2 / 21
第2話 莉菜子ラウンジで働く の巻
しおりを挟む
『高時給!カンタンな接客業 時給2000円~ 未経験者歓迎!』
「……ここ、よくない?」
場所は繁華街にある会員制の高級ラウンジ。18歳以上が条件だが、莉菜子はすでに17歳。年齢をちょっとごまかせばバレないかもしれない。
早速、スマホで番号を押す。数回のコールの後、柔らかい女性の声が応答した。
「はい、○○ラウンジです」
「あの、求人の件でお電話したんですけど……」
「あら、ありがとう。じゃあ、今日の夜、一度面接に来れるかしら?」
莉菜子は心の中でガッツポーズをした。時給2000円なら、少し働くだけでまともな生活ができる。
「はい、大丈夫です」
夜7時、莉菜子は繁華街の一角にあるラウンジの前に立っていた。店の扉は厚いガラスで、中の様子はよく見えない。恐る恐る扉を押すと、ゴージャスな内装の店内が広がった。
「いらっしゃい、面接の子ね?」
声をかけてきたのは、スーツ姿の女性マネージャー。落ち着いた微笑みを浮かべながら、莉菜子をソファに案内した。
「まず、お名前と年齢を教えてもらえる?」
「えっと……鹿取莉菜子、18歳です」
本当は17歳だが、バレるわけがない。マネージャーは莉菜子の顔をじっくり見つめ、納得したように頷いた。
「可愛いわね。お仕事は簡単よ。お客様とお話しして、お酒を作るだけ。難しく考えなくていいわ」
「お酒……って、未成年でも大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。あくまでお客様のグラスに注ぐだけだからね」
莉菜子はホッと胸をなでおろした。これなら、楽にお金が稼げるかもしれない。
「それじゃあ、試しに今日、少しだけ働いてみる?」
初めてのラウンジの仕事は、思った以上に簡単だった。上品なスーツ姿の男性客が席に着くと、莉菜子は笑顔を作って隣に座る。
「はじめまして、莉菜子です」
「おお、すごく可愛いね」
客はすぐにメロメロになり、高いワインをボトルで注文した。お酒を注ぎながら、適当に話を合わせるだけで、時間はあっという間に過ぎていった。
「これ、天職かも……?」
仕事が終わると、マネージャーが封筒を手渡してきた。中を見ると、なんと1万円が入っていた。
「今日の分よ。頑張ってね」
莉菜子は内心、ガッツポーズをした。こんなに楽に稼げるなら、もうコンビニなんかで働く必要はない。
しかし、そんな甘い考えが、後に彼女をとんでもないトラブルに巻き込むことになるとは――この時の莉菜子はまだ知らなかった。
【続く】
「……ここ、よくない?」
場所は繁華街にある会員制の高級ラウンジ。18歳以上が条件だが、莉菜子はすでに17歳。年齢をちょっとごまかせばバレないかもしれない。
早速、スマホで番号を押す。数回のコールの後、柔らかい女性の声が応答した。
「はい、○○ラウンジです」
「あの、求人の件でお電話したんですけど……」
「あら、ありがとう。じゃあ、今日の夜、一度面接に来れるかしら?」
莉菜子は心の中でガッツポーズをした。時給2000円なら、少し働くだけでまともな生活ができる。
「はい、大丈夫です」
夜7時、莉菜子は繁華街の一角にあるラウンジの前に立っていた。店の扉は厚いガラスで、中の様子はよく見えない。恐る恐る扉を押すと、ゴージャスな内装の店内が広がった。
「いらっしゃい、面接の子ね?」
声をかけてきたのは、スーツ姿の女性マネージャー。落ち着いた微笑みを浮かべながら、莉菜子をソファに案内した。
「まず、お名前と年齢を教えてもらえる?」
「えっと……鹿取莉菜子、18歳です」
本当は17歳だが、バレるわけがない。マネージャーは莉菜子の顔をじっくり見つめ、納得したように頷いた。
「可愛いわね。お仕事は簡単よ。お客様とお話しして、お酒を作るだけ。難しく考えなくていいわ」
「お酒……って、未成年でも大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。あくまでお客様のグラスに注ぐだけだからね」
莉菜子はホッと胸をなでおろした。これなら、楽にお金が稼げるかもしれない。
「それじゃあ、試しに今日、少しだけ働いてみる?」
初めてのラウンジの仕事は、思った以上に簡単だった。上品なスーツ姿の男性客が席に着くと、莉菜子は笑顔を作って隣に座る。
「はじめまして、莉菜子です」
「おお、すごく可愛いね」
客はすぐにメロメロになり、高いワインをボトルで注文した。お酒を注ぎながら、適当に話を合わせるだけで、時間はあっという間に過ぎていった。
「これ、天職かも……?」
仕事が終わると、マネージャーが封筒を手渡してきた。中を見ると、なんと1万円が入っていた。
「今日の分よ。頑張ってね」
莉菜子は内心、ガッツポーズをした。こんなに楽に稼げるなら、もうコンビニなんかで働く必要はない。
しかし、そんな甘い考えが、後に彼女をとんでもないトラブルに巻き込むことになるとは――この時の莉菜子はまだ知らなかった。
【続く】
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話
頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。
綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。
だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。
中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。
とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。
高嶺の花。
そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。
だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。
しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。
それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。
他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。
存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。
両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。
拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。
そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。
それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。
イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。
付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される
けるたん
青春
「ほんと胸がニセモノで良かったな。貧乳バンザイ!」
「離して洋子! じゃなきゃあのバカの頭をかち割れないっ!」
「お、落ちついてメイちゃんっ!? そんなバットで殴ったら死んじゃう!? オオカミくんが死んじゃうよ!?」
県立森実高校には2人の美の「女神」がいる。
頭脳明晰、容姿端麗、誰に対しても優しい聖女のような性格に、誰もが憧れる生徒会長と、天は二物を与えずという言葉に真正面から喧嘩を売って完膚なきまでに完勝している完全無敵の双子姉妹。
その名も『古羊姉妹』
本来であれば彼女の視界にすら入らないはずの少年Bである大神士狼のようなロマンティックゲス野郎とは、縁もゆかりもない女の子のはずだった。
――士狼が彼女たちを不審者から助ける、その日までは。
そして『その日』は突然やってきた。
ある日、夜遊びで帰りが遅くなった士狼が急いで家へ帰ろうとすると、古羊姉妹がナイフを持った不審者に襲われている場面に遭遇したのだ。
助け出そうと駆け出すも、古羊姉妹の妹君である『古羊洋子』は助けることに成功したが、姉君であり『古羊芽衣』は不審者に胸元をザックリ斬りつけられてしまう。
何とか不審者を撃退し、急いで応急処置をしようと士狼は芽衣の身体を抱き上げた……その時だった!
――彼女の胸元から冗談みたいにバカデカい胸パッドが転げ落ちたのは。
そう、彼女は嘘で塗り固められた虚乳(きょにゅう)の持ち主だったのだ!
意識を取り戻した芽衣(Aカップ)は【乙女の秘密】を知られたことに発狂し、士狼を亡き者にするべく、その場で士狼に襲い掛かる。
士狼は洋子の協力もあり、何とか逃げることには成功するが翌日、芽衣の策略にハマり生徒会に強制入部させられる事に。
こうして古羊芽衣の無理難題を解決する大神士狼の受難の日々が始まった。
が、この時の古羊姉妹はまだ知らなかったのだ。
彼の蜂蜜のように甘い優しさが自分たち姉妹をどんどん狂わせていくことに。
※【カクヨム】にて編掲載中。【ネオページ】にて序盤のみお試し掲載中。【Nolaノベル】【Tales】にて完全版を公開中。
イラスト担当:さんさん
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる