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会見
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「やっぱり会見はしろよ、春。安藤さんはしなくても春はしなさい。」
春くんの社長が部屋に入ってくるなりすぐに春くんに言った。
春くんはわかりましたと言うと秋元さんは髪の毛が逆立つかのごとく会見のセッティングの手配指示を澤本沢村ADにあてた。
会見ともなるとメディアは派手に取り上げられる。春くんはちょうど17時からラジオの収録が入っていた。その帰り、ラジオ局の駐車場で簡単に囲み会見をするという流れに決まった。
17時にFAXを流すと途端に世間は大騒ぎになった。
夕方のニュースは2人の画像がトップで画面に半分ずつ映し出された。
「年明けにビッグカップルの登場です。SOULの HARUさんとタレントの安藤ひろこさんが結婚しました。」
「いやーびっくりしましたね。安藤さんまだ22歳でしょ?」
「一部情報によりますと、年末の番組で知り合った超スピード婚という情報もあります。」
「安藤さんまだ22歳でしょ?どれだけ好きか若気の至りかどっちかですよ」
「これは世の男達は今夜眠れない夜になりそうですね。」
夕方放送のニュース番組は大々的に放送した。
会見は19時から。
明日の朝刊の一面はもう決まった。
会見場にもなるラジオ局の駐車場に手配もし、マスコミ各社が早々と準備を始める。
2人が付き合ってるなんてマスコミはどこも報じていなかった中の入籍。
ウワサはあったが、結婚までいくと電撃以外の何物でもない。
自分の携帯がずっと鳴り止まない。
知り合いの関係者達から1番に聞こえてくるのはデキ婚なのか?という事だった。
多分報道各社の見解はひろこのデキ婚だった。
俺は契約中のCMのクライアントへの報告で急いで出向き会見までの時間は記憶が薄くなるほどの奔走だった。
すべて終わらせてラジオ局の楽屋に入ると春くんはスタイリストと澤本、沢村さん、山ちゃんや五十嵐さんも来ていた。
「ネクタイ、本当にこのままでいくの?他にもあるけど?」
「これでいいよ。」
春くんは座ってネクタイをチラチラ見ながら言っていた。
朝ひろこが縛っていたツートンカラーのド派手なネクタイのまま春くんは挑むようだ。
「遊井さん、お騒がせしてすいません」
春くんが俺に言った。
「会見してくれるなんてありがとう。ひろこは家で見てるって。しっかりね。」
春くんは頷きラジオ局の扉を開けて駐車場へ向かった。
扉を開けた瞬間には俺もフラッシュで目があけられなかった。
「おございます!」
「HARUさんおめでとうございます!」
「HARUさーん!こっち目線くださーい」
報道陣の声がかかり一斉に春くんの元に集まって来た。
ありがとうございます、と会釈をしてマイク越しで改めて話した。
「本日僕はタレントの安藤ひろこさんと入籍をしました。一部報道でありましたスピード婚ではなく、知り合ったのは2年半ほど前の番組共演です。」
何個ものカメラのフラッシュに会見はスタートした。フラッシュがすごすぎて春くんの顔がまともに見えなかった。
しかし春くんはなんとも冷静に顔色を変えずに淡々としていた。
それがいつもよりぐっと大人に見えた。
「結婚を決めた理由はなんですか?」
「一言で言うとすごく大切な人なので。このまま恋人同士もいいけど誰かに取られたら嫌だなってその気持ちだけです。」
「安藤さんはまだ22歳とお若いのですが、お子さんのご予定は?」
マスコミが1番気になるところになるとフラッシュは余計に強くなった。
「今のところないです。彼女もまだ仕事は続けますし、しばらくは2人でいたいねと」
当たり前だかデキ婚をきっぱりと否定する。それは事務所にも言われている事だろう。
「プロポーズのことばは?」
「普通です。」
「普通とはどんなHARUさん流のセリフで言ったのですか?」
「奥さんにならないかと言いました」
「安藤さんは!安藤さんのお返事はなんだったのですか?」
「よろしくね、と」
「HARUさん!HARUさんは安藤さんのどこに魅かれたのですか!?」「深夜の女神を射止めた気分を一言!」「HARUさーんかねてから安藤さんを口説いていた支倉大介さんに一言!」「交際を申し込まれたのはどちらからですか!?」
芸能レポーターの熱くなる質問攻めに事務所が1人づつ質問するよう注意を促す。
ひとつ丁寧に答えれば山のように波が押し寄せるインタビューに可哀想になってきた。
でも春くんは不思議と辛そうにはしていなかった。笑いこそないけど、どこか余裕があった。
これはめでたい事なんだよな、笑っていい事なんだよな?
なんか悪い事でもしてる気分にもなるがこれはめでたい事なんだ。
どんなに騒がれても、言葉を選びながら丁寧に記者達に対応した。
ひろこと結婚するために誠心誠意込めての対応。親心ながらそれは俺にとっても嬉しい事だった。
俺の育てた女は売れっ子になり、売れっ子アーティストとあっという間に結婚。
ハッピーエンド、なんだ。
気がついたら隣に秋元さんがいた。
横からしっかり春くんを見ていた。
澤本さん達もいたけど、他のマネージャーよりも秋元さんは瞬きもせず、春くんをしっかり見守っていた。
春くんの社長が部屋に入ってくるなりすぐに春くんに言った。
春くんはわかりましたと言うと秋元さんは髪の毛が逆立つかのごとく会見のセッティングの手配指示を澤本沢村ADにあてた。
会見ともなるとメディアは派手に取り上げられる。春くんはちょうど17時からラジオの収録が入っていた。その帰り、ラジオ局の駐車場で簡単に囲み会見をするという流れに決まった。
17時にFAXを流すと途端に世間は大騒ぎになった。
夕方のニュースは2人の画像がトップで画面に半分ずつ映し出された。
「年明けにビッグカップルの登場です。SOULの HARUさんとタレントの安藤ひろこさんが結婚しました。」
「いやーびっくりしましたね。安藤さんまだ22歳でしょ?」
「一部情報によりますと、年末の番組で知り合った超スピード婚という情報もあります。」
「安藤さんまだ22歳でしょ?どれだけ好きか若気の至りかどっちかですよ」
「これは世の男達は今夜眠れない夜になりそうですね。」
夕方放送のニュース番組は大々的に放送した。
会見は19時から。
明日の朝刊の一面はもう決まった。
会見場にもなるラジオ局の駐車場に手配もし、マスコミ各社が早々と準備を始める。
2人が付き合ってるなんてマスコミはどこも報じていなかった中の入籍。
ウワサはあったが、結婚までいくと電撃以外の何物でもない。
自分の携帯がずっと鳴り止まない。
知り合いの関係者達から1番に聞こえてくるのはデキ婚なのか?という事だった。
多分報道各社の見解はひろこのデキ婚だった。
俺は契約中のCMのクライアントへの報告で急いで出向き会見までの時間は記憶が薄くなるほどの奔走だった。
すべて終わらせてラジオ局の楽屋に入ると春くんはスタイリストと澤本、沢村さん、山ちゃんや五十嵐さんも来ていた。
「ネクタイ、本当にこのままでいくの?他にもあるけど?」
「これでいいよ。」
春くんは座ってネクタイをチラチラ見ながら言っていた。
朝ひろこが縛っていたツートンカラーのド派手なネクタイのまま春くんは挑むようだ。
「遊井さん、お騒がせしてすいません」
春くんが俺に言った。
「会見してくれるなんてありがとう。ひろこは家で見てるって。しっかりね。」
春くんは頷きラジオ局の扉を開けて駐車場へ向かった。
扉を開けた瞬間には俺もフラッシュで目があけられなかった。
「おございます!」
「HARUさんおめでとうございます!」
「HARUさーん!こっち目線くださーい」
報道陣の声がかかり一斉に春くんの元に集まって来た。
ありがとうございます、と会釈をしてマイク越しで改めて話した。
「本日僕はタレントの安藤ひろこさんと入籍をしました。一部報道でありましたスピード婚ではなく、知り合ったのは2年半ほど前の番組共演です。」
何個ものカメラのフラッシュに会見はスタートした。フラッシュがすごすぎて春くんの顔がまともに見えなかった。
しかし春くんはなんとも冷静に顔色を変えずに淡々としていた。
それがいつもよりぐっと大人に見えた。
「結婚を決めた理由はなんですか?」
「一言で言うとすごく大切な人なので。このまま恋人同士もいいけど誰かに取られたら嫌だなってその気持ちだけです。」
「安藤さんはまだ22歳とお若いのですが、お子さんのご予定は?」
マスコミが1番気になるところになるとフラッシュは余計に強くなった。
「今のところないです。彼女もまだ仕事は続けますし、しばらくは2人でいたいねと」
当たり前だかデキ婚をきっぱりと否定する。それは事務所にも言われている事だろう。
「プロポーズのことばは?」
「普通です。」
「普通とはどんなHARUさん流のセリフで言ったのですか?」
「奥さんにならないかと言いました」
「安藤さんは!安藤さんのお返事はなんだったのですか?」
「よろしくね、と」
「HARUさん!HARUさんは安藤さんのどこに魅かれたのですか!?」「深夜の女神を射止めた気分を一言!」「HARUさーんかねてから安藤さんを口説いていた支倉大介さんに一言!」「交際を申し込まれたのはどちらからですか!?」
芸能レポーターの熱くなる質問攻めに事務所が1人づつ質問するよう注意を促す。
ひとつ丁寧に答えれば山のように波が押し寄せるインタビューに可哀想になってきた。
でも春くんは不思議と辛そうにはしていなかった。笑いこそないけど、どこか余裕があった。
これはめでたい事なんだよな、笑っていい事なんだよな?
なんか悪い事でもしてる気分にもなるがこれはめでたい事なんだ。
どんなに騒がれても、言葉を選びながら丁寧に記者達に対応した。
ひろこと結婚するために誠心誠意込めての対応。親心ながらそれは俺にとっても嬉しい事だった。
俺の育てた女は売れっ子になり、売れっ子アーティストとあっという間に結婚。
ハッピーエンド、なんだ。
気がついたら隣に秋元さんがいた。
横からしっかり春くんを見ていた。
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