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暴かれる時※
しおりを挟む意識が混濁している。ふよふよと湖面に漂うように身体は上手く動かせない。
しかし、その身体とは裏腹に、どうしようもなく己の欲が高ぶっているのを何故か感じた。
「っあ、ん…は、ぁ……んん……」
これは自分の声なのか、こんな上擦った女性のような声に耳を疑う。誰かが自分を揺さぶっている。ゆらゆらと揺れながらも高ぶっている己の欲が満たされていく。
「あ……あん、んん、ん……ぁっ!」
揺蕩う身体にいきなりガツンと腰を打ち付けられる感覚と、ビリビリとした脳天を痺れさせる感覚が一気に襲った。
突然のことに僕はたまらず目を開く。眼前には兄の目鼻立ちの整った顔と程よく鍛えられた肢体が映し出されたこともあり混乱した。
上手く頭が回らない。どうしてお互い裸? どうして兄様が僕の上に?どうして。
「っやぁ! あっ」
「ふふふ…、起きた方が反応が良くてやっぱり可愛いね。ほらカッツェ、よく見てご覧?私のは結構大きい方だと自負してるけど、カッツェの中が美味しそうに頬張っているだろう?」
そう言われてようやく下半身を見た。兄の手でだらしなく足をカエルがひっくり返ったように広げられて、兄の中心は僕の身体に収まっている。限界まで広げられている蕾は、シワが広がりきっているのに全く痛くない。それどころか確かに中が熱を持つ部分にピッタリと当てはめてくる。
「に、いさま!や、いやぁ!抜いてくださ、だめ、や、ああっ!」
「なんで抜かなくちゃいけない? カッツェの中はこんなに喜んでるよ?」
抜いてと言ったはずなのに、兄は容赦なく剛直を奥へと突き刺した。兄の言った通り、自分の中は兄を容易に受け入れ、尚且つ快感すら得ている。
涙で上手く前が見えないのに、兄の瞳に光がないのだけは分かる。
「カッツェのココは私を受け入れてこんなに良い子なのに。カッツェ自身はとても悪い子だ。どうして一人であんなクソ野郎の所に行った?私に一言もなく?それどころか手紙まで内緒でやり取りをして?」
「ひ、ぁ、やっ、ぁ…っ!」
「聞いてる?私は叱らなくちゃいけないよ。まったく…カッツェ。どうして一人で勝手に行動した?」
「あっ、やめ…ごめんなさ…ぁあ!」
口端だけは微笑んでいるのに目が笑ってない。初めて見る兄の様子に恐怖が駆け巡る。その間も兄は腰を打ち付けるのをやめてはくれず、恐怖と快楽で頭の中がごちゃごちゃになっている。
「カッツェ…私はどうしてと聞いてるんだ。謝罪は良いから、答えてくれる?」
「ひっ……」
暗く、低い声。それはミラー伯爵に殺すと言っていた兄の声を思い出させた。
「……お、兄様の手を、煩わせるようなことでは無いと、おも…っあ! や、だめ…っ」
「ではあのままあの薄汚い豚に犯されても構わなかったと言いたいの?」
ミラー伯爵に襲われた時のことを思い出し、首を横に振った。
「ちが、そんなつもり…っ」
「じゃあどんなつもりだったの。私があと少し遅かったらあの豚にカッツェのこんな姿を見せることになってたのだけれど。……はぁ、やっぱり殺すべきだったなぁ」
殺意を孕む言葉に本気が伺える。何を言っても今はきっと兄の忌憚に触れそうで、自らの上擦った喘ぎ声だけしか出せなかった。
「まぁいいか。カッツェ? いいかい。君は私の全てで私は君の全てだ。分かる?」
「は、ぅ……ぁん!あっ、は、はい……っん!」
「自らを損なうということは、私の全てを殺すことになる」
「…っ、そ、んな……」
そんなつもりは毛頭なかった。私が橋渡しになれば良い、くらいにしか考えてなかった。兄の役に立てるのはもう結婚くらいしか方法がないと思っていたのに。
「鉄鋼だってミラー伯爵の所でなくとも我がレゲンデーアと取引したいと名乗り出てくる場所はいくらでもある。だからあんな馬鹿な真似は二度としない様に」
「……は、ぃ……申し訳ありませんでした…」
「やっと分かったようだから、この話は一旦終わり。……後はカッツェ、身体は少し楽になった?」
「ん…っ、は、ぁ……は、はい」
まだ少し身体は疼くものの、確かにさっきまでの前後不覚に陥るほどの辛さはなかった。「ご迷惑を」と言いかけて、不意に顔に影が差す。またいつものキスを降らせてくれると思っていた。けれど期待していたキスではなかった。
「んっ! ん……っ!」
「ふふ、かわい。こっからは身体を慰めるためじゃないから、覚悟してね?」
「え、や、ま…っお兄様、あっ…!」
兄はいつものように微笑む。中に入ったままの兄のソレは硬く滾ったままで、さっきまでの抉るような腰の動かし方ではなく、中を楽しむようなイヤらしい動きでまさぐってくる。
「ほらカッツェ。私が動かすだけでこんなにヒクヒクさせて…期待してるでしょう?」
「あ、だめ、ダメです……お兄様、こんな、ぁ!あん! っ、あ…っ~~!!」
「ははは、すっご。カッツェが処女なのは知ってたけど、こんなに身体が素直だと心配だなぁ」
「やぁ! っは、はぁ、だめ、今、やだやだ、や、あっ!!」
「軽くイッた後にグリグリされて…またイッた?」
「お兄、さま、も、やめ…っだめです、これ以上は、あ」
弱い所を粘着され、パチパチと目の前がずっと弾けた。
兄はそのまま楽しそうに僕を揺さぶり、言葉にならない声で僕はずっと喘ぎ続けた。
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