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年明け
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1月4日の朝、春くんのマンションへひろこを迎えに行くと春くんがTシャツ姿で玄関の扉から出てきて部屋の中へ入れてくれた。
「遊井さんあけましておめでとうございます。」
「おー春くんおめでとう。今年もよろしくね。ってかリビング広いなーこれ何畳あるの?野球できるんじゃないか?」
春くんはあっはっはと笑いできませんよと笑っている。
「遊井さん、それより急でお騒がせして申し訳ないです。さっき役所行って入籍してきました。」
春くんは優しそうに笑ったと思ったのに真面目な顔で俺に報告した。
ついに、籍を入れたんだと思った。
「おめでとう。ひろこ、いつまでも大切にしてあげてよ」
そう言うと2人で自然と握手をした。
俺の育てた女と結婚した男。
これからもこの関係は続くんだ。
すると化粧が終わったのかひろこがコートと鞄を持って奥の部屋からでてきた。
「遊井さん、おけましておめでとう。今日から小寺紘子です。よろしくお願いします」
「おー春くん小寺って名前だったの?」「そうです。小寺なんですよ。」
そんな話をしているとバタバタと音がして秋元さんが入ってきた。
「おはようございます!あれ、遊井さんも9時待ち合わせとは」
両手には春くんの着るスーツを持って大荷物。
またいろいろ昨日で動いたのか正月なのに決して顔色が爽やかではない秋元さん。
俺も俺で昨日社長と話したりワサワサとしたので多分お互い同じ事を思っていただろう。
「ひろこちゃん、結婚おめでとう。春と仲良くね」
ひろこははい。とうなずいた。
お互いの相手のマネージャー。
秋元さんの気持ちはよく分かる。
春くんは秋元さんからスーツを受け取りその場で着替えだした。
そんな着替え姿も見慣れているであろう何も言わないひろこ。
「あれ、どうやんの?うまくできない」
「そこ通して、あー違うよひろこ、ここ」
ピンクとブルーの2トンカラーのド派手なネクタイを見て春くんに縛ろうと、縛り方もわからず春くんが教えるがハッキリ言ってじゃれあってるようにしか見えない。
「はい!春!新婚ごっこはやめ!」
「ひろこ!仕事だぞ!自分の支度をしろ!」
言われるだけ言われた2人はひとまず言う事を聞き離れる。
「俺、明日ホイッスル買ってくるわ。」
「遊井さん、それいいですね!」
ひろこはあっかんべをしながらコートを着る。
「ひろこ、10時ぴったりね。」
「うん」
10時ぴったり、お互いがお互い同じ気持ちで社長に言おうと固く約束したのだろう。
「遊井さん、これ渡しておきます。」
クレジットカード?いや違う。春くんから渡されたのはカードキーだった。
「秋元さんも持ってるんだって。これでこの部屋に入れる人は4人目」
ひろこが笑った。
これからこの部屋に俺はひろこを迎えに来るんだ。4人目。俺まで家族になったような気分になった。
「後悔しない?本当に良かったの?まだひろこは22歳なのに。これからもっと好きになる人ができるかもしれないよ」
ひろこからしてみたら事後報告とは言え先に社長には結婚まで話はこじつけていたのでそこまでびっくりはしていないがすごくいい顔をしている訳ではなかった。
「もう、2人でいたいんです。」
社長はほおづえをついてため息をした後そうか、と言った。
「会見はしとく?HARUくんとこは?なんて言ってんの?」
「FAX出してからすぐに調整します。」
「会見はしなくていいです。書面だけでいいです!」
俺と社長のやりとりにひろこが割って入った。
「春のイメージがつくからしなくていいです。世間はチャラい結婚って思うに決まってる。だから書面だけにしてください」
ひろこは俺と社長にまっすぐな眼差しを向けた。勢いで入籍したのではと思ってはいたが自分の身を世間の見方を理解した上での入籍だったというのが分かった。
俺はひろこをひとまず家に送った。
「会見、しないよね?」
「FAX出してから春くんの事務所と調整するから分かんない。もしかしたら春くんだけでも会見するかもしれないな。あの事務所はその辺きっちりしてるから。とりあえずいいか、1歩も家から出るんじゃないぞ。今家から出てなんか撮られたら何書かれるかわかんないし記者がここに殺到するかもしれないからな」
俺は今朝渡されたばかりの慣れないカードキーで玄関を開けひろこを部屋に入れた。
「今日はずっと家にいるから大丈夫」
ベッドのような大きなソファーに荷物を置いてひろこはぺたりと床に座った。
「すぐ春くんとこ行くから、じゃあよろしくな。」
走って玄関に向かうとひろこが俺を呼んで追いかけてきた。
「遊井さん。ありがとう。」
申し訳なさそうなでも幸せそうに笑った。
「おとなしくしとけよ!」
俺は分厚い扉を閉めた。
急いで社長と専務と赤坂にあるアートライズへ行くと、受付を抜けたすぐ横の部屋で先ほどのスーツ姿で机に向かっている春くんの後姿が目にとまった。
春くんが何をしているかはすぐに分かった。
FAXの文書を書いているに違いない。
沢村さん澤本さんを横に引き連れ秋元さんに案内され双方の社長は挨拶する。
「ちょっと外してくれる?」
うちの社長の言葉に俺たちは席を外し、先ほどの春くんのいた部屋へと秋元さんに連れられてもどった。
「アッキー書けたよ。」
春くんが俺に気づいて会釈をしてくれた。
秋元さんは書面をもらい俺と2人で見てみた。
機械的なありふれた入籍報告の文章だった。
「これ、文面秋元さんが考えたの?」
「いや、春が自分のことばで書くって、、」
2人でその文面を校正しながら。
「これで いいよね?」
春くんはなぜかコーヒーを2人分お盆にのせて持って来てくれた。
ひろこにFAXを送ると間も無く返信のFAXが届いた。
春くんの名前の下に安藤ひろこ と書かれていた。
その文面を秋元さんが社長2人の元へ持って行き戻った後打ち合わせが始まり夕方17時にFAXを流すと決まった。
「遊井さんあけましておめでとうございます。」
「おー春くんおめでとう。今年もよろしくね。ってかリビング広いなーこれ何畳あるの?野球できるんじゃないか?」
春くんはあっはっはと笑いできませんよと笑っている。
「遊井さん、それより急でお騒がせして申し訳ないです。さっき役所行って入籍してきました。」
春くんは優しそうに笑ったと思ったのに真面目な顔で俺に報告した。
ついに、籍を入れたんだと思った。
「おめでとう。ひろこ、いつまでも大切にしてあげてよ」
そう言うと2人で自然と握手をした。
俺の育てた女と結婚した男。
これからもこの関係は続くんだ。
すると化粧が終わったのかひろこがコートと鞄を持って奥の部屋からでてきた。
「遊井さん、おけましておめでとう。今日から小寺紘子です。よろしくお願いします」
「おー春くん小寺って名前だったの?」「そうです。小寺なんですよ。」
そんな話をしているとバタバタと音がして秋元さんが入ってきた。
「おはようございます!あれ、遊井さんも9時待ち合わせとは」
両手には春くんの着るスーツを持って大荷物。
またいろいろ昨日で動いたのか正月なのに決して顔色が爽やかではない秋元さん。
俺も俺で昨日社長と話したりワサワサとしたので多分お互い同じ事を思っていただろう。
「ひろこちゃん、結婚おめでとう。春と仲良くね」
ひろこははい。とうなずいた。
お互いの相手のマネージャー。
秋元さんの気持ちはよく分かる。
春くんは秋元さんからスーツを受け取りその場で着替えだした。
そんな着替え姿も見慣れているであろう何も言わないひろこ。
「あれ、どうやんの?うまくできない」
「そこ通して、あー違うよひろこ、ここ」
ピンクとブルーの2トンカラーのド派手なネクタイを見て春くんに縛ろうと、縛り方もわからず春くんが教えるがハッキリ言ってじゃれあってるようにしか見えない。
「はい!春!新婚ごっこはやめ!」
「ひろこ!仕事だぞ!自分の支度をしろ!」
言われるだけ言われた2人はひとまず言う事を聞き離れる。
「俺、明日ホイッスル買ってくるわ。」
「遊井さん、それいいですね!」
ひろこはあっかんべをしながらコートを着る。
「ひろこ、10時ぴったりね。」
「うん」
10時ぴったり、お互いがお互い同じ気持ちで社長に言おうと固く約束したのだろう。
「遊井さん、これ渡しておきます。」
クレジットカード?いや違う。春くんから渡されたのはカードキーだった。
「秋元さんも持ってるんだって。これでこの部屋に入れる人は4人目」
ひろこが笑った。
これからこの部屋に俺はひろこを迎えに来るんだ。4人目。俺まで家族になったような気分になった。
「後悔しない?本当に良かったの?まだひろこは22歳なのに。これからもっと好きになる人ができるかもしれないよ」
ひろこからしてみたら事後報告とは言え先に社長には結婚まで話はこじつけていたのでそこまでびっくりはしていないがすごくいい顔をしている訳ではなかった。
「もう、2人でいたいんです。」
社長はほおづえをついてため息をした後そうか、と言った。
「会見はしとく?HARUくんとこは?なんて言ってんの?」
「FAX出してからすぐに調整します。」
「会見はしなくていいです。書面だけでいいです!」
俺と社長のやりとりにひろこが割って入った。
「春のイメージがつくからしなくていいです。世間はチャラい結婚って思うに決まってる。だから書面だけにしてください」
ひろこは俺と社長にまっすぐな眼差しを向けた。勢いで入籍したのではと思ってはいたが自分の身を世間の見方を理解した上での入籍だったというのが分かった。
俺はひろこをひとまず家に送った。
「会見、しないよね?」
「FAX出してから春くんの事務所と調整するから分かんない。もしかしたら春くんだけでも会見するかもしれないな。あの事務所はその辺きっちりしてるから。とりあえずいいか、1歩も家から出るんじゃないぞ。今家から出てなんか撮られたら何書かれるかわかんないし記者がここに殺到するかもしれないからな」
俺は今朝渡されたばかりの慣れないカードキーで玄関を開けひろこを部屋に入れた。
「今日はずっと家にいるから大丈夫」
ベッドのような大きなソファーに荷物を置いてひろこはぺたりと床に座った。
「すぐ春くんとこ行くから、じゃあよろしくな。」
走って玄関に向かうとひろこが俺を呼んで追いかけてきた。
「遊井さん。ありがとう。」
申し訳なさそうなでも幸せそうに笑った。
「おとなしくしとけよ!」
俺は分厚い扉を閉めた。
急いで社長と専務と赤坂にあるアートライズへ行くと、受付を抜けたすぐ横の部屋で先ほどのスーツ姿で机に向かっている春くんの後姿が目にとまった。
春くんが何をしているかはすぐに分かった。
FAXの文書を書いているに違いない。
沢村さん澤本さんを横に引き連れ秋元さんに案内され双方の社長は挨拶する。
「ちょっと外してくれる?」
うちの社長の言葉に俺たちは席を外し、先ほどの春くんのいた部屋へと秋元さんに連れられてもどった。
「アッキー書けたよ。」
春くんが俺に気づいて会釈をしてくれた。
秋元さんは書面をもらい俺と2人で見てみた。
機械的なありふれた入籍報告の文章だった。
「これ、文面秋元さんが考えたの?」
「いや、春が自分のことばで書くって、、」
2人でその文面を校正しながら。
「これで いいよね?」
春くんはなぜかコーヒーを2人分お盆にのせて持って来てくれた。
ひろこにFAXを送ると間も無く返信のFAXが届いた。
春くんの名前の下に安藤ひろこ と書かれていた。
その文面を秋元さんが社長2人の元へ持って行き戻った後打ち合わせが始まり夕方17時にFAXを流すと決まった。
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