巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと

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最強モンスター(カロリー的な意味で)

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ジュワジュワパチパチと、聞き慣れない音が実験室に響いている。同時に何とも嗅ぎ慣れない、香ばしい匂いも。
「……今度は何だい、サエ?」
問い掛けるマリウスは楽しそうで、聞かれた紗江の方も気持ちが浮き立つ。
「揚げ物ですよ。せっかく女神様に油のとれる豆を教えてもらったんだから」
女神アナスタシアの神託によると、この世界で一般的に見られる『豆』には食用に適した油が含まれているという。
一粒が紗江の拳程もある豆は、この世界の森に幾らでもある、ありふれた植物だ。森の湿地に幾らでも生え、二の腕程ある莢を実らせる。しかしその莢の中はぬとぬとした粘液に包まれ、青臭くてとても食べられない。完熟した種は魔道具を使わない火種に出来る。それくらい良く燃えるのだが、紗江の夢枕に立った女神アナスタシアによると、この豆を砕いて搾ると油が取れるというのだ。試してみたら驚く程大量の、しかも癖のない植物油がとれた。
そこで早速、試してみたかった揚げ物に挑戦中なのだ。揚げているのは芋の素揚げと、下味を付けた肉。どちらも素材は元々この世界で食べられていたもので、料理方法でどれだけ変わるか、それを確かめてほしい。
カラッと揚げた芋に塩を振る。太めの棒状に切ってあるので、表面はカリッと、中はほくほくして熱く、塩が絡むととても美味しい。この芋は殆ど地球のじゃが芋同等で、大きさこそ違うが味は淡白で腹持ちがいいところ等良く似ている。
そして例の『創世の女神』は、自分で作って与えておいて、この芋を「品は無いが人間は食べなくてはならないもの」と位置付けていたそうだ。食べ方も塩味のスープに入れるだけなので、諦めと共に食されていたらしい。
だが油で揚げればコクが出て塩にハーブを加えたりすれば風味も変わる。芋に罪はないし、どうせなら美味しく食べたいと紗江は思う。
「油で揚げると、ボリュームが出て美味しいですよね。醤油とお肉で肉じゃがにしてもいいし……あー、でもそうしたらご飯食べたいな」
問題はまだ米、その実る稲が見つかっていないことだ。アナスタシアによると地方で細々作っているらしいが、詳しい場所は彼女も語らなかった。或いはそこまで知らなかったのかもしれない。
それでもこの世界に在ることは確実なので、焦らず見つけたいと思う。パンも発酵したふんわり柔らかいものも開発が始まっているが、やはり白い米の飯が食べたい、のは日本人のさがだろうか。味噌や醤油が出来たのに、米飯が無いのは悲し過ぎる。
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