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双方
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社長と2人ですぐ近所にあるSOULの事務所へ行くと入るなり遠くのソファー席で澤本さん沢村さん五十嵐さんに囲まれている春くんの背中を横目で見た。
春くんは俺と社長に気づく事なく周りに囲まれていた。
「どうぞ、こちらです。」
秋元さんに社長室に通してもらって挨拶をした。
お互いの社長がお互い謝り合った。うちのHARUが誘ったから、いやいやこっちは一般人とも撮られましたから。
そんな言い合いはしたがすこぶる関係は良好だった。
あっさりアートライズ所属のアーティストが事実婚をしている、という記事のバーターを用意してあると秋元さんが言った。
うちはうちで所属の桐生由香子が引退するのでそれをバーターに提示するらしい。もしかしたらそれだと弱いネタかもしれないのでお金も払うとうちの社長は言った。
双方もしもの為に準備はしていたのであっさり事は落ち着いて丸くおさまった。
社長室を出ると春くんが待っていた。
「申し訳ありませんでした。」
春くんは俺と社長に頭を下げたけど、取り乱していたのか、片腕は五十嵐さんが引っ張っていた。
「HARUくん、謝らないで。ひろこもごめんね。」
社長が言うと春くんは頭を上げた。
「写真、バーターしなくていいです。俺とひろこの写真はそのまま掲載していいです。」
「春!!」
秋元さんが止めに入って俺は動揺した。春くんは至って真剣だった。
「世間に俺たちの事、知られてもいいです。だから、そのまま出してください。」
「春!何言ってんだ!ひろこちゃんの事も考えなさい!」
「アッキー、うるさいよ!」
すると澤本沢村2人が止めに入った。
社長は呆然としていたけど、すぐ春くんの手を握った。
「HARUくん。ひろこの事好きになってくれてありがとう。ひろこは幸せ者だよ。」
社長はそれだけ言うと外に出たので俺は社長について走って追いかけた。
「もう1人、一般人の方会って来ますから」
俺はそのままひろこに教えてもらった有月慶に電話をした。
『はい』
「お忙しい中すいません。安藤ひろこのマネジメントをしておりますスミ・エンターテイメント遊井と申します。」
彼は自宅の場所を教えてくれたので車でそのまま向かった。
「有月」
彼の家は浜田山の豪邸だった。俺は度肝を抜いた。
芸能人の住む豪邸よりも豪邸だった。敷地が広く、外壁は高く聳え立ち監視カメラも回っていた。
浜田山は芸能人も多く住む。
記者も港区界隈はウヨウヨしているわけでなんで杉並?と思ったが浜田山は芸能人もいるわけで記者も抜け目なく見ていたエリアだったのだろう。
インターフォンを鳴らすと彼が出てきた。
「はじめまして。」
俺は想像以上のイケメンにビックリした。
そこいらの芸能人より全然かっこいい。顔は小さく上背もある。端正な顔立ちにきっと笑顔が素敵だろうとすぐに思った。
芸能人さながらの風貌にラフな部屋着なのに彼にはどこか品があった。
ひろこはやはりイケメンが好きなのか。とも思ったけどあれだけかわいければ男は選び放題。なのにひろこを振ったとなると余計興味はあった。
「庭で、話します?」
そう言われ通された庭は芝の手入れも綺麗に施され広々と、庭の真ん中に置かれたテーブルに案内された。
庭にはプールもあり、小型犬が3匹走り回っていた。俺はその光景を見て唖然とした。
「すごい豪邸だね?お父様、どこかの社長さん?」
「あぁ、はい。商社を経営してます。」
「商社!?」
イケメンで家は金持ち。大学もいいところに通っているのだろう。これは申し分ない男だった。
俺は写真を彼に見せると黙って見つめていた。ビックリしていると思いきや遠くを見るような懐かしいような目をした。
「うちの事務所は撮られたけど一応揉み消すつもりなので。一応その写真の確認だけ。この写真は君だよね?」
しばらく見ていたと思ったら彼は顔をあげた。
「この写真、揉み消すってひろこのイメージですか?売れっ子だから、ですよね。」
「そうだよ。ファンがこれで離れたら仕事に支障がでるからね。」
「揉み消さないで、そのまま掲載する事は可能なんですか?」
「それ、どういうこと?」
「自分は、掲載されてもいいです。」
俺は耳を疑った。
ただのミーハーか?とも思った。
ひろこに言うにしても言わないにしてもここは俺がハッキリ聞きたいところでもあった。2人の関係性も俺は全く知らないのだ。
「有月くん、ひろこの事、好きなの?どう思っているの?」
「好きです。」
「それは友達として、じゃないの?」
「いや。違います。」
彼はハッキリと俺の目を見て言った。
「2人とも、昔付き合ってたの?元カレ?」
「付き合ってないですよ。付き合ってたら、俺絶対ひろことは別れないと思いますよ。」
ひろこは愛されているんだ。
「有月慶って子、会ってきたよ」
夕方、事務所に戻りひろこに言うとハッとしたように顔を上げた。
「浜田山の、おぼっちゃんだよな。親は大手商社の社長だって?ひろこすごい男捕まえてたんだな」
ひろこは無言で聞いていた。
「社長とも話したけど、うちの事務所の桐生由香子が引退するんだよ。そのネタとお金払ってチャラ」
「本当に?」
「社長も、金はこれからひろこにもっと稼いでもらうってよ。だからひろこも仕事真面目にしろよ」
「ありがとう。それと、ごめんなさい」
反省したのだろう。目が赤く充血していた。
「・・双方とも、記事出していいって言ったよ。」
「え?」
「春くんは出してもいいって言い張ったけど、事務所が許す訳はないのは当然で。もともと何か写真が撮られる前に秋元さんもネタは考えてたらしいぞ。秋元さんも仕事できるよな。まぁ自分のアーティスト守るのに命懸けだからな。結論としては、双方引っ込まずだった。ひろことの事を世間に周知していいって事だよ」
「・・・」
「ひろこ、愛されてるんだな。ただ、有月慶の方は一般人だからな。春くんとのスクープは話してないよ。」
俺がタバコに火をつけた時ひろこの携帯が鳴った。
多分春くんだろうと思った。
「出なさい」
俺は席をはずした。
春くんは俺と社長に気づく事なく周りに囲まれていた。
「どうぞ、こちらです。」
秋元さんに社長室に通してもらって挨拶をした。
お互いの社長がお互い謝り合った。うちのHARUが誘ったから、いやいやこっちは一般人とも撮られましたから。
そんな言い合いはしたがすこぶる関係は良好だった。
あっさりアートライズ所属のアーティストが事実婚をしている、という記事のバーターを用意してあると秋元さんが言った。
うちはうちで所属の桐生由香子が引退するのでそれをバーターに提示するらしい。もしかしたらそれだと弱いネタかもしれないのでお金も払うとうちの社長は言った。
双方もしもの為に準備はしていたのであっさり事は落ち着いて丸くおさまった。
社長室を出ると春くんが待っていた。
「申し訳ありませんでした。」
春くんは俺と社長に頭を下げたけど、取り乱していたのか、片腕は五十嵐さんが引っ張っていた。
「HARUくん、謝らないで。ひろこもごめんね。」
社長が言うと春くんは頭を上げた。
「写真、バーターしなくていいです。俺とひろこの写真はそのまま掲載していいです。」
「春!!」
秋元さんが止めに入って俺は動揺した。春くんは至って真剣だった。
「世間に俺たちの事、知られてもいいです。だから、そのまま出してください。」
「春!何言ってんだ!ひろこちゃんの事も考えなさい!」
「アッキー、うるさいよ!」
すると澤本沢村2人が止めに入った。
社長は呆然としていたけど、すぐ春くんの手を握った。
「HARUくん。ひろこの事好きになってくれてありがとう。ひろこは幸せ者だよ。」
社長はそれだけ言うと外に出たので俺は社長について走って追いかけた。
「もう1人、一般人の方会って来ますから」
俺はそのままひろこに教えてもらった有月慶に電話をした。
『はい』
「お忙しい中すいません。安藤ひろこのマネジメントをしておりますスミ・エンターテイメント遊井と申します。」
彼は自宅の場所を教えてくれたので車でそのまま向かった。
「有月」
彼の家は浜田山の豪邸だった。俺は度肝を抜いた。
芸能人の住む豪邸よりも豪邸だった。敷地が広く、外壁は高く聳え立ち監視カメラも回っていた。
浜田山は芸能人も多く住む。
記者も港区界隈はウヨウヨしているわけでなんで杉並?と思ったが浜田山は芸能人もいるわけで記者も抜け目なく見ていたエリアだったのだろう。
インターフォンを鳴らすと彼が出てきた。
「はじめまして。」
俺は想像以上のイケメンにビックリした。
そこいらの芸能人より全然かっこいい。顔は小さく上背もある。端正な顔立ちにきっと笑顔が素敵だろうとすぐに思った。
芸能人さながらの風貌にラフな部屋着なのに彼にはどこか品があった。
ひろこはやはりイケメンが好きなのか。とも思ったけどあれだけかわいければ男は選び放題。なのにひろこを振ったとなると余計興味はあった。
「庭で、話します?」
そう言われ通された庭は芝の手入れも綺麗に施され広々と、庭の真ん中に置かれたテーブルに案内された。
庭にはプールもあり、小型犬が3匹走り回っていた。俺はその光景を見て唖然とした。
「すごい豪邸だね?お父様、どこかの社長さん?」
「あぁ、はい。商社を経営してます。」
「商社!?」
イケメンで家は金持ち。大学もいいところに通っているのだろう。これは申し分ない男だった。
俺は写真を彼に見せると黙って見つめていた。ビックリしていると思いきや遠くを見るような懐かしいような目をした。
「うちの事務所は撮られたけど一応揉み消すつもりなので。一応その写真の確認だけ。この写真は君だよね?」
しばらく見ていたと思ったら彼は顔をあげた。
「この写真、揉み消すってひろこのイメージですか?売れっ子だから、ですよね。」
「そうだよ。ファンがこれで離れたら仕事に支障がでるからね。」
「揉み消さないで、そのまま掲載する事は可能なんですか?」
「それ、どういうこと?」
「自分は、掲載されてもいいです。」
俺は耳を疑った。
ただのミーハーか?とも思った。
ひろこに言うにしても言わないにしてもここは俺がハッキリ聞きたいところでもあった。2人の関係性も俺は全く知らないのだ。
「有月くん、ひろこの事、好きなの?どう思っているの?」
「好きです。」
「それは友達として、じゃないの?」
「いや。違います。」
彼はハッキリと俺の目を見て言った。
「2人とも、昔付き合ってたの?元カレ?」
「付き合ってないですよ。付き合ってたら、俺絶対ひろことは別れないと思いますよ。」
ひろこは愛されているんだ。
「有月慶って子、会ってきたよ」
夕方、事務所に戻りひろこに言うとハッとしたように顔を上げた。
「浜田山の、おぼっちゃんだよな。親は大手商社の社長だって?ひろこすごい男捕まえてたんだな」
ひろこは無言で聞いていた。
「社長とも話したけど、うちの事務所の桐生由香子が引退するんだよ。そのネタとお金払ってチャラ」
「本当に?」
「社長も、金はこれからひろこにもっと稼いでもらうってよ。だからひろこも仕事真面目にしろよ」
「ありがとう。それと、ごめんなさい」
反省したのだろう。目が赤く充血していた。
「・・双方とも、記事出していいって言ったよ。」
「え?」
「春くんは出してもいいって言い張ったけど、事務所が許す訳はないのは当然で。もともと何か写真が撮られる前に秋元さんもネタは考えてたらしいぞ。秋元さんも仕事できるよな。まぁ自分のアーティスト守るのに命懸けだからな。結論としては、双方引っ込まずだった。ひろことの事を世間に周知していいって事だよ」
「・・・」
「ひろこ、愛されてるんだな。ただ、有月慶の方は一般人だからな。春くんとのスクープは話してないよ。」
俺がタバコに火をつけた時ひろこの携帯が鳴った。
多分春くんだろうと思った。
「出なさい」
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