえだろうな」
武藤は首を横に振った。
「いいか、あのバージンを今日中に絶対連れてこい。でなきゃ、お前ら全員のチンポをぶった切ってから殺してやる!」
黒崎の迫力ある声に、誠と佐川が震えた。
部屋を出ていく黒崎の背中を武藤が睨みつけた。武藤が佐川から携帯を取り上げ、美里の携帯に電話をした。美里が出た。
「兄貴があのバージン連れてこないと、俺たちを殺すとよ。バージンと連絡が取れたのか?」
「だめ。さっきから彼女の携帯に連絡しているんだけどつながらないの。あの青い車に乗った男たちがつれて逃げてるみたいなの。まったく、あんたがあいつらをやっつければこんなことにならなかったのに」
美里の言葉にどこか嘘臭いニュアンスが含まれている。
「おまえがあのバージンを逃がしたんじゃねえのか?」
武藤は美里を疑っていた。美里が教える以外に、あの男たちが摩耶埠頭に現れることなどないのだから。
「そんなこと、するわけないでしょ」
美里が携帯の向こうからぶっきらぼうに言った。
「とにかく、何とか探し出せ」
武藤は携帯を切った。
「臭い股開いて兄貴のご機嫌とってるだけの雌豚め! あの糞アマが独り占めしようと思っているに決まってるんだ!」
「でも、あいつ、女を捌くルートなんて持ってないですよ。どうしてバージン連れて逃げたんです?」
「そんなこと、俺が知るもんか!」
武藤の怒鳴り声に誠が身をすくめた。確かに美里には、女を捌くルートもなければ、女を逃がす動機もなかった。
「なあ、俺たち、兄貴にマジで殺されるぜ。大損させたんだから、絶対無事には済まないよ」
佐川の声も震えていた。
「ケン、シャブくれ」
武藤は血だらけの顔を拭いながら佐川を見た。
「でも、勝手に喰ったら兄貴に怒られるぜ」
「いいからよこせ! それに、ポンプもだ!」
武藤は佐川から覚せい剤のパケを取りあげ、封を開けてスプーンに載せた。スポイトでコップの水を垂らした後、注射器の針でかき混ぜながら結晶を溶かした。
左腕をめくって、細いゴム管を巻きつけた。注射針で腕の静脈を捉えた。武藤は静脈に注射筒の中の覚せい剤の水溶液が全量注入し、左腕に縛り付けていたゴム管を一気に解いた。
「おおおっ!」
指先が一瞬にして冷たくなるのを感じた。それに続き、全身に鳥肌が立った。
「へへへ、やっぱ、ポンプでやるシャブは最高だ」
気が大きくなった武藤は佐川と誠を見た。
「黒崎の兄貴を殺るしかない」
「えっ?」
驚いた顔で佐川は武藤を見た。
「もう、こうなっちまったら殺るか殺られるかだ。おそらく、美里がバージンを逃がしてどこかに匿っているんだろう。今日中に見つけるのは難しいな」
「じゃあ、黒崎の兄貴にそう言って……」
「女が戻らなけりゃ、結果は同じだ。俺たちがシメられる。それに……」
武藤がにやりと笑った。
「兄貴を殺して、あの雌豚も殺った後、バージンを手に入れればいい。代わりに俺たちが売り払うんだ。もう、ルートは出来てる」
武藤は完全に切れていた。焦点の定まらない目はぎらつき殺気立ち、赤く充血していた。
「俺たちのこと、ただの使いっ走りみたいに扱いやがって。これ以上なめられていると、周りの仲間にも示しがつかねえ。それに、あいつは多くの奴から恨みを買っている。殺したって、俺たちがやったって誰も分からねえよ」
「でも、黒崎の兄貴、モノホンのやくざだぜ。殺すとやばいよ。組の連中にだって追い込みかけられるしよ」
佐川が怯えて武藤を見た。
「俺、やるよ」
誠が立ち上がった。佐川が驚いて誠を見た
「黒崎の兄貴についていったって、この先、何もいいことなんてない。利用されるだけだ」
「でも、殺るったって、どうやって」
佐川が武藤を見て震える声で言った。
「あのバージンを捕まえたといって、組が使っている埠頭の倉庫に兄貴を誘い出すんだ。そこで殺りゃあいい」
武藤が床に落ちていたウィスキーのボトルを手に取った。
「仲間を連れてきたらどうする?」
佐川はまだ怯えている。
「女を風俗に売っていることは組には内緒にしているんだ。だから、必ず一人で来る」
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