12 / 25
芙蓉の精霊※
しおりを挟む「ははは! カッツェ様、いや、芙蓉の精霊……! 遂に、遂に手に入れたぞ!」
唾を飛ばしながら笑うミラー伯爵に嫌悪感が走る。何故ここまで自分に執着しているのかは分からないが、これで兄が困ることなく過ごせるのであればどうでも良い事だ。
興奮したミラー伯爵が馬乗りになって見下ろし、笑いながらブチブチとカッツェの服を破いた。安くはない服を破かれてショックを受けるどころかティコの葉の効力のせいか身体が勝手に反応してしまう。
「や、ぁ……!」
「はぁはぁ、実にいやらしいお姿ですな…!潤んだ瞳にどこに触れても疼く身体、そして何より控えめに喘ぐ声! 神に感謝したいくらいです!」
「……っ、ひ……」
身体は疼いても心は拒否を示し、小さく悲鳴を零す。
嫌だ。本当は誰にも触られたくない。誰にも捧げたことの無いこの身体は、兄でなくてはこのまま清く残すつもりだった。
けれどこの身体で兄に恩を返せるのならば。
「カッツェ!!」
バン!、と壊れそうな勢いで扉が開く音が聞こえてきた。驚いてギュッと閉じていた瞳を開いて扉の方を見た。
その瞬間、僕の上に乗っかっていた牛のような巨体がどこかへ吹っ飛んでいった。
吹っ飛んだと同時にガシャン!と物が割れたり落ちたりする音と、ガンガンと何かを殴る音が聞こえてくる。
「殺す、殺す、殺す」
「っが、あが、ぐ」
呪詛のような声がする。それは紛れもなく兄の声であり、聞いたことの無い声でもあった。
「お、にい、様…」
「レーヴェ様!落ち着いて下さい! ミラー伯爵を本当に殺してしまいます!」
ぼんやりとした意識の中でフレイが叫んでいる。どうやら兄を何とか必死に止めているようだ。
「いい。死ねばいい」
「だとしても!今はレーヴェ様がすべきことはミラー伯爵を殺すことではなく、カッツェ様の身を案ずることでしょう!」
フレイが兄とミラー伯爵を引き剥がして説得し、兄がふらりと自分のいるソファの前までやってきた。
「…あ、おにい、さま、や……ぁ、あっ!」
「カッツェ…帰ろう」
「あああっ!」
横抱きにされて持ち上げられ、触られた場所が酷くビリビリする。ティコの葉の効力が強くなったからなのか、大好きな兄が触れたからなのかは分からない。
痛ましくこちらを見る兄を見ても、自分ではこの痺れのような快感を止めることは不可能だった。
「大丈夫、カッツェ。大丈夫だ……」
移動中も兄は優しく、なるべく揺らさないように歩を進めてくれた。ミラー伯邸を出て馬車に乗り込むと、横抱きのまま兄の膝に乗せられた。
「大丈夫だ」と繰り返しながら顔中にキスを降らせてくる。甘い刺激に僕の身体はますます興奮したようでキスをされる度に上擦った声が漏れてしまった。
「んっ、ん、や、ぁ……ん!」
「カッツェ…」
「おにい、様ぁ……っ、は、たすけ」
「……こんな状況は不本意だが、仕方ないか。カッツェ、声を少し我慢できる?」
手で口元を抑える。コクコクと首を頷かせると「良い子だ」と額にキスをまた一つ落としてくれる。
兄はいつの間に勃ち上がった僕の中心に触れた。服が押し上げられ苦しそうにしていたソコは、兄の手で外の空気に触れぶるりと身体が震えた。
「んっ」
「ああ……やはりあの男、殺しておくべきだった。カッツェのこんな姿を見ただなんて」
「ん、んんんっ! っ、ふ…ん、ぅ」
まるで世界を呪うような低音を出しているのに触れる手つきは誰よりも優しい。自身の固くなったソコの先端から溢れてくる先走りのせいで、兄が上下に擦る度ににちゃにちゃと音がして羞恥に顔が火照る。
裏筋もカリ首も掻く兄の手つきは巧みで、茶の成分のせいもあって高みに昇っていくのが分かる。
「あっ、やだ、ぉ兄様…!お兄様が汚れてしまいます……!」
「汚せばいい。そんなことよりもほら、集中して…気持ち良いんでしょう?」
「っ、ひ、ぁ……んっ、ふ、だめ、ダメぇ…!」
何一つ穢れない兄を汚したくなくて、涙を流しながらイヤイヤと首を振る。けれど兄の手は攻めを緩めることなくにちゃにちゃと音を激しくさせながら擦り続けた。
気持ちいい。おかしくなる。
茶の成分のせいだけでなく、兄の手だからという事実が背徳感で更に己を掻き立てた。
「っひ、い、んんんっ!んん~~っっ!」
「我慢できて偉いね、カッツェ…」
「っは、は…ふ…」
乱れた息を整えているとチュッチュとキスの雨をまた降らせてくる。まるで赤子を安心させるような行動に、瞼が自然と下りてきた。
「愛してるよ…カッツェ。絶対に私以外の誰にも侵させたりなどしない」
86
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる