俺とうさぎと異世界と

ミラタマ

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第3章

俺とアリスと初めての戦闘

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ギルドまで案内して貰うと[ザ・酒場]って感じのする場所だった。
アリスは端っこを指さして
「あそこです。旗がギルドのシンボルなんです。(ドヤァ)」
なるほど。知識通りだ。だが、なぜか見慣れない効果音と顔が気に食わなかったのでとりあえずグワシっと耳を掴んでおいた。
その後、端に向かい受付に話しかける。
「ギルドに入りたいのだがどうすれば良い?」
「紙に必要事項を記入して貰いこちらに提出して下さい。手数料で銀貨2枚戴きます。」
そういわれて用紙を受け取ると書き込んでいく。涙目のアリスもそれに習い書き込んでいった。用紙と銀貨を渡すと
「少しお持ちください。」と言って呪文を言い始めた。
「あとはここに自分のである証として血を一滴垂らしてください。それで登録完了になります。
言われた通り血を垂らすとカードが光輝いた。
「これで登録完了です。ご苦労様でした。続けて説明させて戴きます。」
そう言うと一般的な説明が始まったのだった。

説明・注意事項が終わった後、掲示板に向かって仕事に何があるかを見てみる。
突ウリ退治3体(銅貨1枚)・迷子の猫探し(銀貨1枚)・草むしり(鉄貨5枚)と今受けられるのはこんな所か・・・。
「突ウリ退治やりましょう!」何故か白ウサがやる気を出していた。
「白ウサがしたいなら良いけど・・・」
「白ウサって何ですか?」
「お前の名前」
「私はアリスって名前があります!?」
「髪の毛白いから白ウサでオッケー」
「もう、いいです・・・」
名前が決まった処で何で突ウリが良いのか聞いてみた。
「この時期は突ウリの子供が沢山いて親はいないんですよ。それに皮とお肉が高く売れるんです。丁度柔らかさと油が乗っていて美味しいんです。」
なるほど。ご飯が絡むと白ウサはキビキビ動けるのか。俺は心のメモ帳に(ご飯で釣れる)と書いて置くのであった。

で、外に出たは良いが・・・武器買ってないんだけど!?どうしろと?
白ウサはどこからともなく短剣を二つ持っていた。双剣士か?聞いてみよう。
「二刀流で戦うのか?」
「はい。いつもそうしてます。何か変ですか?」
「いや、気になって聞いただけだ。他に武器は持ってないか?」
「ありません。私、これしか持ってませんですから。」
う~ん。どうするか・・・・。悩んでいる時、頭にピーンと閃いた!!
突ウリを見つけると手をかざして唱える。
「ファイアボール!」
すると火の玉が飛んで行き、突ウリに激突して火柱が上がったのだった。
「うわぁぁぁぁぁ。」初めての魔法に感動していると、
「何やってるんですか。あんなに火が強かったら燃え尽きて何も取れません!」怒られた。確かに燃えた突ウリを確認しに行くと骨になっていた。
「初級の魔法だよな?ファイアボールって。」
「初級にしては威力高すぎです。っていうか魔法使えたんですか!?」
「今、なんとなく閃いて使った。」
「アルヴァさんおかしいです!変態です。痴漢です。ウサギの敵で・・・」
グワシッと耳を掴んで捻ってやった。
「うさぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!」
良い音が辺りに響き渡った。
後の2匹は白ウサに任せて俺はステータスを開いた。スキル欄にファイアボール(魔法)と新しく記載されていた。うまくすれば色々覚えられそうな気がしてきてワクワクが止まらない自分がいた。

ギルドにて突ウリの確認をしてもらう為にカードを提示した。職員がカードを受け取り光をかざすと討伐達成の表示が出てきて
「はい。討伐の完了をいたしました。カードと銅貨1枚をお渡ししますね。」
そう言ってカードと銅貨1枚を手に入れた。
「これが初めての労働の対価か。素晴らしい。」感慨にふけっていると
白ウサがお肉と皮を売り渡していて
「両方で銀貨1枚になります」と言って銀貨1枚を手に入れていた。労働の対価って・・何だろうと悲しくなっている自分がいたのだった。


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