19 / 25
それぞれの
食糧難からの
しおりを挟む
深弥のバカがご飯を用意してなかったので、昨日から私が持ってきてたグミやポテチで過ごしている。深弥のお母さんの迎えが来るのは2日後。なんで楽しいお泊まり会の筈が遭難ごっこみたいな事になっているのだろう。唯一の救いは、目の前の海に点々と存在する海の家だ。
しかしお互い軽い駄賃程度しか持ってなかった為にお腹いっぱいになるには少し足りないであろうポテトフライを2人前が限界だった。
「ほんとは唐揚げ食べたい…んぐ」
「唐揚げだと小2つ位しか買えないからね~ポテトフライでも食べれるだけありがたいよね」
せっかく海の家で買ったのに、少しホコリ臭い別荘で食べると、値段の割にあまり美味しくないように感じる。これは多分海で食べるから美味しいのだろうなぁ…塩足りない。多分泳ぎ終わった人は口の中が海水の塩分で一杯だから少な目にしてると思うんだけど、、ありがた迷惑です。ハイ。
「俺の分も食べていいからさ、食べ終わったらゲームでもしようか」
「なんで食糧持ってきてないのにゲームは持ってきてるわけ…はぁ」
「あ、ごめん電話。食べちゃってて」
深弥の分のポテトも食べてる間に誘ったのに来なかった凛恵の事を考えていた。退院した辺りからちょっと様子がおかしかった。誘った時も「いやいやいいよーせっかくだから2人で過ごしてよ!2人の熱々と灼熱の太陽で私が干からびてしまうよー!」茶化しているけどちょっとおかしい。凛恵の性格上そんな冗談を言うなら来て言うと思うのだけど、まぁほんとに気を使ってくれたのかもしれない。綺麗な貝殻でも拾ってあげようかな。
なんて思っていると少し嬉しそうな深弥が戻ってきた。こいつのせいで今の現状があるのだと思うと、少しムカついた
「何笑ってんのよーきもちわる…」
「さり気に酷いねー。でもニュースだよ?さっきの電話はね?ここの持ち主のおじさんからだったんだよ」
「おじさん?なんて用なの?」
「せっかくだからバーベキューでもどうだい?ってもうすぐこっちにも来るって、それにお母さんから連絡受けて多少のご飯も用意してくれたみたい」
「お・に・く!?」
まさに地獄に仏とはこの事だ。この空腹時にお肉とは仏を超えて神だ。肉神だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後すぐにおじさんは到着して、コンビニで買ってきた肉まんやおにぎりを差し入れしてくれた。あまりの空腹にバーベキューを待たずにその場で頬張る。
柚紀が肉まんとおにぎりを頬張る間におじさんは手早くバーベキューの用意をしてくれて、あっという間に地獄は天国に変わった。
「ありがとうございます、おじさん。ほんとに助かりましたよ」
「なぁに気にする事は無いよ。お母さんに頼まれちゃ断り用が無いよ」
「まだ責任を感じているんですか?もう母も僕も何も思ってませんから、こんな風に別荘を貸したりする必要は…」
「深弥君は誤解しているよ、最初は君たち親子に対する罪滅ぼしのつもりだったがね、今は君が立派に成長してくれて嬉しいのだよ。息子がいない今、君は孫じゃなくて息子だと感じる事もあるくらいさ」
「深弥ー?この切れないー」
「はーいすぐ行くよ柚紀。ほんとにありがとうございます。おじさんもゆっくりして行ってくださいね」
柚紀は大きめのステーキ肉と格闘していた。
「おじさんてもしかして…」
「あぁそうだよ。一応俺の父親に当たる人の父親さ。小さい頃からお世話になっていてね。」
「そうなんだ…優しいね」
その優しいが俺に対する言葉なのか、おじさんに対する言葉なのかわからなかったが、柚紀はどこか満足げだった。
バーベキューが終わり、おじさんは少し休んでから帰ることになった。
「深弥君。余計なお世話かと思うがこれを…」
何か鞄から袋を出して、差し出してきた
「なんです?これ…は!?」
中には…大量の避妊具やエナジードリンクだった。
「余計なお世話かと思ったんだがね?やはり若い男女が一つ屋根の下にいるわけだしね?」
「なるほど…まぁこれは戒めかも知れませんね。というか多いですよこれは」
「そうなるね。…まぁ彼女も君の事が好きなら少なからず期待しているのかもしれない。健闘を祈るよ」
「はぁ…お気持ちには感謝しますよ。ではお気を付けて」
「では、帰るよ。また会おう」
「おじさーんありがとうございましたー!」
奥から走ってくる柚紀にバレないうちに袋を隠しておじさんを見送る…
期待…か。そんなのするわけ…ん?昨日からの理不尽な行動…まさかな。
その晩は久しぶりの満腹で、ゆっくり眠れると思って、寝室に入る。瞬間。脳に送られる筈の血液は行動を止めたと思うくらいの寒気に襲われた
おじさんから貰った袋の中を見て、顔を真っ赤に染める柚紀の姿だった。
「へ!?…あ、深弥…その…なんかコソコソ隠してたからお菓子…かなって…」
「あ、あーそれはあれだよ!おじさんが置いて行ったやつかなー?全くおじさんは困るなーははは…」
殺される。そう覚悟した。しかしいつまで経っても柚紀は襲ってくる気配はない。それどころか何かモジモジしてる
「あ、あのさ…深弥。ボク達もう高校生じゃん…?ボ、ボクは深弥なら…いいよ?」
「柚紀!?へ?ちょっとまっ!」
言い終わる前に柚紀に引っ張られベットに倒される。何も考えられない…
気がつくと俺は柚紀と口を合わせていた
「ぷはぁ…柚紀…いいの?」
「…うん。いいよ」
その晩、俺達の絆は繋がった。
しかしお互い軽い駄賃程度しか持ってなかった為にお腹いっぱいになるには少し足りないであろうポテトフライを2人前が限界だった。
「ほんとは唐揚げ食べたい…んぐ」
「唐揚げだと小2つ位しか買えないからね~ポテトフライでも食べれるだけありがたいよね」
せっかく海の家で買ったのに、少しホコリ臭い別荘で食べると、値段の割にあまり美味しくないように感じる。これは多分海で食べるから美味しいのだろうなぁ…塩足りない。多分泳ぎ終わった人は口の中が海水の塩分で一杯だから少な目にしてると思うんだけど、、ありがた迷惑です。ハイ。
「俺の分も食べていいからさ、食べ終わったらゲームでもしようか」
「なんで食糧持ってきてないのにゲームは持ってきてるわけ…はぁ」
「あ、ごめん電話。食べちゃってて」
深弥の分のポテトも食べてる間に誘ったのに来なかった凛恵の事を考えていた。退院した辺りからちょっと様子がおかしかった。誘った時も「いやいやいいよーせっかくだから2人で過ごしてよ!2人の熱々と灼熱の太陽で私が干からびてしまうよー!」茶化しているけどちょっとおかしい。凛恵の性格上そんな冗談を言うなら来て言うと思うのだけど、まぁほんとに気を使ってくれたのかもしれない。綺麗な貝殻でも拾ってあげようかな。
なんて思っていると少し嬉しそうな深弥が戻ってきた。こいつのせいで今の現状があるのだと思うと、少しムカついた
「何笑ってんのよーきもちわる…」
「さり気に酷いねー。でもニュースだよ?さっきの電話はね?ここの持ち主のおじさんからだったんだよ」
「おじさん?なんて用なの?」
「せっかくだからバーベキューでもどうだい?ってもうすぐこっちにも来るって、それにお母さんから連絡受けて多少のご飯も用意してくれたみたい」
「お・に・く!?」
まさに地獄に仏とはこの事だ。この空腹時にお肉とは仏を超えて神だ。肉神だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後すぐにおじさんは到着して、コンビニで買ってきた肉まんやおにぎりを差し入れしてくれた。あまりの空腹にバーベキューを待たずにその場で頬張る。
柚紀が肉まんとおにぎりを頬張る間におじさんは手早くバーベキューの用意をしてくれて、あっという間に地獄は天国に変わった。
「ありがとうございます、おじさん。ほんとに助かりましたよ」
「なぁに気にする事は無いよ。お母さんに頼まれちゃ断り用が無いよ」
「まだ責任を感じているんですか?もう母も僕も何も思ってませんから、こんな風に別荘を貸したりする必要は…」
「深弥君は誤解しているよ、最初は君たち親子に対する罪滅ぼしのつもりだったがね、今は君が立派に成長してくれて嬉しいのだよ。息子がいない今、君は孫じゃなくて息子だと感じる事もあるくらいさ」
「深弥ー?この切れないー」
「はーいすぐ行くよ柚紀。ほんとにありがとうございます。おじさんもゆっくりして行ってくださいね」
柚紀は大きめのステーキ肉と格闘していた。
「おじさんてもしかして…」
「あぁそうだよ。一応俺の父親に当たる人の父親さ。小さい頃からお世話になっていてね。」
「そうなんだ…優しいね」
その優しいが俺に対する言葉なのか、おじさんに対する言葉なのかわからなかったが、柚紀はどこか満足げだった。
バーベキューが終わり、おじさんは少し休んでから帰ることになった。
「深弥君。余計なお世話かと思うがこれを…」
何か鞄から袋を出して、差し出してきた
「なんです?これ…は!?」
中には…大量の避妊具やエナジードリンクだった。
「余計なお世話かと思ったんだがね?やはり若い男女が一つ屋根の下にいるわけだしね?」
「なるほど…まぁこれは戒めかも知れませんね。というか多いですよこれは」
「そうなるね。…まぁ彼女も君の事が好きなら少なからず期待しているのかもしれない。健闘を祈るよ」
「はぁ…お気持ちには感謝しますよ。ではお気を付けて」
「では、帰るよ。また会おう」
「おじさーんありがとうございましたー!」
奥から走ってくる柚紀にバレないうちに袋を隠しておじさんを見送る…
期待…か。そんなのするわけ…ん?昨日からの理不尽な行動…まさかな。
その晩は久しぶりの満腹で、ゆっくり眠れると思って、寝室に入る。瞬間。脳に送られる筈の血液は行動を止めたと思うくらいの寒気に襲われた
おじさんから貰った袋の中を見て、顔を真っ赤に染める柚紀の姿だった。
「へ!?…あ、深弥…その…なんかコソコソ隠してたからお菓子…かなって…」
「あ、あーそれはあれだよ!おじさんが置いて行ったやつかなー?全くおじさんは困るなーははは…」
殺される。そう覚悟した。しかしいつまで経っても柚紀は襲ってくる気配はない。それどころか何かモジモジしてる
「あ、あのさ…深弥。ボク達もう高校生じゃん…?ボ、ボクは深弥なら…いいよ?」
「柚紀!?へ?ちょっとまっ!」
言い終わる前に柚紀に引っ張られベットに倒される。何も考えられない…
気がつくと俺は柚紀と口を合わせていた
「ぷはぁ…柚紀…いいの?」
「…うん。いいよ」
その晩、俺達の絆は繋がった。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる