26 / 71
幼少編
騙された!!
しおりを挟む
そうして、仮契約をすることになった、グレーティエは、グリフォンの指示通りに契約の儀式を行った。
儀式の流れ。
第一段階は契約する人間が幻獣に自分の名を言い、幻獣に名をつける。
「私の名はグレーティエ・ファルストーク・ギレストだ、よろしく」
『こちらこそよろしく。可憐な名前だな。俺はなんて呼べばいいかな?』
「普通にフルネームでもいいし、ティエでもいい。それは君が決めてくれ」
『了解、じゃあティエと呼ぼう』
「次は君に名前をつけるんだったね、つける前に聞くけど、君はオスだよね。念のため」
『ああ。オスだよ。人間年齢で考えると、二十代前半くらいかな』
「わかった、ありがとう。じゃあ」
グレーティエは改めてグリフォンを上から下まで、観察した。
グリフォンの体毛は黄色っぽく、目の色は宝石のアメジストを嵌め込んだように綺麗な紫色だ。
紫と黄色、色にちなんで、しおう(紫黄)にしよう。漢字は、紫皇がいいか。
「君の名は、紫皇。名をつけた後はどうするの?」
第二段階はお互いの魂を繋ぐ誓いの言葉を言う。
『次は、俺が言う言葉を繰り返して言ってくれ。それで魂同士を繋ぐ誓いがされる』
「わかった。では言ってくれ」
『俺の声に続けよ。
我が魂に誓う。我が名は紫皇。我はグレーティエ・ファルストーク・ギレストと永久に切れぬ絆を結び、共に生き、共にあることを』
「我が魂に誓う。我が名はグレーティエ・ファルストーク・ギレスト。我は紫皇と永久に切れぬ絆を結び、共に生き、共にあることを」
【その誓い、受諾した。汝らの誓いを永久に】
どこからともなく頭に響いた声。
声がしたあと、胸の奥が熱くなり、よくわからないが、つながりを感じ、訳もわからず身体が震えた。
紫皇も同じように身体を震わせている。
まあ、これで契約は完了したようだ。
・・・うん?ちょっと待てよ、さっきは流れで同じことを言ったが、紫皇は永久に切れぬ絆とか言ってなかった?
それに、どこからともなく聞こえた声も誓いを永久にとか言っていたような。
そうして、気づいた彼女は紫皇に詰め寄った。
「質問があるんだが、さっきの契約、仮契約だよな?」
否定して欲しいと願いながら聞いた言葉は、無情な答えによって砕け散った。
『ああ、あれね仮契約なんて無いよ。契約は一度結ぶと一生切れない。それに俺は一度も仮契約があるなんて言ってないよ。お試し期間のようなものがあるって言っただけだし嘘は言ってないよ。ちなみに俺が言ったお試し期間は、契約時に魔力が合う合わないを試して、合えば契約完了。合わなければ、契約ができないってこと。つまり、お試し期間は一瞬だね』
にっこり笑顔でそう宣った。
私は心の中で思いっきり叫んでいた。
騙された!と。
儀式の流れ。
第一段階は契約する人間が幻獣に自分の名を言い、幻獣に名をつける。
「私の名はグレーティエ・ファルストーク・ギレストだ、よろしく」
『こちらこそよろしく。可憐な名前だな。俺はなんて呼べばいいかな?』
「普通にフルネームでもいいし、ティエでもいい。それは君が決めてくれ」
『了解、じゃあティエと呼ぼう』
「次は君に名前をつけるんだったね、つける前に聞くけど、君はオスだよね。念のため」
『ああ。オスだよ。人間年齢で考えると、二十代前半くらいかな』
「わかった、ありがとう。じゃあ」
グレーティエは改めてグリフォンを上から下まで、観察した。
グリフォンの体毛は黄色っぽく、目の色は宝石のアメジストを嵌め込んだように綺麗な紫色だ。
紫と黄色、色にちなんで、しおう(紫黄)にしよう。漢字は、紫皇がいいか。
「君の名は、紫皇。名をつけた後はどうするの?」
第二段階はお互いの魂を繋ぐ誓いの言葉を言う。
『次は、俺が言う言葉を繰り返して言ってくれ。それで魂同士を繋ぐ誓いがされる』
「わかった。では言ってくれ」
『俺の声に続けよ。
我が魂に誓う。我が名は紫皇。我はグレーティエ・ファルストーク・ギレストと永久に切れぬ絆を結び、共に生き、共にあることを』
「我が魂に誓う。我が名はグレーティエ・ファルストーク・ギレスト。我は紫皇と永久に切れぬ絆を結び、共に生き、共にあることを」
【その誓い、受諾した。汝らの誓いを永久に】
どこからともなく頭に響いた声。
声がしたあと、胸の奥が熱くなり、よくわからないが、つながりを感じ、訳もわからず身体が震えた。
紫皇も同じように身体を震わせている。
まあ、これで契約は完了したようだ。
・・・うん?ちょっと待てよ、さっきは流れで同じことを言ったが、紫皇は永久に切れぬ絆とか言ってなかった?
それに、どこからともなく聞こえた声も誓いを永久にとか言っていたような。
そうして、気づいた彼女は紫皇に詰め寄った。
「質問があるんだが、さっきの契約、仮契約だよな?」
否定して欲しいと願いながら聞いた言葉は、無情な答えによって砕け散った。
『ああ、あれね仮契約なんて無いよ。契約は一度結ぶと一生切れない。それに俺は一度も仮契約があるなんて言ってないよ。お試し期間のようなものがあるって言っただけだし嘘は言ってないよ。ちなみに俺が言ったお試し期間は、契約時に魔力が合う合わないを試して、合えば契約完了。合わなければ、契約ができないってこと。つまり、お試し期間は一瞬だね』
にっこり笑顔でそう宣った。
私は心の中で思いっきり叫んでいた。
騙された!と。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
【改稿版】夫が男色になってしまったので、愛人を探しに行ったら溺愛が待っていました
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
外観は赤髪で派手で美人なアーシュレイ。
同世代の女の子とはうまく接しられず、幼馴染のディートハルトとばかり遊んでいた。
おかげで男をたぶらかす悪女と言われてきた。しかし中身はただの魔道具オタク。
幼なじみの二人は親が決めた政略結婚。義両親からの圧力もあり、妊活をすることに。
しかしいざ夜に挑めばあの手この手で拒否する夫。そして『もう、女性を愛することは出来ない!』とベットの上で謝られる。
実家の援助をしてもらってる手前、離婚をこちらから申し込めないアーシュレイ。夫も誰かとは結婚してなきゃいけないなら、君がいいと訳の分からないことを言う。
それなら、愛人探しをすることに。そして、出会いの場の夜会にも何故か、毎回追いかけてきてつきまとってくる。いったいどういうつもりですか!?そして、男性のライバル出現!? やっぱり男色になっちゃたの!?
家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。
水垣するめ
恋愛
主人公のミア・スコットは幼い頃から家の仕事をさせられていた。
兄と妹が優秀すぎたため、ミアは「無能」とレッテルが貼られていた。
しかし幼い頃から仕事を行ってきたミアは仕事の腕が鍛えられ、とても優秀になっていた。
それは公爵家の仕事を一人で回せるくらいに。
だが最初からミアを見下している両親や兄と妹はそれには気づかない。
そしてある日、とうとうミアを家から追い出してしまう。
自由になったミアは人生を謳歌し始める。
それと対象的に、ミアを追放したスコット家は仕事が回らなくなり没落していく……。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる