真夜中の柑橘系

それぞれの

夜のご飯戦争？

「ほんっっっと信じられない！！！ご飯の用意してないなんて！！！ここら辺コンビニも何も無いのに！！！」

夏のデートと心配かけたお詫びとしてお泊まり会として、深弥ん家の親戚の別荘にお邪魔してるボク達。ナンパされたりを繰り返して、早めに別荘に帰って来たものの。このアホ深弥は、デートに浮かれすぎた為か、食材の一切を家に置き忘れて来るという大惨事。お腹空いた

「ご、ごめんってば柚紀！痛い！あ、お願いだから暴力は、って痛い！蹴らないで！痛い！」
「ふざけんなぁぁぁぁ！こっちは初めてのビキニとかで散々はずかしめを受けた挙句！ご飯無いだとぉ！？お泊まりだからこっちも初めとかあるから若干期待してたのにぃぃぃ！！」
「ほんとにごめんて！痛ｯ！え、期待って何！？痛い！」
「……うるせぇぇぇぇ！！」
「ごふぇ！？」

散々暴れ回ってから気がついたけど、こんな事をしていると余計にお腹が減る。

「そうだ！海が近いんだし、釣りでもして、釣れた魚を食べようよ！貝とかも取れるよ！多分。」
「……竿は？貝の知識は…？」
「うっ…竿は無い…けど貝の知識くらいならケータイで！」

時はさらに進む事30分…近くの海辺にて

「……釣れないじゃん！！！！！貝もいないし！！！何ここ！日本か！？」
「釣れないってまだ20分しか経って無いよ！？そして日本だよ！？」
「そんな枝と紐と幼虫だけで釣れるかぁぁぁぁぁ！！針無いじゃん！」
「と、とりあえず飴でも舐める？」
「あ、舐めるー！」

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とりあえずお菓子で機嫌が治ってくれてよかった。お菓子で魚は釣れないけど柚紀は釣れる。ﾌｯ。
しかしほんとに釣れない、まぁ仕方ないよね。幼虫浮いてるし。沈まないし。

釣りは諦めて何か別の手段での食料の確保を…

「あのさー柚紀。今日のところはもう寝よっかー釣れないし。明日山行って山菜でも取ろう」
「んー？うんーわかっらー」

ペッチャチャップス一つでここまで素直とは…恐ろしきかな甘い物。

寝る前になって気がついた事がある。ベットが一つしかない。これはまた戦争の予感…仕方ない今日の所は床で寝るか…

「あー疲れた。もう寝よっか。……なに突っ立ってんのよ。早く寝なよ」
「え！？あー…はい。」

予想外に柚紀からベットで寝るお許しが出るとは。普段なら寝ようとしただけで飛び蹴り3セットは確実だった。

「言っとくけど、変な事したらぶっ飛ばすからね！！ふん！」
「変な事なんてしませんよっと｣

なんともない振りをしているがそんな訳がない。ドキドキバクバク…ドキバクだ。

結局朝まで一睡も出来ずにいた。柚紀はどうなのだろう。緊張のし過ぎで全く覚えていない

とりあえずベットから出て着替えようとしたらいきなり後ろから

「とりゃぁぁぁ！！」
「ぐへぇぇぇ！？柚紀何するの！」
「それはこっちのセリフじゃ！じゃなきゃいきなり後ろから飛び蹴りなんてする訳無いでしょ？！」
「なんで！？」
「うるさい死ね！デリカシーでググって死ね！」

訳の分からない暴力が朝から俺を襲う。辛い