俺とうさぎと異世界と

ミラタマ

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第1章

異世界へ

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会社から帰り道にいつも覗くペットショップがある。
結婚を諦めたので一人暮らしでは寂しいかったのでペットを飼うことにした。
犬や猫も好きなのだが1番はやっぱりウサギだった。
「お金も用意したし、可愛がって上げよう・・・この道を曲がればショップが見えてくる」
そして道を曲がると丁度自動ドアが開いて出て来た者が居た!

でも人ではなく「ウサギ」が。

なんでウサギが!?っていうか飼う予定のウサギが逃げ出してるのか!
とりあえず捕まえようとした処で車道にウサギが飛び出してしまったのだ。
しかもトラックの目の前に!?
「あぶない!!」
俺は飛び出してウサギを抱かかえると歩道の方に投げ飛ばした。だがその代わり自分が車道に出ることになり一瞬の衝撃が来て俺の意識は沈んだのだった。

意識が戻ると真っ白な空間にいた。
「ここは・・・」
上も下も左も右も上下左右まったく分からない場所にいるのが分かるだけだった。
暫くすると黒い線が自分の足元に格子状に掛かり始めた。
どんどん線は広がっていき、まるで1つの小部屋の中に入った感じがした。
こんどは色々な線が入り机と椅子とパソコンが作られて「ようこそ私のへやへ」と頭の中に声が響いて来たのだった。
いつの間にか綺麗な女性が椅子の上に座っていてこちらを見ていたのだ。
「さあ、どうぞ椅子に腰かけて下さい。」と言われた時、椅子が現れたので腰かけたのだった。椅子に座ると
「まず、謝らせて下さい。私の後輩のせいであなたが死んでしまった事を・・・。」
そう言って深々と頭を下げられると何故かこちらが悪い気持ちになり
「頭を上げて下さい。」
とすぐに言えたのが唯一自分の良かった所だと思う。女性が頭を上げると
「すみません。私としたことが名前を名乗っていませんでしたね。私は皆さんから[女神ルナ]と呼ばれています。主神からこの世界を見守るように仰せつかった者です。」
言い終わると身体から神気?が放たれる。綺麗な色をしていた。

「何かお礼をしなくてはならないのですが・・・。」
そう呟くと瞳がこちらに向けられた瞬間、心の奥が見られた気がした。
時間にして数秒位だとは思うが年齢分見られた感覚が自分にはあった。
「・・・異世界に行ってみたいですか? 貴方の書籍にそういう類の物が多いので。」
言われた瞬間「行きたいです!!」と答える自分がいた。
「分かりました。では私が管理する世界にご招待しますが宜しいですか?」その問いに、
「どういう世界ですか? ゲームの様な世界ですか? 魔法とか使えますか?」
と矢次に質問をぶつけるとにっこりと笑われて
「秘密です。」
と言われてしまった。我ながら少し興奮していたようだ。平常心、平常心っと。
心を落ち着かせていると自分自身が光はじめているのを見た。
慌てて女神様をみると手の平から光が自分に放たれているのが分かった。
「ふぅ。各種ステータスアップとこれから行く世界の基本的な常識をあなたに差し上げました。有効に利用して下さい。」
「ありがとうございます。」と深々とお礼をして気持ちを切り替えた。行くんだ異世界へ!
では、そろそろそちらに送りますね。
「はい!」
そう言うと自分が光輝き始めて・・・」
「待って下さい!!」と、声が掛けられた。
息を切らしながら一人の女性が慌てて入って来たのだった。
「何とか間に合いました。良かったです。」
声を掛けてきた女性に目が釘ずけになった。もちろん綺麗な人だと思ったのだが視線は女性の頭に向かっていた。
「あれは・・・うさ耳だ~!?」
そう、この女性には頭にウサギの耳が生えていたのだ。しかもピクピク動いている処から本物のうさ耳であることが分かる。可愛いし。彼女は女神様の方に向くと
「酷いじゃないですか!私に連絡をくれても良いのに!もう少しでお礼を言えなくなる所じゃ無いですか!」
と怒っているのだが怒り顔も可愛かった。
今度はこちらを向くと笑顔になって手を握ってきたのである。
「ありがとうございました。命を救って貰って。本当に幸せです。そして、ごめんなさい私のせいで貴方が死んでしまう事になってしまって。本当にごめんなさい。」
彼女の顔を見たことがないはずだが脳裏にあの事が浮かんだ。それを見越したように
「はい。あの時助けて貰ったウサギです。」彼女はそう言って深々と頭を下げたのだった。

彼女は女神候補生の一人でルナの補佐役兼業務担当だそうだった。
候補生に選ばれた嬉しさから店を飛び出してしまい今回こういう事になってしまったらしい。
まあ、異世界に行けることになったので結果は良いのだが・・・。
「異世界に行かれるのですね?」
「はい。向こうでこちらと違う生き方をしてみたいと思います。」決意表明をすると、
「私からも贈り物をしたいと思います。命の贖罪にはならないのですが・・・」申し訳なさそうにしているので、
「頑張って良い女神様になってくれればそれで良いですよ。それだけで十分です。」気持ちを素直に伝えると、彼女は目を潤ませて「ありがとうございます!精進致します。」と返してくれた。

「私からはこれを・・・」と、光の玉が彼女の手の平に現れた。それをルナ様に渡すと光を放ち、自分の中に吸い込まれていった。ルナ様は良いスキルね。と彼女を褒めていた。
「では、今度こそ送りますね。」「はい。」光が自分を包んで意識がブラックアウトしたのだった。



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