前世は仕事のやりすぎによる過労死を経験したので次の人生ではのんびり生きたい

幼少編

母の独白

娘がグリフォンに騙されて契約してしまった。
そのときの一部始終をずっと見ていた母は、笑いを堪えるのに必死だった。
この年で幻獣と契約するとは思っていなかったので、幻獣契約の勉強をさせていなかった。
そのせいでこうなったわけだが。
レシエルが驚いたのは、幻獣のランクである。
ファルーア王国では、幻獣にランクをつける。
一番上は特Ｓ級、分類されるのは、ドラゴン、もはや伝説と化している。
そして、今重要なのが、二番目のランクである、Ｓ級、分類されるのは、グリフォン、ガルーダ、フェニクスなど。
三番目のランクはＡ級、分類されるのは、ユニコーンやペガサス、キメラなど。
その後は、人と共生している獣たちのことが指される。
レシエルの娘であるグレーティエはこの国でＳ級ランクに該当される、グリフォンを契約獣にしたのだ。
これは普通のことではない。
今この国でグリフォンを契約獣にしている人間は、情報では、両手で数えられるほどしかいない。
そして、世界でもグリフォンと契約している人間は50人いるかどうか。
そのくらい貴重なことだった。
グリフォンと契約することは。
この年で幻獣と契約するのは、かなり異例だが、契約を結んでしまったのだから、学園へ入学させなければいけない。
先のことを考えると私も憂鬱な気分になるわ。
まあ私の娘だから仕方ないかしら。
ふふっ。