推しのために私がなんとかすればいい!

ライ

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成長編

よし!確かめよう!

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娘であるリアが記憶の混濁で高熱を出してしまい、両親にかなり心配をかけてしまったようだ。
まあ、当然と言えば当然であろう。
生まれて三年、病気らしい病気をしたことのない娘がなんの前触れもなく倒れ、回復したと思いきやまた高熱で倒れる。家族の情があれば心配するのは当たり前である。
リアは起きて早々に、心配させた両親にもう大丈夫だと笑って答え、文字の勉強をしたいとねだる。
父は娘の頼みを、まだ幼いのにと思いながらも断る理由はないのですぐに家庭教師を用意することにした。

父に頼んで用意してもらった家庭教師は、見た目は20代前半、灰色の髪に琥珀色の瞳、色気が垂れ流されてるイケメンさん、名をティーシェン・ライブラーと名乗った。
ん?いやちょっと待って、ティーシェン・ライブラー?物凄ーく聞き覚えのある名前なんだが。
記憶の中を検索しなくてもすぐにその名前の持ち主の記憶が頭を過る。
ティーシェン・ライブラー ゲーム登場時の歳は35歳、乙女ゲーム〈ワクワク★学園ライフ★星が導く愛のカタチ〉に出てくる教師の名前がそんな名前だった。
確か没落寸前の男爵家の生まれで、貧窮してる家族を養うために学園の教師をしていて、若い頃は家庭教師のバイトもしていたって本人が言っていたような?
え?まさかの答えからやってくる感じ?

リアの混乱を置いて、授業は始まった。
ティーシェンの授業はわかりやすく、また幼児の吸収力も相まって、混乱する頭であっても文字の勉強は順調に進んだ。
リアは授業が始まって一週間ほどでほぼ完ぺきに読み書きを習得していた。
そうして早速、現王の名前や王族の名前、主要な貴族の名前などを調べていく。
ティーシェンの登場でほぼそうであろうとは分かっていたが、やはり調べていけばいくほどこの世界は前世で飽きるほどプレイしていた乙女ゲームの世界と同じものだと理解した。
流石に乙女ゲームの世界だからといってすべてが同じだとは思えないが、リアの立ち位置は乙女ゲームの世界では野次馬、モブキャラというものであろう。
前世では廃人プレイヤーとして攻略サイトに攻略情報を書き込むレベルでやりこんでいた彼女の記憶にないのだから。

にしても、流石にワク学〈ワクワク★学園ライフ★星が導く愛のカタチの略〉の世界に転生することになるなんて思いもしなかったな。
それも名前も出てないモブって。
あれ、でも待って、あの世界ってことは、つまり、私の最推しである悪役令嬢カレン・アリエス・フローライトにも直に会えるかもしれないってこと!?
え!っちょっとまって私、落ち着くのよ、深呼吸をして。スーハー、スーハーーげほげほ、は、はき過ぎた。
えーと、まず思い出すのよ私、確かティーシェンのゲーム登場時の年齢が35歳でしょ、で今私の家庭教師をしてるあの人は20代前半っぽいわ、てことは恐らく今はゲーム開始から10年くらい前の世界になるはず。
あの乙女ゲームの世界での貴族の区別からして、私の家は多分新興貴族よね、父の事業はわからないけど新興貴族で伯爵にまでなるってことはかなりやり手の商人か武人ってことよね、てことはほぼ確実に私はゲームの舞台である学園に通うのは確定っぽいけど、ヒロインと歳が近くないとカレン様に会えないわ。
とりあえず今はゲーム開始時から何年前かを知ることから始めましょう。
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