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78,評判のお店
オープン当日は開店前から行列ができ、お店に出した商品はほとんど売れてしまうという非常事態が発生した。
少し生産を増やし対応した方がいいのだろうか?
珍しいからこの人気は最初だけかな?と思っていたのだが。
1ヶ月経っても人気が衰えることはなかった。本当に嬉しい悲鳴だ。
お店のことは全てアンナに任せていて、私がやることはもう何もない。たまにお店に立ったりするのは、市場調査のためだ。決して遊びに行っているわけではない。
一番人気なのはカフェだ。常に人が並んでいる。
ここではハーブティーの他、私が考えたヘルシースイーツが食べられる。このスイーツが人気のようだ。
甘さ控えめで美味しいのに、食べごたえがありヘルシー。女子の欲求を最大限に網羅したスイーツである。
ハーブティーの人気が予想以上に高かったので、飲み物だけテイクアウトできるようにした。これがまた爆発的な人気となった。
そして、カフェの人気は著しい。
邪魔しない程度の仄かな香りと、聞こえてくるオルゴールのような優しいピアノの音色。
それら全てが見事に調和して、寛ぎの空間となっているのだ。
このカフェに行った、というのはステイタスになるほどだった。
◆
「エリィ、お店は好調のようだね。」
と優しい笑顔で私の髪を撫でながらヴィークが言った。
「思ったより人気が出て少し戸惑っているわ。」
「そうかな?僕はこうなると思っていたよ。なんといってもエリィの努力の集大成なのだから。ここまでよく頑張ってきたんだね。」
「ありがとう、ヴィーク。」
卒業してから二人で過ごす時間は少なくなってしまったが、それを埋めるかのように一緒に過ごす時間は濃密だ。
「そろそろ結婚式をしたいと思ってるんだけど、どうかな?」
「えぇヴィーク。賛成よ。」
「本当?」
「もちろんよ。」
その日も私達は、甘い時間を過ごしたのだった。
◆
爽やかに晴れ渡る空の下、祝福の鐘の音が鳴り響く。
純白に金の刺繍が入ったドレスを纏った新婦は女神のようだった。並んで歩む新郎もどこから見ても王子様で、非の打ち所がない。
まさに美男美女である。
「健やかな時も病める時も共にいることを誓いますか?」
「「はい、誓います。」」
誓いの口づけは蕩けそうなほど甘い。
「漸くエリィを独り占めできる。」
「ヴィークも私のもの?」
「もちろんだよ。」
大勢の人の前でありながらも、二人の世界はどこまでも甘い。
こうして晴れて二人は夫婦となった。
◆
お店は、ナッシュ国内では2店舗出店している。王都の他に出店しているのはカームリーヒルだ。
さらにベルリンツ王国でも出店を始めた。
ベルリンツ王国の将軍であるレイにあげたユーカリのハンドクリームは、それ以来お気に入りになったようで、ナッシュ国を訪れた時はまとめて購入するらしい。
それを仲間内に配っていたところ、女性陣の目にとまり、是非ベルリンツ王国でも出店してほしいと要望があったのである。
そこからはトントン拍子に出店が決まったのだ。
大国であるベルリンツ王国との交流ができたことは素直に嬉しい。
パサール国では例の小説を元にした演劇を作っているようだ。
わざわざ曲を聞くためだけにアルバ様は何人かを連れて私の元を来たのだ。その際に曲を披露したところ、演劇に是非使いたいと言われたので快諾した。
そんな縁があったので、パサール国へ観光も兼ねて一度訪問したことがある。
その際にはお店の最上級ギフトセットを献上した。
アルバ様は王族だったのである。
ギフトセットには、ハンドクリームの他に化粧水やボディクリーム、華やかに細工を施した石鹸をそれぞれ全種類入れてある。以前お茶をした際に気に入ってもらえたハーブティーも入れている。もちろん違う種類のものもある。
それがやはり女性陣に大変気にいってもらえたようだ。パサール国は乾燥していて暑い国なので、保湿できる化粧水やハンドクリームはとても貴重なようだ。
気に入って貰えたようで嬉しい。
どの国でも、どの世界でも経済は女性が回しているのだと実感する。
パサール国で出店できる日も近いかな?
こうして私は当初の目的を達成することができたのである。
目的を達成できた私はのんびりとした日々を過ごしていた。
この世界での結婚生活は順風満帆そのもの。
3人の子にも恵まれた。
健康で良い子に育ってくれさえすればあとは自由に、という方針だったが子供達はとても優秀で、すくすくと成長していった。
自分の子は可愛い。
子供のことはいくつになっても、どんなに強くなっても心配なんだという親心が分かった気がした。
こんなに穏やかな生活を送ることができて本当に幸せだ。
幸せな日々が続くといつか壊れてしまうのではないか、何か罠があるのではないか、と純粋に幸せを実感できなかったが今は違う。
私のこの穏やかな幸せは、今まで積み重ねてきたものがあるからこそだと、自信を持って言える。
そして私達は生を全うするまで、おしどり夫婦として貴族の間で名を馳せたのだった。
ーENDー
少し生産を増やし対応した方がいいのだろうか?
珍しいからこの人気は最初だけかな?と思っていたのだが。
1ヶ月経っても人気が衰えることはなかった。本当に嬉しい悲鳴だ。
お店のことは全てアンナに任せていて、私がやることはもう何もない。たまにお店に立ったりするのは、市場調査のためだ。決して遊びに行っているわけではない。
一番人気なのはカフェだ。常に人が並んでいる。
ここではハーブティーの他、私が考えたヘルシースイーツが食べられる。このスイーツが人気のようだ。
甘さ控えめで美味しいのに、食べごたえがありヘルシー。女子の欲求を最大限に網羅したスイーツである。
ハーブティーの人気が予想以上に高かったので、飲み物だけテイクアウトできるようにした。これがまた爆発的な人気となった。
そして、カフェの人気は著しい。
邪魔しない程度の仄かな香りと、聞こえてくるオルゴールのような優しいピアノの音色。
それら全てが見事に調和して、寛ぎの空間となっているのだ。
このカフェに行った、というのはステイタスになるほどだった。
◆
「エリィ、お店は好調のようだね。」
と優しい笑顔で私の髪を撫でながらヴィークが言った。
「思ったより人気が出て少し戸惑っているわ。」
「そうかな?僕はこうなると思っていたよ。なんといってもエリィの努力の集大成なのだから。ここまでよく頑張ってきたんだね。」
「ありがとう、ヴィーク。」
卒業してから二人で過ごす時間は少なくなってしまったが、それを埋めるかのように一緒に過ごす時間は濃密だ。
「そろそろ結婚式をしたいと思ってるんだけど、どうかな?」
「えぇヴィーク。賛成よ。」
「本当?」
「もちろんよ。」
その日も私達は、甘い時間を過ごしたのだった。
◆
爽やかに晴れ渡る空の下、祝福の鐘の音が鳴り響く。
純白に金の刺繍が入ったドレスを纏った新婦は女神のようだった。並んで歩む新郎もどこから見ても王子様で、非の打ち所がない。
まさに美男美女である。
「健やかな時も病める時も共にいることを誓いますか?」
「「はい、誓います。」」
誓いの口づけは蕩けそうなほど甘い。
「漸くエリィを独り占めできる。」
「ヴィークも私のもの?」
「もちろんだよ。」
大勢の人の前でありながらも、二人の世界はどこまでも甘い。
こうして晴れて二人は夫婦となった。
◆
お店は、ナッシュ国内では2店舗出店している。王都の他に出店しているのはカームリーヒルだ。
さらにベルリンツ王国でも出店を始めた。
ベルリンツ王国の将軍であるレイにあげたユーカリのハンドクリームは、それ以来お気に入りになったようで、ナッシュ国を訪れた時はまとめて購入するらしい。
それを仲間内に配っていたところ、女性陣の目にとまり、是非ベルリンツ王国でも出店してほしいと要望があったのである。
そこからはトントン拍子に出店が決まったのだ。
大国であるベルリンツ王国との交流ができたことは素直に嬉しい。
パサール国では例の小説を元にした演劇を作っているようだ。
わざわざ曲を聞くためだけにアルバ様は何人かを連れて私の元を来たのだ。その際に曲を披露したところ、演劇に是非使いたいと言われたので快諾した。
そんな縁があったので、パサール国へ観光も兼ねて一度訪問したことがある。
その際にはお店の最上級ギフトセットを献上した。
アルバ様は王族だったのである。
ギフトセットには、ハンドクリームの他に化粧水やボディクリーム、華やかに細工を施した石鹸をそれぞれ全種類入れてある。以前お茶をした際に気に入ってもらえたハーブティーも入れている。もちろん違う種類のものもある。
それがやはり女性陣に大変気にいってもらえたようだ。パサール国は乾燥していて暑い国なので、保湿できる化粧水やハンドクリームはとても貴重なようだ。
気に入って貰えたようで嬉しい。
どの国でも、どの世界でも経済は女性が回しているのだと実感する。
パサール国で出店できる日も近いかな?
こうして私は当初の目的を達成することができたのである。
目的を達成できた私はのんびりとした日々を過ごしていた。
この世界での結婚生活は順風満帆そのもの。
3人の子にも恵まれた。
健康で良い子に育ってくれさえすればあとは自由に、という方針だったが子供達はとても優秀で、すくすくと成長していった。
自分の子は可愛い。
子供のことはいくつになっても、どんなに強くなっても心配なんだという親心が分かった気がした。
こんなに穏やかな生活を送ることができて本当に幸せだ。
幸せな日々が続くといつか壊れてしまうのではないか、何か罠があるのではないか、と純粋に幸せを実感できなかったが今は違う。
私のこの穏やかな幸せは、今まで積み重ねてきたものがあるからこそだと、自信を持って言える。
そして私達は生を全うするまで、おしどり夫婦として貴族の間で名を馳せたのだった。
ーENDー
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